at ギンレイホール
ああ、結局1月は1本も見なかった。
ギンレイも2プログラム(一ヶ月)すっ飛ばして久しぶりに来館。
いつもは予告編を見てある程度の情報を得てから見るのだけど、今日は二本とも何の情報もなしに鑑賞。
どんなジャンルの映画かすら知らず。
![ザ・フォール/落下の王国 特別版 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51Uu4D1KHZL.jpg)
舞台は大分昔な1915年。
5歳の少女アレクサンドリア(カティンカ・ウンタルー)が左腕を骨折して入院している。
エルボーするような形で固定された腕に不自由する様子も無く病院内をちょこちょこ駆け回る。
病院内にはスタントマンだけど事故で半身不随になってしまったロイ(リー・ペイス)がいた。
ロイはアレクサンドリアをベッドの脇に座らせてお話を聞かせてあげるのだった。
ただ、その話というのは自暴自棄になったロイが思いつくままに作った作り話だけど。
最初はまあ一体どんな映画なのかすら分からないのだが、少女の無垢な好奇心をそのまま切り取ったような映像に感触はいい。
鍵穴を通して影が反転して壁に投影され、不思議そうなきょろきょろしているとドアが開いてまばゆいばかりの光が溢れ出したり。
左目と右目を交互に隠して焦点がずれるのを無心に楽しんだり。
そんなスタートから予測もしないのだけど、話の中心は段々とロイの作り話になっていく。
もうがらっと違う世界。
でもこの作り話が結構面白い。
一体どこでこんな場所見つけてきたんだっていうくらい荘厳な景色の中の復讐冒険活劇。
圧倒的でちょっと悪趣味な映像美に潜むチープさ。
公式ページのフォトギャラリーで不思議で美麗な写真がたくさん見れる。
で、この作り話の映像は後半に行くにしたがって暴走度を増していくのね。
途中くらいから、あ、これ『パンズラビリンス』の監督さんだ、って思ったのだけど、帰って調べたら全然違かった。
監督はインド出身のターセム・シン。
『ザ・セル』の監督らしい。
thank you. thank you very much!
ってキートン達の感動的アクションで畳み掛けられた後じゃあ泣くしかないじゃん。
ああ、ラストの方思い出すとまた泣けてくる。
少女のくしゃくしゃの泣き顔とか。
アレクサンドリアを演じたカティンカ・ウンタルーだけど、顔はそんなに可愛くない。
そんなに、っていうか可愛くない。
でも可愛い。
顔が可愛い子役は過去にくさるほど映画に現れてはいるけれど、大体20分くらい見たら飽きて野暮ったくすら思えてくる。
でもカティンカ・ウンタルーは飽きない。
それはたぶん自分が可愛いという認識が無いからでしょう。
実際可愛くないし。
顔が可愛い子役は少なからず自分が可愛いと認識して、見られていることも意識している。
大人の役者ならともかく子役にそんな意識はいらない。うざい。
カティンカ・ウンタルーは純粋な好奇心だけで動いている(ように見える)。
だから可愛い。
吊り上げられて固められた左腕の手首だけが重力にまかせるままにだらんと垂れている可愛らしさとか。
ただでさえ不自由な左手にいつも大事そうに父親の写真などが入った宝箱をつかんで病院中をてくてく駆け回る悲しく純粋で不自由なはずなのに何より自由な子供の権化。
公式ページ見ると、カティンカ・ウンタルーが自意識を持たないうちに急いで先に少女の出演シーンを撮影したらしい。
その後、4年間で24カ国を廻ってロケ撮影した、と。
根性。
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