2025年6月28日土曜日

映画『ガキ帝国』

1981年 監督:井筒和幸
製作国:日本
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とんでもない熱量で駆け抜けていく映画ってたまにあるよな。そんな映画。
大阪って昔はこんなイメージだったわ。
街を歩けば不良に囲まれる、みたいな。

昭和42年の大阪。キタの北神同盟とミナミのホープ会がばちばちやりあっている中、リュウ(島田紳助)、チャボ(松本竜介)、ケン(趙方豪)の3人は徒党を組まずに自由に暴れまわっていた。
リュウと一緒の少年院帰りのジョー(升毅)は大阪での自由を求めて北神同盟に入会する。
ジョーによって北神同盟はますます勢力を伸ばしていき、、

ストーリーは正直よくわからないっちゃわからない。
登場人物が多すぎて誰が誰だったか覚えてられなくて。。
それでもなんかはちゃめちゃで楽しいわ。
ガキがガキ同士でお遊びしているんだけど、思わず殺してしまった時の反応とか、ガキのお遊びの範疇を超えた時の姿がリアルで滑稽。
ガキ同士の遊びにインテリやくざ(上岡龍太郎)が絡んできたりして、ガキのお遊びが汚れていく。

若い紳助が愛嬌あってコミカルでかっこいい。
で、愛嬌という点だと松本竜介がさらに飛びぬけている。この圧倒的小物感よ。
上岡龍太郎はかっこいいな。
趙方豪は初めて見たけど凄くいい表情する。早世していて惜しい。

喫茶店の前でリュウとジョーがそれぞれ反対の道に進んでいくシーンいいよね。仲間になりそうでいてもうこの時点で決定的に決別している。
あと、ゴキブリさんと服部(北野誠)の商店街でのやりとりw
あの服部だとは思わなくてなんどか巻き戻して確認しちゃったよ。凄い変わりよう。
ゴキブリさんの裸革ジャンもいかれている感が増していて笑える。
そんなイキったゴキブリさんも人が死ねば慌てふためいて逃げるガキであった。

大杉漣がちょい役で出ている。富士ホールのマスター。
あとアパッチのリーダーに國村隼。その配下に木下ほうかもいたらしい。

2025年6月22日日曜日

映画『ゾンビランド 』

2009年 監督:ルーベン・フライシャー
製作国:アメリカ
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ホラーみたいなグロありのコメディー。
あ、こいつら死なねーなと分かってからは基本的にゾンビの緊張感はなくただのコメディー見ている感じがした。
ロードムービー要素はgood。
そんなに面白くなかったけど、つまらなくはなかった。

主役のコロンバス役にザッカーバーグのジェシー・アイゼンバーグ。
相棒タラハシーにウディ・ハレルソン!
途中で出会う姉妹にエマ・ストーンとアビゲイル・ブレスリン!
ビル・マーレイの豪邸にお邪魔とか実名使うんだと思っていたら出演までするビル・マーレイ!
っていうようにマイナー映画にしてはキャストが豪華すぎないかと思ったら、これマイナーどころか結構なヒット作らしい。
タランティーノが評価しているとかなんとか。ああ、好きそう。

CGありのスタイリッシュな映像と主人公によるナレーションやらモノローグ、っていう映画に対する既視感が凄いある。この時期そういう映画がたくさんあったからなのかなぁ。

10年後の続編もあるらしい。

2025年6月14日土曜日

映画『逆噴射家族』

1984年 監督:石井聰亙
製作国:日本
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学生の頃に『爆裂都市 BURST CITY』っていうぶっとんだ映画見た以来だと思う。石井聰亙監督作。
前半こそ個性的な幸せ家族のほのぼのコメディみたいな雰囲気だが、後半からぶっ飛んでくる。パンクだわー。

真面目なサラリーマン小林勝国(小林克也)は、妻冴子(倍賞美津子)、息子正樹(有薗芳記)、娘エリカ(工藤夕貴)の家族とともに念願の夢のマイホームに引っ越してくる。
勝国にはある悩みがあった。それは自分の家族がそれぞれ何か人と違う個性を持っていること。
それは都会の団地住まいのせいで、この静かなマイホームでその"病気"は回復するだろうと信じている。
ほどなく勝国の父寿国(植木等)が祝いにやってきてなぜか居座る。
それをきっかけに"病気"は悪化していき。。

小林克也は俳優もやっていたんだな。
風貌や体形は冴えないおじさんなんだけど、最後の方の泥まみれのスーツ(礼服)姿がくそかっこいい。ここにあのイケメンボイスが加わったら最強すぎる。
脚本がもう小林克也を想定して書かれていたらしい。
だからこんなにもハマっているのか。
そういえばシャイニングばりのドア破壊があったな。カットも構図も全然違うけど、マイホームの呪いって感じで捉えると全体的なストーリーもシャイニングに影響受けていそう。ジャンルもテーマも全く異なるが。

工藤夕貴は台風クラブといい変態に愛されやすいのだろうか。
亀甲縛りさせられたり植木等に胸もまれたり(さすがにフリまでだった)って当時12,3歳のはずなんだけどな。

植木等はさすがという感じ。コメディはお手の物だよね。前半から元気すぎるほど元気なのだが、後半はさらに生き生きとしていた。

倍賞美津子は、主婦感を出しながら下品感(色気)も出してはまり役。
きれいな人だよね。千恵子より美津子派。

有薗芳記はサイコパス感が凄い。前野朋哉に似ている。

小林克也に限らず他の俳優もあてがきしたんじゃないかってくらいハマっていた。

シロアリ駆除の薬を抱えて疾走するシーンが音楽もいいし一番好きだな。
電車の中でまで走っているしw
あとは爆発の不思議なまでのカタルシス。の後の全てがリセットされるような静寂。

冒頭の空撮は今だとドローンでもっと無機的にスマートな映像になりそう。
同じような家が整然と並ぶニュータウンの街並みをこれみよがしに撮らずにさらっとだけ映す空撮の不安定なカメラの方が味がある。
都会の病と決めつけ家族を見ているようで全然見ていない勝国。
家族の個性はこんなに理路整然とした空間では余計はみ出して見える、っていう意味ではニュータウンの街並みは結構重要なシーンではある。

原案小林よしのりで脚本にも加わっている。
当時の時代背景が色濃く反映されているみたいね。
マイホームやら受験戦争、アイドル・プロレス、流行歌、それに逆噴射。
ストーリーは社会性があって実は結構凝っているような気もする。
ただどちらかというとコメディやぶっ飛び具合を楽しむ映画かな。
面白かった。