2016年8月22日月曜日

映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』

2015年 監督:アダム・マッケイ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




サブプライム・ローンの破綻をいち早く予測した男たちの物語。

専門用語が飛び交うけど、途中途中でやさしい解説が入る。
ただ、そもそも空売りが何かよくわかっていないと解説もちんぷんかんぷんだったりする。
とにかくなんか駆け引きしてんなーっていうのと、破綻するという事実をまだ知らない過去の人々(当然自分も含む)を上から目線で見ているだけでも面白い。

変人っぽいトレーダーマイケルにクリスチャン・ベイル。
怒れるヘッジファンドマネージャーマークにスティーヴ・カレル。
マークにCDSを持ちかける胡散臭い顔の銀行家ジャレッドにライアン・ゴズリング。
若い投資家二人組が信用を寄せる伝説の銀行家ベンにブラッド・ピット。

若い投資家二人っていうのが、なぜだか見ているだけでちょっと不快になった。
特にがたいのいい方が嫌な感じがするのだけど、なんだろう。
全然頭よさそうに見えないからかな。

映画『スポットライト 世紀のスクープ』

2015年 監督:トム・マッカーシー
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




神父による子供への性的暴行事件。
ボストンの地元新聞「ボストン・グローブ」の記者達がカトリック教会と社会の闇に迫っていく。
実話に基づいた社会派ドラマ。

字幕ばっかり見ていてあまり映像見ていた記憶がないけど、なかなか面白かった。
主役っぽい人の名前すら覚えられなかったものの。。

対象にがしがし突っ込んでいく記者マイク役にマーク・ラファロ。
しぶいリーダーにマイケル・キートン。
紅一点の女性記者にレイチェル・マクアダムス。

2016年8月11日木曜日

映画『独裁者と小さな孫』

2014年 監督:モフセン・マフマルバフ
製作国:ジョージア/フランス/イギリス/ドイツ
at ギンレイホール




あれ、ストーリーがなんとなくわかるぞ?
キアロスタミ亡き今、もっといっぱい撮ってほしいモフセン・マフマルバフの監督作。

架空の国の独裁者が、クーデターにより小さな孫を連れて逃亡するお話。
ストーリーがわかるぞ、といっても細かいところはよくわからない。
つい先ほどまで大統領家族に歓声を送っていた国民が、いきなり大統領を目の敵にするようになったように見えるけど、歓声は嘘だったのかそれとも大統領にかけられた懸賞金目当てなのか。
大統領がどれほどひどい事をしてきたか?というのは明確に描かれない。
描かれるのは国民は貧困にあえいでいるとか、なんかいろいろ処刑してきたらしいとか、遊びで街の電気を消したり点けたりできるくらいやりたい放題の力を持っている、という点かな。
というか「独裁者」というワードひとつで十分なのかもしれない。
独裁者の非道ぶりが薄れてしまうのは、クーデター後の街の様子、特に兵士の非道ぶりが見るに耐えないからというのもある。
この、クーデター後が前よりひどくなってない?というのがラストの悲痛な訴えにつながるのではあるが。

最初からストーリーを期待していたわけではないけど、映像の方は期待していたほどの感動がなかった。
なかったといってもそこらの映画よりかは大分面白いのだが、昔に見た『サイレンス』のような静謐なイメージの氾濫を期待していたから期待に比べれば、という話。
じいさんと孫のロードムービーのようなシチュエーションだから期待が大きすぎた。
どちらかというとストーリーによるメッセージの発信に重きを置いている作品になっている。
あ、別にだからつまらないといっているわけじゃなくて、今年のベスト3に入れたいくらい面白かったんだけどね。

映画『ヘイトフル・エイト』

2015年 監督:クエンティン・タランティーノ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




冒頭の音楽がいい曲だけど音響設備のせいか耳障りに聞こえてきて、うーんと思っているとオープニングクレジットに音楽エンニオ・モリコーネの文字が現れる。
まだご健在だったのね。

予告編では密室ミステリーとか謳っているけど、それほどミステリー要素が強いわけではなく、いや、ストーリーも面白いんだけど、それよりも登場人物のあくの強さをベースに、簡単に人が死ぬ(それも笑いと紙一重の)圧倒的B級要素が強烈だった。
口から血吹き出しすぎだろ、とか、たかだかリボルバーの一撃で頭蓋骨ごと吹っ飛ぶかいな、とか。
ミニーの紳士洋品店の面々、特に女性陣の描写など、あの明るさと社交性とユーモアは、徹底的に「ああ、いるよねこういう人」とか「ああ、人間ドラマとかの映画とかでよく見るよねこういう人」っていう既視感を十分に与えてくれる。
そっから吹っ飛ぶわけだからB級的見せ方が上手い。

8人の中で唯一の女性役にジェニファー・ジェイソン・リー。
もう20年ぶりとかそんなレベルでこの人見た気がする。
にしても変わらないな。
もともと美人女優という感じでもなかったけど、返り血や肉片で真っ赤になった顔は神々しくさえあった。
もう50なかばなんだね。

他の7人は、
サミュエル・L・ジャクソン
カート・ラッセル
ティム・ロス
マイケル・マドセン
ウォルトン・ゴギンズ
デミアン・ビチル
ブルース・ダーン