製作国:日本
at ギンレイホール
藤沢周原作で、原作は以前読了済み。
あ、映画化されているんだと知ったときは、よく映画化する気になったなという感じ。
素人だけど運動神経と本能に基づいた剣の才能に満ちた羽田君とか、剣道八段で達人の域にあるミツムラ禅師とか、映像で一体どう表現すんのよ。
で、いろいろ楽しみにして見てみたんだけど、どうなんだろう。
小説では矢田部と羽田のダブル主人公で、映画でも一応そうなんだけど、どちらかというと矢田部の比重が多い気がする。
そして映画では矢田部が最初からアル中で、映画の半分はアル中が暴れている姿を見せられている感じ。
羽田君はただの生意気な素人って程度。
そこそこ大作な原作の心情描写はとりあえず置いておいて、ストーリーの盛り上がる部分を中心に脚本した感じかな。
藤沢周の中ではストーリーっぽい展開があるとはいえ、原作では心理描写がメインだからなぁ。
ストーリーの上っ面なぞってもそれほど面白いわけじゃない。
かといって立ち会いを魅せようとしても、演じるのは剣の達人じゃなくて役者である以上限界がある。
羽田君を演じた村上虹郎は剣道初段で、矢田部役の綾野剛は未経験者だが撮影前に二ヶ月の特訓を行ったらしいけど。
別に本物の達人や天才の立会が見たいというわけでもなく、映画なんだしそれっぽくあればそれでいいのだが、この作品に関しては立会が目玉になっているし、原作読んでいる人からするとちゃんとした本物の迫力を見たかったな。
綾野剛のアル中演技を散々見させられると立ち会いシーンもなんか笑っちゃうのよね。
熊切監督は『鬼畜大宴会』しか見ていないからか、どうしてもB級映画臭を感じてしまう。
脳天ぶちぬく所とか黒い雨とかホタルみたいなCGとか。
綾野剛が後半むきむきになっているのは、心身ともに回復したことを肉体で表したいという監督の要望に応えて、短期間でバンプアップしたらしい。すご。
前田敦子がちょい役で出ている。
矢田部に彼女なんていたっけって思って原作探してパラパラ読んでいると一応カズノという名前の女性は原作にもいる。彼女じゃないけど。
なんかパンツ(色気のないパンツ)を見せるためだけにキャスティングされたようなちょい役。。
もしかしたら原作読まずに見たら楽しめたのかもなぁ。
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