at ギンレイホール

離婚直前の中年夫婦(田口トモロヲ、樋口可南子)のもとに、京都の小さな映画館オリヲン座から招待状が届く。オリヲン座は閉館を迎えようとしていた。
時はさかのぼり、戦後間もないころ、松蔵(宇崎竜童)とトヨ(宮沢りえ)の夫婦が経営しているオリヲン座に留吉(加瀬亮)という青年が転がり込む。
留吉が仕事を覚えてきたころ、松蔵が病に倒れる。
ミスターストイック留吉。プラトニック留吉。
松蔵亡き後、留吉とトヨの関係やテレビ時代の不況や周りからの不当な風当たりなど、問題を山積みにしておきながら何の解決もしないまま冒頭の中年夫婦がでしゃばってきて全てが曖昧になる。
ストーリーはそんな感じで中途半端なんだけど、別にそれはまあどうでもいい。
とにかく宮沢りえがよかった。たぶん僕は『ぼくらの七日間戦争』以来一作も出演作を見てないのだけど、なんかいつのまにか凄い女優さんになっていたのだねぇ。
1950年代ころまでの日本の女優さんが持っていた雰囲気に似ている。なんというか観念的な表現しかできないけど神秘的な魂みたいなもの。
泣けるようなシーンは特になかったのだけど、最後の最後のフィルムだけは泣かされる。そこには人一人の人生と思い出と長い時間の流れが全て詰まっていて。
ちなみに後で知ったけど宮沢りえが年食ったあとの役を演じたばあさんは瞳が最高にキュートだったあの中原ひとみさんだったのね。
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