製作国:日本
BS録画
タイトルバックの出し方と琵琶の響きがATG映画または50年代の名作邦画のような年代不詳のどこか懐かしい雰囲気を醸し出していて名作の予感!
その後顔面ドアップから始まるのに少し「ん?」と思いつつも見終わってみればなんかやっぱり不思議なテイストの映画で結論としては面白かった。
太平洋戦争末期のフィリピンレイテ島が舞台。
そこで主人公田村(塚本晋也)が見る地獄絵図。激しい飢えと見えない敵の攻撃の極限状態で精神を保っていられるのか。
学生の頃映画好きの人と話すと誰も彼もゴダール見ろ、鉄男見ろ、って馬鹿の一つ覚えみたいに言うからなんとなく敬遠して見なかった。
ゴダールは結局その数年後に見てしまったがそういえば鉄男は未だに見ていないな。というか塚本晋也監督作を見るのはこれが初めてな気がする。
鉄男や他の作品見ていないからよくわからないものの、作風はB級映画寄りの人なのかな。
顔面ドアップ始まりや特殊メイクによる過度な残酷表現(ところどころギャグ)や少し棒読み風の演技や手持ちカメラ等々。
今調べてみると監督は「自ら製作・監督・脚本・撮影・美術・編集・出演を兼ねる自主制作スタイルを貫いている」らしい。この映画は配給すら自分たちでやっているみたいね。
題材的にはちゃんと撮ろうとすると大規模ロケで相当な予算がかかると思うけど、これを低予算でやるために相当な工夫と撮影の組み立てをやっているらしい。
まあそんな裏側は置いておいてこの映画についてだけど、最初に書いた通りなんか不思議なテイストなんだよね。
題材の重さと真面目さに異質なB級っぽさが付与されることで相互に化学反応起こしているみたいな。
巨額な予算を投じて大作になっていたら逆に胡散臭いんじゃないかと思ってしまうくらいB級っぽさがハマっている気がする。
なんか嫌な顔と嫌な声した役者が出ているなと思ったらリリー・フランキー。
この人こんな嫌な顔と嫌な声してたっけwww
嫌味な小悪党演じさせたら日本一じゃないだろうか。
野火ってタイトルの映画が昔あった気がする。調べたら市川崑で1959年の公開作がある。
市川崑版もこれもどちらも大岡昇平の小説の映画化みたいね。
市川崑版もいつか見てみたい。
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