2012年10月26日金曜日

映画『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』

2011年 監督:蔵方政俊
製作国:日本
at ギンレイホール




定年間近の鉄道運転士は、定年後に苦労をかけた妻を労わりながらのんびり過ごそうと思っていたが、妻は結婚したときから思い続けていた看護士としての職場復帰を密かに実行に移していた。
思いはすれ違って「出て行け」と言って妻は出て行き、離婚へのRAILWAYSを突っ走る。

テレビドラマだったら面白そうだな。

タイトルはなんでこんなにひどいんだろう。
鉄道物語とでもしといたほうがまだましなくらいだ。

女優小池栄子は好きなんだけど、この役が宮崎あおいだったらもっとよかったなぁと想像したりする。
余貴美子さんのやつれた雰囲気は役にはまっていていい。
『真田風雲録』の根津甚八役だった米倉斉加年がちょろっと出ている。

あんまり感想も無いな。
ストーリーは最後の方一瞬えっ?と戸惑うようなしゃれた仕掛けがある。

映画『わが母の記』

2011年 監督:原田眞人
製作国:日本
at ギンレイホール




井上靖の自伝的小説の映画化。
認知症で記憶が混沌としてく母親と、幼い頃母親に一度捨てられたというわだかまりを今でも抱えるベストセラー作家の長男。
そして作家の兄弟、作家の子供たち。
母親と作家を中心に据えた家族の物語。

樹木希林の母親役というと、寺内貫太郎一家とか、あまり面白くなかった東京タワーなんちゃらを思い出すけど、東京タワーよりか大分面白かった。
愛らしくどこかこ憎たらしい感じもするおばあちゃん役をやらせたら樹木希林は最高だ。
冷たさと優しさを同時に湛えた読めないあの瞳に引き込まれていく。

認知症自体はそれほど重い雰囲気で描かれてはいなくて、むしろさらっとした描き方は笑いを誘うことまであるけど、それが逆に残酷だ。
母親に使用人と間違えられたら泣いちゃうよ。

10数年にわたる物語、って知らなかったから、宮崎あおいがセーラー服姿の中学生役で登場したときはびびった。
びびったけど次第に違和感も薄れていくからまたびびる。

次女役の菊池亜希子は初めて見たけど柔和な顔した可愛らしい人だな。
ファッションモデルか。

2012年10月7日日曜日

映画『ファミリー・ツリー』

2011年 監督:アレクサンダー・ペイン
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




ユーモアまじえつつ淡々と進んで、最後は爽やかだけど、内容は結構残酷だよな。
オアフ島に住むマット・キング(ジョージ・クルーニー)はカメハメハ大王の子孫で、先祖が残した広大な土地を所有して働かなくても食っていけるのだが弁護士をしている。
ある日妻のエリザベスがボート事故で昏睡状態に陥ってしまう。
今まであまり家族を顧みなかったマットは、反抗的な次女の面倒を見つつ、全寮制の高校に通う長女を家に呼び戻す。
こっから家族再生のほんわか物語が始まるわけではない。
長女の口から聞かされたのは、妻が浮気をしていたという事実。

妻は昏睡状態だから何の弁解もできないのね。
家族をほったらかしにしていたマットにも責任の一端はあるはずだけど、一方的に悪者になってしまった妻の死んだように眠っている生気の無い顔がとても残酷だ。
残酷といえば浮気相手の貞淑な妻にとっても残酷な仕打ちだよなぁ。

なにより家族の絆を大事にし、幸せな家族像が国家の基盤とすらなっていながら、どこよりも家族が崩壊している国アメリカのホームドラマ。

おもっ苦しくならないのはユーモアもそうだけど、舞台がハワイってところもあるんだろうな。

マットの従兄弟役の男がジェフ・ブリッジスの雰囲気に似ているなと思ったらボー・ブリッジス、お兄さんだった。
初めて見た。似てる。

映画『幸せへのキセキ』

2011年 監督:キャメロン・クロウ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




「なんでこの家を買ったの?」
「いけない?」
劇中での使い方は少し違うが、何か返答に困った時とか答えるのが面倒なときに使えそうだ。

突撃レポーター風にどこにでもアクティブに突撃取材していく新聞社のコラムニストベンジャミン・ミー(マット・デイモン)は最愛の妻を亡くしたシングルファザー。
母をなくした傷が癒えない問題児の息子ディラン14歳のと、7歳の娘ロージーを見て、ミーは新居に引っ越して心機一転しようとする。
運良く郊外の丘にある大きな家を見つけるが、そこは家とともに閉演状態の動物園と飼育員まで付いてきた。
動物園経営には全くの素人だけど、ミーはこの物件を購入してオーナーになり、動物園再開に向けて動き出す。
実話が元らしい。

飼育員のリーダーは地味な感じで一瞬気づかなかったがスカーレット・ヨハンソン。
そしてレストランをまかされディラン君に興味津々な女の子にエル・ファニング。
こんな田舎町にありえないほどの可愛さをふりまくエル・ファニングは、もっと出番が多かったらその破壊力で映画自体をぶっ壊してしまうんじゃないだろうか。
それにしてもスカーレット・ヨハンソとエル・ファニングが付いてくるんなら借金してでもこの物件買うよなぁ。

ああ、監督はキャメロン・クロウ。
『あの頃ペニー・レインと』でも金髪のかわいい少女(ケイト・ハドソン)が出てきたな。
『シングルス』のブリジット・フォンダも少女じゃなかったけど金髪。

飼育員ピーターを演じたアンガス・マクファーデンが尾崎紀世彦に似ている。