2016年10月16日日曜日

映画『すれ違いのダイアリーズ』

2014年 監督:ニティワット・タラトーン
製作国:タイ
at ギンレイホール




ど田舎の水上学校にやってきた新任教師のソーンは毎日失敗ばかり。
そんなとき偶然前任教師のエーンの日記を見つけ、その内容に共感したりしているうちにソーンは会ったこともないエーンに恋をする。
って話。

水のあるアジアのど田舎の風景と純朴な子供たち、そこに異分子のようにやってきて、気づいたら自然に染まっていくソーンやエーン。
田舎と若い二人のパワフルさとの対比や、王道のすれ違いにほんわかする。
現代映画なのに映像にしろストーリーにしろどこか懐かしい。アジア映画は不思議で面白いねぇ。

若い二人ってかいたけど、二人ともそれほど若くないんだな。
ソーン役のスクリット・ウィセートケーオはタイで最も人気のあるポップスターらしい。あと数年ではげそう。
エーン役のきれいな人チャーマーン・ブンヤサックは1982年生まれだな。

映画『神様メール』

2015年 監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル
製作国:ベルギー/フランス/ルクセンブルク
at ギンレイホール




予告編の小さな鳥の群れを操って動かしている男のシーンから、この映画面白そうという予感がしていたのに見事に外れたな。
パソコンを使って人々の運命をもてあそぶ神がいて、その娘が父に反逆して余命を知らせるメールを全人類に一斉送信する。
その後娘は下界に降り立ち、6人の使途を探しに旅に出る。
片腕が義手の美しき女とかゴリラに恋したおばさんとか冒険家になりたかった男とか殺し屋に転身した男とか。
一人一人やそれぞれが寓話的なお話でゆったり展開されていく。

全体的な印象としては、醜悪、という言葉が浮かぶ。
醜悪で面白いとかじゃなくて、なんかどことなく不快でもどかしい醜悪。
芸術作品にもなれず、エンターテインメントにもなれないどっちつかずの状態でそのまま終わる感じ。

なんだろうね。まず音が不快だな。
特に神様役のおっさんの怒鳴り声が今まで聞いたことないような耳障りな響き。
叫び声やら突然入る大きな音とか。
予告編の鳥のシーンもなんか思っていたのと違って感動もなかったし。

宗教的にかなり突っ込んだブラックジョークは海外ではどういう反応しているんだろう。

あ、この監督『八日目』の人だったのか。

2016年10月2日日曜日

映画『レヴェナント:蘇えりし者』

2015年 監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




予告編のグリズリーに襲われているところが衝撃で気になっていたんだけど、本編はもっと凄かった。
まじ怖いわー。

真冬の西部劇といった雰囲気をかもしつつ、圧倒的な大自然の驚異がこれでもかと押し寄せてくる。
そういえば学生の頃はこういう人間がちっぽけに思える映画が大好きだったな。今も好きだけど。
人間がちっぽけではあるけれど、そのちっぽけな人間ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)のダイハード以上の不死身っぷりや生命力がすさまじい。
普通なら4,5回は死んでるよ。
生命力の源は、復讐!
死んでいる場合じゃない。

瀕死の男の生命力と、それを簡単に飲み込み押しつぶす雄大な自然の対比に常に息を呑む。面白かった。
マイナス20度の極寒の地っていうから撮影は過酷そうだな。

映画『サウスポー』

2015年 監督:アントワーン・フークア
製作国:アメリカ/香港
at ギンレイホール




殴られまくって怒りを蓄積して最後には逆転するスタイルのボクシングチャンピオンの物語。
王者として栄光の日々を送っていたビリー・‘ザ・グレート’・ホープ(ジェイク・ギレンホール)は、その怒りを抑えられない性格がわざわいして最愛の妻を失ってしまう。
娘とも離れ離れになって豪邸も失い、どん底まで落ちたビリーは再起をかけてあるジムの門をたたく。

危険な匂いのするビリーをジェイク・ギレンホールが好演している。
『ナイトクローラー』もそうだったけど、危ない男を演じさせたら1,2を争う役者にいつのまにかなったと思う。
『ムーンライト・マイル』やら『ドニー・ダーコ』のあの細い青年はどこにいったんだろう。

妻役にレイチェル・マクアダムス。
こういうけばい格好も似合う。

他、フォレスト・ウィテカーって久しぶりに見たな。