2010年7月25日日曜日

映画『しあわせの隠れ場所』

2009年 監督:ジョン・リー・ハンコック
at ギンレイホール


しあわせの隠れ場所 Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)

実話ですか、そうですか。
アメフトは、というかスポーツ全般全く知らないのだけど、アメフトのNFLドラフト: 2009年 / 1巡目で指名されたマイケル・オアー選手の実話を元にした映画。
母親は薬中で13人の兄弟は散り散り。父親には会った事が無い。施設を転々。
高校2年の時にアクレスト・クリスチャンスクールへの入学が認められる。
家も寝るところも無く冬の夜中に一人歩いているところをテューイ夫妻が見つけて、キリスト教精神にのっとり彼を家に招き入れる。
で、いつの間にかテューイ夫妻は彼の後見人となり家庭教師をつけたり部屋を与えたりする。
テューイ家というのは超セレブな白人家庭でアクレスト・クリスチャンスクールに通う年頃の娘と小学生くらいの男の子の4人家族。
ここに紛れ込んだ熊みたいに大きい図体の黒人青年。
しかも図体の割に俊敏で運動神経抜群。
彼が暴れたら家長なんて一撃で即死です。
色白で眉毛が立派な娘さんも危ない!
ってはずなんだけど、このオアー君はその過酷な人生から想像つかないくらいおとなしくて心優しい青年なのね。
オアーは学問の成績もみるみる上げてアメフトでも頭角を表していく。
もうできすぎなくらいできすぎなお話だけど、実話です、と言われればそうですか、と言うしかない。

セレブ家庭が貧しい黒人青年の面倒を見るっていう図式だけ見れば偽善くささしか漂わないが、テンポはいいので飽きずには見れる。
みんないい人たちだ。
ただ、綺麗すぎるゆえに学校での娘に対して行われている嫌がらせとかもっとどろどろした嫌な部分を欲してしまう。
まあ、そこを強く描けば描くほどテューイ家の聖人ぶりが強調される結果になるわけだが。

セレブの肝っ玉母さん役にサンドラ・ブロック。
できすぎなくらいできすぎなふつーの配役ゆえにはまっている。
色白眉毛立派な娘さんはリリー・コリンズという子で、フィル・コリンズの娘らしい。

映画『マイレージ、マイライフ』

2009年 監督:ジェイソン・ライトマン
at ギンレイホール


マイレージ、マイライフ [DVD]

なんか久しぶりにえらい混んでいて満席になっている。
ジョニーデップやらブラッドピットやらが出ている映画だとたまに満席ってことがあったけど、今回のプログラムって誰が出ているんだっけ?と思って見始めるとジョージ・クルーニー。
なにぃー、ジョージ・クルーニーはそんなに集客力があるのか!
と思ったらアカデミー賞にノミネートされたりと結構話題の映画だったみたいね。

主人公のライアン・ビンガム(ジョージ・クルーニー)はリストラ宣告人として年間322日間も出張しているという生活。
結婚願望もなく、家族とも疎遠。
家にいるより空の旅とホテル住まいがなにより快適。
そんな男の前に二人の女性が現れ、彼の人生の価値観は少しづつ変化し始める。

途中から飽きてきて眠くなってきてしまった。
この倦怠感を予定調和なハッピーエンドでも見てさっぱりさせようとしていたのに、これってなんだ、ハッピーエンドっぽくない・・・

主人公がなんか知らないけど心変わりしていって疎遠だった家族、妹の結婚式に出席する。
姉や妹は彼を歓迎。
粛々と準備が進む結婚式だったが当日に新郎が本当にここで独身生活を終わっていいのかといきなり悩みだして部屋に閉じこもってしまう。
すると姉が主人公に「今まであなたは家族との関係が疎遠すぎてどこか家族ではない存在のように思っていた。だけど新郎を説得することができたらあなたを家族の一員として迎えるわ」みたいなたぶん全然セリフは異なっていた気もするがそんなセリフを吐く。
で、結局独身貴族を謳歌する主人公は独身に未練を感じる新郎を見事に説得することに成功するのだけど、そのとき姉が「これでやっと家族の一員ね」と言う。
むー、これも主人公の心変わりの重要な1エピソードなのだろうが、この姉は一体何様だよとまず思ってしまう。
家族の一員かどうかをなぜ姉が決めるのだ。
そして実の兄弟なのに家族の一員と認めるかどうかを新郎を説得できるかどうかを試金石にしてしまうという薄情さ。
説得できるかどうかは家族への愛情の強さで決まる話じゃないだろう。
家族の一員のくだりは冗談っぽくもあるけど、万が一失敗したら妹の結婚式はパーになるし、せっかく久しぶりにやってきてくれた弟との関係は微妙になって再び疎遠になることは間違いない。
それを当然分かっていて言っているのだから失敗したらもうお前なんて知らんということでしょ。
主人公のドライさばかりが強調されるが、主人公の姉のドライさ、傲慢さに及ぶものなんていないのだった。

全体的には結局よく分からなかったな。
あ、ジェイソン・ライトマンは『JUNO/ジュノ』の監督だ。

2010年7月11日日曜日

頭痛とかさよならマック

昨日の夜ゲームをしていたらそのまま寝てしまった。
休日には珍しく朝早くに目覚めて、しょうがないからまたゲームする。
そして飯田橋に映画を見に行く。

朝から眼鏡かけてゲームをしていたせいか、映画見ている最中からひどい頭痛がする。
眼鏡を長時間かけていると目の疲れからたまに頭痛がすることがあったけど、きっとそれだろう。
それにしてもあまりに痛いし吐き気までしてきた。
飯も食わずに一目散に帰宅してすぐ寝る。19時頃だったか。
気づいたら深夜2時くらい。
うー腹へった。頭痛は引いたっぽい。
近くの100円SHOPで食料買い込んで家で食べる。
風呂入って2時間くらいぼーっとして眠くなってきたのでまた寝る。

全然話は違うが、飯田橋のマックが6月で閉店した。
学生の頃はそんなにいかなかったのだけど、社会人になって隔週で飯田橋に通うようになってからは8割方マックで飯食ってから映画見ていた。
さみしいなぁ。2階から通り行く人を見下ろしてぼーっと眺めるのが楽しかったのに。
これからどうしよう。

映画『ハート・ロッカー』

2008年 監督:キャスリン・ビグロー
at ギンレイホール


ハート・ロッカー [DVD]

イラクで活動する爆発物処理班のお話。
命張って市民守ってますとか戦争批判とか、なんにせよ無駄に戦争しかけたり火種撒いたりするアメリカ側が作っている以上めんどくせえなぁと思ってあまり見る気がしなかったのだけど、思ったよりかは面白かった。

まずガイ・ピアース演じるトンプソン軍曹を筆頭にサンポーン軍曹(アンソニー・マッキー)、エルドリッジ技術兵(ブライアン・ジェラティ)の3人組が爆弾の処理にあてっているのだが、早々にガイ・ピアース死亡。
なにー、一番有名どころがいきなり消えた!
トンプソン軍曹の代わりにやってきたのがジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)。
この男が主人公。
この男は命をかけた爆弾との技術の戦いに至上の喜びを感じているような男。
正義感だけで命張っているような奴じゃなくてよかったぁ。

イラク戦争の背景がどうとかどっちが正義とかそういうのじゃなくて淡々と爆弾処理と戦争を綴っていく、ように見える。
(ドキュメンタリータッチの揺れるカメラはちょっとうざい)
でもどっちが正義っていうとアメリカ側の視点である以上アメリカが正義っぽく感じなくもないかな。
3人の結束を固めるきっかけとなる銃撃シーンでは、一人一人狙い済まして撃ち殺したあとに「よし、あと一人だ」っていうところなど、まるで射撃ゲームをやっているようだし、他にも感覚が麻痺した非人道的なノリがアメリカ兵にところどころ感じられる(殺し合いの戦争だからしょうがない?)けど、それよりもイラク側が子供の体内に爆弾埋め込んだり市民に爆弾撒きつけたりする、っていうほうがよっぽど非人道的だよな。
敵は敵として無人格な得体の知れない「もの」でしかないし、そういう点ではあっけらかんとした娯楽映画に仕上がっている。
アメリカが正義!と高らかに謳っているわけでもなく、誰でも救えるヒーローを描いているわけでもないので中立的な印象があるけど、よくよく考えると娯楽映画である以上やっぱり主人公はヒーロー(戦争によってかちょっと精神が破綻している)だしアメリカ正義!なんだな。
そして舞台はイラク戦争である必要など全く無く、戦争背景や反米メッセージなどは一切排したところが潔いというかなんというか。
排されると逆に意識しちゃうのだけど、主人公同様あっけらかんとスリルという麻薬に浸ってなんも考えずに見るのが一番楽しめます。

映画『月に囚われた男』

2009年 監督:ダンカン・ジョーンズ
at ギンレイホール


月に囚われた男 コレクターズ・エディション [DVD]

3年契約で月で一人働く男。
任期もあと二週間というところで、自分の他に誰もいないはずの月で彼は自分と同じ顔をした人間を発見する。
「この任務は何かおかしい」

という予告編見たらいろいろ想像しちゃうねぇ。
幻覚?クローン?

SFミステリーなんだけどもう少しミステリー色が欲しかったな。
ミステリー部分は早々に解明されるので後は自我、人権的なドラマ。
ただし主人公の娘のようなよくわからない少女はミステリー。

どんなにちゃっちいセットでもフィルムを通すとそれっぽく見えるもんだけど、それでもなんかセットがちゃっちい。
CGも安っぽいし。
ハリウッド大作映画かと思っていたけど実は低予算なのだろうか。
と思って帰って調べてみたらやっぱり低予算で作られたらしい。
というか監督のダンカン・ジョーンズはデヴィッド・ボウイの息子!?
スペース・オディティ聴きながらSFマニアの道に踏み込んだのか・・

主演サム・ロックウェル。
主演というか9割方サム・ロックウェルしか出ていないのだが。
声の出演でケヴィン・スペイシー。
機械的ながら温かみのあるなかなかいい声。