2017年10月22日日曜日

映画『ハクソー・リッジ』

2016年 監督:メル・ギブソン
製作国:オーストラリア/アメリカ
at ギンレイホール




第2次大戦末期、銃を持たない兵士がいた。っていう話。

主人公は宗教的な理念というか信念から武器を持たない(触れない)。
だけど真珠湾攻撃に衝撃を受けて自分も戦場に行きたいと考えるようになる。
武器を持てないので衛生兵として。

主演のアンドリュー・ガーフィールドがいい感じ。
なんかちょっといっちゃってるんじゃないかと勘ぐりたくなる優しき変人ぶりがよく似合う。
名作『ガッジョ・ディーロ』のロマン・デュリスを彷彿とさせる。

予備知識なかったけど沖縄戦なんだね。だから相手は日本人。
不気味で極悪な野蛮人のように見える。。
前半のドラマから戦場の基地で新しくやってきたドス達の小奇麗さと戦闘を終えて戻ってきた傷だらけ泥だらけの兵士達との対比、敵なんてどこにもいないんじゃないかと思う静寂の中からの突然の戦闘開始。
以降の戦闘シーンは壮絶の一言に尽きる。
焼かれる、飛び散る、ぶちまける。
そんな地獄の中で武器も持たずに負傷兵をひたすら助けるドス。
深夜のシーンなんか2人くらい助けたらもう十分英雄じゃないかと思うがドスは命あるかぎり何度でも助けに戦場に戻っていく。
それ見たとき、感動以前に狂っていると思った。

映画『パトリオット・デイ』

2016年 監督:ピーター・バーグ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




2013年ボストンマラソンの爆弾テロ事件のお話だけど、アクション映画としてなかなかの迫力とスリルで面白かった。
正義の国アメリカ、愛の国アメリカ、家族を大事にするアメリカ、非道なテロには決して屈しないアメリカ、っていう自国愛にのみ溢れた面は多少うざったいものの。

マーク・ウォールバーグって失礼だけどあの顔でばんばん主役張れるんだから稀有な存在だよな。

2017年10月9日月曜日

映画『おとなの事情』

2016年 監督:パオロ・ジェノヴェーゼ
製作国:イタリア
at ギンレイホール




月食の日、幼馴染の男4人とそのパートナーが集まって食事会が開かれている。
私達の間に秘密なんてないという流れからスマホに届いたメールや電話(スピーカー)を見せ合う聞かせ合うというゲームを始める。
暫くは和やかに、そして当然のごとく次第に修羅場に。

修羅場というか崩壊だけど、一体どう収拾つけるのか。
うーん、おとなの事情は明かされるべきでないということか。
なんか怖い。
途中ほっこりする親子話もあったりするけど、あれはどうなっちゃうのよ。

エヴァ役の人が20代くらいに見えて、あんな大きい娘がいるようには見えなかったな。
演じるカシア・スムートニアックは1979年生まれか。20そこそこで産めばありうるか。

映画『午後8時の訪問者』

2016年 監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
製作国:ベルギー/フランス
at ギンレイホール




小さな診療所に勤める有能な若き女医ジェニー(アデル・エネル)。
ある日患者に入れ込みすぎるなと研修医にアドバイスしている最中に診療所の呼び鈴が鳴ったが、診療時間はとうに過ぎていたため出ようとした研修医を制する。
しかし後日その時呼び鈴を押した少女が殺害されたことを知る。
殺害された身元不明の少女は無縁墓地に埋葬されようとしている。
もしあの時出ていれば。
ジェニーは後悔し、贖罪のためにも殺害された少女の身元を調べ始める。

冒頭はまた手持ちカメラ系かと思って少しうんざりしたけど、これものすごく面白かった。
監督はダルデンヌ兄弟だったんだね。
エンドロールでようやく気づいたけど、音楽が一切なく、そのせいか程よい緊張感が継続してなかなか濃密な時間だった。
サスペンスというか、ジェニーの医師としての自覚の成長やフランスの移民社会の実情を浮き上がらせる社会派人間ドキュメンタリという感じ。
謎の解明はあまりに偶然が重なりすぎているからね(真相は意外ではあるけど)。
主演のアデル・エネルが好演していて引き込まれる。しかも美人。

待合室から診察室に行くまでのあの階段って邪魔じゃねと思ったけど、ラスト見るとああ、映画としては必要だったんだなと思う。