2011年8月7日日曜日

映画『まほろ駅前多田便利軒』

2011年 監督:大森立嗣
at ギンレイホール




アウトロー、は言い過ぎだけど、ちょっと社会からはみ出し気味に便利屋を営む若者二人の物語。
っていうと高校生や大学生なんかが喜んで飛びつきそうだ。
実際僕も昔こういう映画が大好きで、阪本順治が撮った傷だらけの天使とか大好きだったな。
ただ、この手のストーリーは「俺達ってかっこいいだろ?」みたいなすかしてガキくさい雰囲気をかもし出すものが多いから、無条件に喜んでいた昔と違って単純に楽しめなくなってきている。

この映画も予告編を見る限りあまり期待していなかったのだけど、いやあ、面白かった。
破天荒すぎず、真面目すぎず。いい塩梅。
惜しげもなくゆったり間を撮った撮影のリズムが不穏な空気を漂わせながらもなぜか安心する。

主演は瑛太と松田龍平。
松田龍平は今まで無表情で棒読みな印象が強かったのだけど、この映画では役柄もあいまってか彼の持っている雰囲気が凄く魅力的になっている。
いい役者さんだったんだな。
あの飄々とした感じは何度も父親とだぶる。
それを踏まえて「なんじゃこりゃー!」だもんな。
父親の雰囲気に加えて、父親よりも壊れやすそうな危うさがあって、それが松田龍平の特異な武器だろう。
瑛太の方もあまり意識したことなかったけどこの人はごく自然体になんでもできる。
この配役は見事。
ジャニーズ系とか森山未來とか松山ケンイチとか、後誰だ?とにかくそういう寒くなりそうな人達を使わないところが嬉しい。

脇役も豪華かつそれぞれほんのり胡散臭さを潜ませながら驚くほどはまっている。
本上まなみ、柄本佑、大森南朋、松尾スズキ、麿赤兒、高良健吾、岸部一徳。
あと、若そうだけどあまり可愛くなくてパッとしない子、でもどこかで見たことあると思いながら大分してからはっと気付いた鈴木杏。

知らなかったのだけど大森南朋は麿赤兒の子供だったんだね。
しかも監督の大森立嗣も。

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