2023年8月12日土曜日

映画『彼女はひとり』

2018年 監督:中川奈月
製作国:日本
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何も情報無しで見たから最初ホラーかと思った。
幽霊出てくるからホラーといえばホラーなのか。
いや、ホラー要素は幽霊というより、映像や演技やストーリーの終始漂う不穏な雰囲気がホラーだった。
冒頭から幽霊出すことでなんとなく緊張感が生まれて、その緊張感の中での棒読み風の演技が、最初意味の分からない登場人物達の背景をより得体のしれないものにしている。
いやー、面白かった。

ストーリーも面白かった。少しずつ背景を匂わせ明かしていく見せ方や流れがうまい。
ただの先生と生徒だと思っていたら、あれっ、なんか少し距離近くね?からの間髪入れず「しばらく学校の外では会えないです」ww
この先生もまた面白いのね。
今どきいない熱血で、家庭の事情にまでぐいぐい踏み込んできて「私達はとても心配しているんです!」っていう微妙にイライラさせる絶妙なライン。
本人はいたって真面目でたぶん本気で心配しているんだろうけど、生徒と付き合っているんだから倫理観とか教師の仕事に対する矜持みたいなものは欠如している。
この誰からも嫌われそうな先生が最後。。脚本書いた人もひねくれてるなぁ。

大人はあまり出てこないけど、この先生に限らず主人公の父親とかエンコーおばさんとか、ろくな大人が出てこない。
大人の身勝手に傷つけられ、傷つけ合い、救いを求める、子どもたちの物語。

監督の大学院の修了制作で、脚本も監督が書いているらしい。

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