at ギンレイホール

離婚調停の日から始まり出産結婚出会いと遡っていく。
二人の男女が共に歩んだ人生の断章が遡っていく。
なんだこのホテルの部屋のモスグリーンの壁紙は?
壁紙と同じ色のTシャツ、同じ色のコート。
落ち着いた色なのに落ち着かない配色。
肌のくすみを少しも隠さずひたすらありのままにくっきり映す裸体。
復旧できないバランスの中の強引な結合もむなしく別離の瞬間にかかる不釣合いな明るめのイタリアンポップス。
「?」と思うと時間は遡りいくらか幸せな時期のディナー風景へ。
『ペパーミントキャンディー』のように性格や人生までも変えるほどの事件が起きるわけでもなく、淡々と過去が綴られる。
未来の破綻を知らない出会いの瞬間は淡々ながらも輝いて。
ラストの方は無性にエリックロメールの映画が見たくなる。
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