2025年7月28日月曜日

映画『スキマスキ』

2015年 監督:吉田浩太
製作国:日本
Amazonプライム




ああ、漫画が原作なのか。それっぽい。
それも1980年代くらいの漫画って感じ。(調べてみると2003年)

大学生のヘイサク(町田啓太)はスキマフェチで、建物の隙間が好きだから建築科に入ったりなんかしている。
隙間が好きってなかなか広がりそうな面白い設定だよな。ホラーにもサスペンスにもコメディにもなり得る。
で、ヘイサクは向かいのアパートのカーテンの隙間から見える隙の多いJD(佐々木心音)の下着姿を覗き見ることに夢中w
それは隙間好きじゃなくてただのエロではないのか。。
隙間から生まれたヘイサクは今隙間をこじ開けていることに感慨を覚える、、ってもう隙間好きの設定とかなくした方がよかったのではないか。ただの普通のエロい大学生。

覗き見というのがポイントで、映画自体が覗き見のようなものだし、覗きの覗きだからなかなか撮るのが難しそう。
なんだけどまあまあ雑な撮り方する。
特に顔のドアップを何度も映すのはもうやめてーって思った。

ヘイサク君は馬鹿だけど純情で見た目に反してなかなか真面目な奴でもある。
馬鹿の度合いについては向こうから丸見えなことに気づかないくらいなので相当馬鹿なのだろう。馬鹿というか無神経か。
一つ分からなかったのは、ヘイサクのあの変なスプーンの握り方は演出なのか?
あの握り方に誰もつっこまないので役者の素なのかと思ったけどさすがに演出かなぁ。
演出だとすると意図が全く分からず。隙間好き・馬鹿というキャラ付けのどれにも関連しないし。

という前置きは以上で、一番言いたいのは佐々木心音がエロすぎる。
ちょうどいいブサ可愛さで、ふにゃーとした笑顔がキュート。キュートでいて男を常に誘っているような甘いフェロモンを放出する笑顔。
露出の多い恰好からはちょうどいい太さの肉感的な美しさが溢れている。
なお、バストトップは無しかと思っていたらあった。
佐々木心音を調べていたら瀬々敬久の『最低。』の彩乃役の子か!
役柄の違いはあれど、エロさという一点に絞れば瀬々監督より佐々木心音をエロく撮っているのではないだろうか。(別にエロく撮った方が凄いわけではないが)
映画自体は映画というかドラマみたいな感じでそれほど面白くはないのだが、佐々木心音の可愛さエロさを堪能てきる映画。

2025年7月19日土曜日

映画『誰も知らない』

2004年 監督:是枝裕和
製作国:日本
Amazonプライム




一番いいところで気の抜けた歌がインサートされて白けたこと以外は終始のめり込んで観た。
面白かった。
映像がざらついているのは、モチーフになった巣鴨子供置き去り事件が1988年らしいのでその年代の映画風にしているのかなぁ。

是枝監督ののんびり会話劇はたまにうさん臭く感じるときもあったのだが、子供たちが中心だからかそもそもそんなに会話が無いからか、自然な感じがした。
子役なんか普通違和感の塊なんだけど。
たまに子役にあまり演技させずに自然に遊ばせるみたいな演出の映画があって、そういう場合の子役は好き。
とはいえカメラや大勢のスタッフの前で普通に遊ぶっていうのも子役の才能が必要そう。
鈴木福に似ている茂役の子、木村飛影なんかあの明るさは天性の才能だよな。
身なりが汚くなって髪もぼさぼさになっても何も変わらないのが切なくもあり神々しくもある。
ゆきちゃん(清水萌々子)もかわいい。(アポロはさくまのドロップ扱いなのか)

映像の安定感が異常に高くて、「ほら、美しいショットでしょ、どや?」って感じではなくてどちらかといえば地味なんだけど、どの場面も凄く引き込まれるという。

深夜の道路のど真ん中をきゅるきゅる靴音鳴らしながら歩いているシーンが一番好きだな。深夜の静けさに響き渡る少し間抜けで可愛らしい靴音。

劇中何度も現れる石段も印象的。

あと、兄妹4人で初めて外に出かけた時の公園で、ゆきちゃんが乗った豚の背中に残った土を京子がさっと手で払う短いシーンに何か感動した。
基本的に皆いい子達なのね。
明なんか本来生きるためには何でも許される状況なのに、常に清廉潔白。(最後ゆきちゃんのために禁を犯すのが切ない)
この潔白さに対して何不自由ない友達の愚鈍さが際立つ。そんなんでも初めての友達に焦がれる明。

最後の方の展開は結構異常だよな。
一体何のつながりがあるのか不明だった紗希(韓英恵)が後半絡んでくるんだけど、比較的まともそうな(?)紗希がいてこれだから異常。
異常なんだけど陽光の元歩く4人の後ろ姿の美しさもまた異常。

巣鴨子供置き去り事件を調べると実際はもっとひどい事件だったみたいね。

2025年7月12日土曜日

映画『君が描く光』

2016年 監督:チャン
製作国:韓国
Amazonプライム




前半の子役の演技見ていてこれはきついかもと思ったけど、結構すぐ12年後になる。
なかなかストーリーが面白い。
サスペンス感動ドラマ。

どこかの田舎の小さな島の海女ケチュン(ユン・ヨジョン)は、最愛の孫ヘジ(5歳くらい?)と幸せに暮らしていた。
風光明媚なところにばあさんと幼い子供。(子供がちょっとわがままだけどそれも可愛らしいってところか)
設定が甘ったるくてこれをずっと見せられるのかと思っていると、市場で買い物中に突然ヘジが消えてしまうという展開に。
目を離したのはほんの数秒だから、犯人(がいるとすれば)はヘジを担いで走り去ったわけだが、これだけの人だかりで目撃者も多いはずなのに誰も助けてくれない寂しさ。神隠し。
この一瞬の出来事からすぐ12年後に飛ぶのは潔くて好き。

12年後のヘジ(キム・ゴウン)がなんだか『あんのこと』のあんに見えてくる。
苛酷に生きてきた少女がとんでもなくいい子だと簡単にほだされる。
映画としては『あんのこと』の方が何倍も面白いのだけど、ストーリーのエンタメ性はこちらの方が上かもしれない。
なんですぐ島に戻らなかったのかとか(死んだと聞かされたとしても墓参りくらいしてもよさそう)、そういう違和感の積み重ねや、海と空のどっちが広いとか、金色のクレヨンとか、伏線がいくつも緻密に散りばめられている。
12年の歳月や都会暮らしからど田舎へのギャップによる馴染めなさは、ある告白後はまた違った意味を持ってきたり。
っていうように脚本はえらく凝っているんだよな。
最後の方は号泣させられたし。
でもなんか消化不良な感じが残るんだよなぁ。

ばあちゃんがスプーンからこぼれそうな飯をハムっと食った後にそのスプーンをそのままヘジに出してほれ食えっていうシーンが一番良かった。


2025年7月5日土曜日

映画『悪い夏』

2024年 監督:城定秀夫
製作国:日本
Amazonプライム




予告編張り付けてなんだが予告編は見ない方がいいかも。
ネタバレってほどでもないけど、主人公の重大な岐路の方向性が先に知れてしまうし、「クズと悪しか出てこない」みたいな煽りを真に受けて痛快なクライムアクションを想像すると全然違うし。

市役所でケースワーカーとして働く佐々木守(北村匠海)は、ある日同僚高野洋司(毎熊克哉)が自分の立場を利用して犯罪を行っていることを知る。
正義感の塊のような宮田有子(伊藤万理華)と共に被害者林野愛美(河合優実)に会いにいったのをきっかけとして守は愛美と親しくなっていく。
しかし背後では裏社会の人間達がある計画を立てて暗躍していた。

原作は染井為人で、第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作らしい。
なかなか面白かった。
ミステリやサスペンスというかどちらかというとコメディっぽくはあった。原作は未読なので知らないけど。
安っぽいやくざみたいなチンピラ金本龍也(窪田正孝)やその三下山田(竹原ピストル)、金本の女みたいなチンピラ莉華(箭内夢菜)とか、キャラクターや存在自体がギャグっぽい。
「まさかほれたとか言うなよ」って突然察する不自然さもギャグっぽいしな。
理不尽な暴力って怖いよね。今時こんなやついる?っていうギャグみたいな存在の金本が近くでうろちょろしているから、それだけでどこか緊張感がある。
ストーリー展開はまあそうなるんだろうなという予測の範囲で進んでいくからこの緊張感がいいスパイスになっている。
主人公がどちらを選ぶのか、という選択結果の見せ方のスピード感がいい。
そしてラストのカオスはカタルシス。凄い盛り上がる。
宮田さんの突然のチープ展開はなんとなく予想はしていたが笑ってしまった。「潔白さ」はフリなのね。
シリアスから高野や宮田さんで一気にコメディになった後、またシリアスっていう怒涛の展開が楽しい。

イケメン北村匠海も暗い男を演じるとなんか不気味になるもんだな。
三白眼が怖いのかな。というか河合優実や木南晴夏とか三白眼率がなかなか高い。
で、この暗い男のどこに惚れたのかはいまいちピンと来ず。。優しければなんでもいいのか。
裏切られたと思ってやさぐれる子供っぽさ。信じてやれよ。「いいよ、一緒に死ぬよ」にも動じないしなんなのこいつ感はある。

大人たちのぐだぐだにも一切無関心で影響受けない純粋の塊である愛美の娘がある意味常軌を逸しているのだが、その逸脱感がまた天使でもある。
そんなに上手い子役じゃないと思うが、ラストの方のカオスで愛美と目が合うシーンは天使だった。

古川佳澄(木南晴夏)に対応する守のシーンは結構圧巻だった。
現実と夢の境目がよくわからなくなるのは城定監督作でよく見る気がする。
守の変貌の悲しみ、古川への同情、そして守の独白による守の怒りや切なさや絶望の吐露、っていう見ている感情がぐじゃっとする。それにそんな大声出して周りの職員が駆け付けないのかという疑問心配も付いてくる(夢のようなシーンだから途中で職員もいなくなっている)。

金本の登場シーンだけど、めっちゃ弱そうなんだよね。
高そうな赤いスポーツカーからサングラスかけたひょろっとした奴が出てきて偉そうに歩いたりして、明らかに下っ端チンピラがちょっといきっているような雰囲気しか無いし。
山田(竹原ピストル)の方が絶対強そうじゃん。強弱の逆転現象。
後のシーンで金本の腕に入れ墨があるのを見て、やっと、あ、こいつやばい奴、って認識したらまあ怖い。
窪田正孝のあの軽い声の飄々とした演技は、金本というキャラと相乗してギャグと恐怖が裏表で存在するような不思議な威圧感があった。

宮田さんを演じた伊藤万理華は、市役所職員とは思えないほどのかわいさ。
調べたら元乃木坂の人みたいね。
なんかこのPVの完成度凄いな。曲、歌、ダンスが高次元すぎる。
昔のPVなのかな。本当に同一人物?