2016年8月11日木曜日

映画『独裁者と小さな孫』

2014年 監督:モフセン・マフマルバフ
製作国:ジョージア/フランス/イギリス/ドイツ
at ギンレイホール




あれ、ストーリーがなんとなくわかるぞ?
キアロスタミ亡き今、もっといっぱい撮ってほしいモフセン・マフマルバフの監督作。

架空の国の独裁者が、クーデターにより小さな孫を連れて逃亡するお話。
ストーリーがわかるぞ、といっても細かいところはよくわからない。
つい先ほどまで大統領家族に歓声を送っていた国民が、いきなり大統領を目の敵にするようになったように見えるけど、歓声は嘘だったのかそれとも大統領にかけられた懸賞金目当てなのか。
大統領がどれほどひどい事をしてきたか?というのは明確に描かれない。
描かれるのは国民は貧困にあえいでいるとか、なんかいろいろ処刑してきたらしいとか、遊びで街の電気を消したり点けたりできるくらいやりたい放題の力を持っている、という点かな。
というか「独裁者」というワードひとつで十分なのかもしれない。
独裁者の非道ぶりが薄れてしまうのは、クーデター後の街の様子、特に兵士の非道ぶりが見るに耐えないからというのもある。
この、クーデター後が前よりひどくなってない?というのがラストの悲痛な訴えにつながるのではあるが。

最初からストーリーを期待していたわけではないけど、映像の方は期待していたほどの感動がなかった。
なかったといってもそこらの映画よりかは大分面白いのだが、昔に見た『サイレンス』のような静謐なイメージの氾濫を期待していたから期待に比べれば、という話。
じいさんと孫のロードムービーのようなシチュエーションだから期待が大きすぎた。
どちらかというとストーリーによるメッセージの発信に重きを置いている作品になっている。
あ、別にだからつまらないといっているわけじゃなくて、今年のベスト3に入れたいくらい面白かったんだけどね。

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