2013年 監督:フェリックス・ハーングレン
製作国:スウェーデン
at ギンレイホール
爆笑とまではいかないけど(ブラックユーモアだし)、なんか久しぶりに笑えて楽しい映画を見た気がする。
100歳の誕生日に老人ホームから抜け出したアラン(ロバート・グスタフソン)の気ままなロードムービー。
気ままっていっても周りで人がばんばん死ぬけどね。
爆弾遊びが大好きだったアラン少年は問屋のおやじかなんかを誤って爆殺してしまう。
ふっとんだ首がボンネットに落ちてきたりと、シリアスな残酷さとコミカルさが表裏一体のなんともいえないシーンの後、少しも悪びれないアラン少年が映し出される。
悪びれないどころか死んだ男を間抜け扱いしているし。
ここでアラン、そしてこの映画の死生観を観客は理解する。
死なんてただそこで終わるってだけのこと。そして死の原因が自分にあろうがそれは死んだ奴の運が悪かったってだけの話。というか間抜け。みたいな。
だからその後の数々の死もあっという間に感覚が麻痺してすんなり受け入れてしまう。
ただ、アランのように行動原理が"無欲な衝動的欲求"で成り行きまかせのような生き方は命がいくつあっても足りないけど、そこはまあフィクションなのでなんだかんだで100歳まで生きている。
"無欲な衝動的欲求"といっているのは自分でも何言ってるかよくわからないが、アランは物欲、自己顕示欲とかそういう社会的欲求にびっくりするくらい興味を示さないから。
じゃあ何があるかというと、派手な破壊欲求。
しかも本人が意図していなくても、天然なのか阿呆なのか、成り行きでいろんな人の人生を破壊していくから生粋のデストロイヤーだ。
この破壊欲が殺人衝動にならなくてよかったもんだ。死に無頓着な分かなり危ないし。
まあ間接的に十数万人殺しているけどね。
そういえばアランは青年期に、こんなやつの子孫を残しちゃいけない、と医者により子供が埋めないように手術(去勢?)されているが、これって性欲もなくなるのかな。
手術しなくても薄そうな気もするが。
主演のロバート・グスタフソンは実際は50歳くらいで老けメイクしていたらしい。
2015年5月7日木曜日
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