2023年10月22日日曜日

映画『最低。』

2017年 監督:瀬々敬久
製作国:日本
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3人の女性を主人公にした群像劇。
主人公の一人あやこ役を演じた山田愛奈がすごい。
クールで心優しい美少女という雰囲気から一転狂気が滲み出る感覚にぞくっとする。
最後の方の早口狂気の演技はうますぎるというかリアルを超えているというか、映画初主演の子の演技に泣かされるとは思ってもみなかった。

3人の主人公はいずれもAV女優に関係する子たちになっている。
エンドロールで知ったけど原作が紗倉まな。
原作は4人の主人公の連作短編らしい。
映画では、というか原作もかもしれないけど、3人の主人公は完全に独立しているわけではなくて物語上緩く関連していたりもする。血縁とかマネージャー繋がりとか。
映画だから繋げたような気もするけど、血縁の方は好きなものが同じっていう結構重要な要素が入るから原作もそうなのかな。

美穂役の森口彩乃はこれが初脱ぎ。
眼力の強い美人。おでこ出している人は自信がある証拠だから大体美人よね。
美穂がなんでAVに出演したのかはなんかよく分からなかった。
欲求不満ならもっと他の手があるしAVというファンタジーで解消されるものじゃないだろうし。

人気AV女優彩乃役の佐々木心音はよく脱いでいるらしい。
Wiki見ると女優・シンガーソングライターになっているな。多才。

この映画は嫌な感じのする人の描き方がうまい。
というか登場人物すべてなんか嫌な面を見せてくれる。
あやこを冷やかしに来る同級生集団のなんといやらしいことか。
いじめ中心人物の子なんか作品によってはかわいいキャラになりそうなのに、あのあごといいめっちゃむかつく。
とりまきの女子高生たちの冴えなさもまたリアル。

彩乃の母親も「私はあなたのことをこんなに心配しているのにどうしてわかってくれないの」系の人でだんだんうざくなってくる絶妙さ。
渡辺真起子がうまい。
「戻るなんてできるわけないでしょ!そういう仕事してんだよ私」
あやこの母は実家に帰ったけどな。娘のために。

美穂の夫健太(忍成修吾)も最初から嫌な感じ。
変態サイコパス役がはまりそうだけど、それもこの作品だけの印象なんだろうな。
ネットで検索すると爽やかイケメンの写真がいっぱい出てくるし。

一人ひとり上げていたらきりがないけど、どの人物もいやーな感じだったり嫌な面が出てきたりとかするのよ。

主人公3人の女優は知らなかったが、脇役は結構豪華に固めている。
渡辺真起子、根岸季衣、高岡早紀、江口のりこ!