2006年7月2日日曜日

映画『バンド・ワゴン』

1953年 監督:ヴィンセント・ミネリ
BS2 録画


バンド・ワゴン 特別版

ハリウッドで落ち目となったかつての名ダンサートニー・ハンター(フレッド・アステア)は、親友夫婦の書いた舞台『バンド・ワゴン』でブロードウェイに出演することになる。
演出は演劇界の大物ジェフリー・コードヴァ(ジャック・ブッキャナン)が行うが脚本は大きくアレンジされ現代版ファウストになる。
トニーの相手役にはバレエ界から新進のプリマ、ギャビー(シド・チャリシー)が選ばれるがトニーは彼女の身長が自分より高いのではないかと心配。
顔合わせ時に身長問題はクリアしたものの、緊張や不安からお互いぎくしゃくといがみあう仲になってしまう。
現代版ファウストは結局大失敗。
やっぱり笑いのある愉快なステージのほうが楽しいよね、ってことに。

アステアは1946年に年齢的にピークを過ぎたということで一度引退している。
しかし怪我をしたジーン・ケリーの代役として1948年に復帰。
ピークを過ぎたとはいえ熟練のステップを見せてくれる。(あまり激しいステップはなかったが)
ダンスの振り付けはのマイケル・キッドは元バレエ・ダンサーでこれが初めての映画だったらしい。
アステアはクラシックバレエの堅苦しさがダンスに取り入れられるのを嫌ったがマイケルは独創的なダンスシーンを創造した、らしい。
あまりミュージカル映画を見ていなかったため、どこがどう独創的だったのかは知らないけど、舞台の「ガール・ハント 殺人ミステリーインジャズ」でのダンスは華麗だったりコミカルだったりでかなり面白かった。
それにしても舞台「ガール・ハント 殺人ミステリーインジャズ」はダンスはむろんチープな雰囲気とストーリーにおいても楽しませてくれる。
「そうとわかれば容赦はしない。ワルは嫌いなのだ」と言ってポーズを決めるアステアとか。

この映画のトニー・ハンターはかなり現実のアステア像に近いのだけど、調べてみると他にもいろいろでてくる。
映画の中でトニーがギャビーとの身長差を気にするシーンがあるのだけど、ギャビー役の考慮時、アステアはシド・チャリシーとの身長差を気にして実際に会うまで彼女の起用に賛成しなかったらしい。
それと、実際と映画とどっちが先行しているか分からないけどアステアは監督の指導のあいまいさに腹を立ててセットを飛び出したこともあったとのこと。
撮影はキャストとスタッフの関係は大分ギクシャクしていたみたい。

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