2013年9月25日水曜日

映画『天使の分け前』

2010年 監督:ケン・ローチ
製作国:イギリス/フランス/ベルギー/イタリア
at ギンレイホール




子供の頃から凶暴な性格のロビー(ポール・ブラニガン)は暴力事件により裁判所から300時間の社会奉仕活動を命じられる。
その社会奉仕活動の指導者であるハリー(ジョン・ヘンショウ)はスコッチ・ウイスキーの愛好家で、ロビーの息子誕生のお祝いに年代物のウィスキーを振舞ったことをきっかけにロビーの才能が目覚めていく。

予告編の紹介で『フル・モンティ』が引き合いに出されていたりするから、すかっとする成功譚なのかなと思ったら微妙に違う。
いや、すかっとする成功譚には違いはないけど、目覚めた才能はそんなに関係ないから。
クライムロードコンゲームムービーみたいな感じ。
はらはらどきどきほろっとしてかなり面白かった。

監督はケン・ローチ。
この人の何気ない日常に潜む温かいユーモアを捉える才能って凄いよな。
※僕が今まで映画見て一番爆笑して記憶に残っているのはケン・ローチの『ケス』のサッカーシーン

主役ロビー役のポール・ブラニガンは背も小さいし美男子でもないけど、演技が自然でひきつけられる。
これまで演技経験0だったのに主役に抜擢されたらしい。

映画『世界にひとつのプレイブック』

2012年 監督:デヴィッド・O・ラッセル
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




あからさまに笑わせようという感じはそんなに無いけど見ていて楽しいラブコメディ。
恋愛物としての盛り上がりもあるし、なかなか面白かった。

ティファニー役は30くらいの女優さんかなと思って、でもどこかで見たことあるなと思ったらジェニファー・ローレンスだった。
2010年の『ウィンターズ・ボーン』ではまだ少女だったのに。。
メイクを濃くして大人っぽくしているからブラッドリー・クーパーと並んでいても違和感が無い。

豪華にも父親役にロバート・デ・ニーロが出演している。
情けないような頼りになるような、お茶目なじいさんがはまっているから凄い。

2013年9月8日日曜日

映画『リンカーン』

2012年 監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




150分っていう事前情報を入れていたせいか、始まった瞬間から眠気が襲ってきて、こりゃぁめくるめくジェットコースタームービーじゃない限り耐えられそうにない、という予感のとおり爆睡してしまった。

リンカーンを演じたダニエル・デイ=ルイスがいい。
サリー・フィールドちゃんが演じた妻が、なんか嫌な感じの女性だったので調べてみたら悪妻として有名らしい。
息子のロバート・リンカーンを演じたのは『50/50 フィフティ・フィフティ』のジョセフ・ゴードン=レヴィット。
タデウスはトミー・リー・ジョーンズだったのか。顔がぼこぼこだったから気づかなかった。

映画『魔女と呼ばれた少女』

2012年 監督:キム・グエン
製作国:カナダ
at ギンレイホール




ストーリーは重い話のはずなのにそんなに重くない。
亡霊が見えるという設定とシーンが幻想的な反面、やや虚構性が勝ってしまった感じ。
というか全体的に、残酷な人生をこれ見よがしに描くわけでもなく、反戦を高らかに謳うわけでもなく、ただ、一人の少女が否応なく巻き込まれる悲劇を静かな視線で見つめ続ける、というスタイルなので虚構性もくそもないのかもしれない。
涙や感動を誘うべく作られているわけじゃないから。
じゃあ冷たい無感動な映画なのかというとそうでもなく、死に近い地平から少女が体験する喜び悲しみ、生と死、激動と安寧、そして恋、は、むやみに感動で流されない分、それはそれでなかなか強烈な印象を残す。

マジシャンだけなんで黒人じゃないんだろうと思ったら、アルビノの少年らしい。

コンゴの情勢とこの映画について、作家の田中真知さんの解説が面白かった。
http://earclean.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-e1d4.html