2006年4月25日火曜日

映画『世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す』

1956年 監督:フレッド・F・シアーズ 特撮: レイ・ハリーハウゼン
BS2 録画


世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す

有人宇宙飛行に向けて、調査のための人工衛星が打ち上げられた。
しかし打ち上げられた10基はことごとく音信普通に。
実はフライングソーサーが丁寧なことに打ち落としていたのだった!
全12基の打ち上げ計画の、最後の1基にはカメラを積むことに。
しかしそんなちんけな原因調査策でだらだら展開するよりも一気にロケットの打ち上げ現場にフライングソーサーが現れてくれる。
着陸した上になんか変なのがぞろぞろ出てくる。
のろのろ出てきた宇宙人に対して軍人がいきなり「ファイアー!」。
砲弾の直撃を受けて即死する宇宙人。
相変わらず地球人は考えなしで野蛮です。

一人殺されてもまだ友好的に協定を結ぼうと提案してくる紳士な宇宙人だったが、低能な地球人は端っからどう侵略者を撃退するかということしか頭に無い。
悪いことにフライングソーサーを撃墜する磁力砲なんてものを開発できちゃったものだから戦闘開始。
侵略者は殺せー!むきー!

宇宙人がダイナメーションかと思いきや、普通に着ぐるみだった。
じゃあこまどりはどこなのかというと、くるくる回るフライングソーサーや破壊される建造物がこだわりのダイナメーション。

2006年4月22日土曜日

映画『江戸っ子肌』

1961年 監督:マキノ雅弘
BS2 録画


最初から最後まで無駄一つ無く楽しめる娯楽映画。
こんな良質な娯楽映画はめったに無い。

主演大川橋蔵。
加賀鳶の小頭吉五郎(大川橋蔵)は同じく加賀のエロ侍向井佐太夫(石黒達也)にさらわれたおもん(桜町弘子)を助け出す。
しかしおもんは吉五郎のいる加賀鳶の宿敵「は組」のまとい持ち次郎吉(黒川弥太郎)の妹だった。
加賀鳶と「は組」の因縁の中、お互い惹かれあう吉五郎とおもん。そしてお互いを粋な男と認め合う吉五郎と次郎吉。
ここに第三者として吉五郎に惚れぬく芸者小いな(淡島千景)とその兄で御家人中原扇十郎(山形勲)がちょこちょこ絡んでくる。

粋で華やかで他のどの登場人物よりも明らかに顔のつくりと化粧の濃さが違う橋蔵がかっこいい。
淡島千景は過剰ともいえるくねくね演技で色っぽく可愛らしく、笑わしてそして泣かせてくれる。
その兄役でいい奴を演じた山形勲もでかい声でコミカルだし。
橋蔵の子分役で出ている堺駿二は橋蔵を見事にサポート。

橋蔵に強く握られた手の指を一本一本愛しみながらほぐす桜町弘子のしぐさ。
火事に駆けつけるために着替える橋蔵、手伝う堺駿二と桜町弘子。
訪れてきた黒川弥太郎を迎え入れるべく渋々起き上がって座布団を用意する橋蔵の流れる仕草。座布団を無造作に退ける弥太郎。
等々、心情立場が無駄ないシーケンスで流れていくからとても楽しい。

2006年4月16日日曜日

映画『そして、ひと粒のひかり』

2004年 監督:ジョシュア・マーストン
at ギンレイホール


そして、ひと粒のひかり

マリア(カタリーナ・サンディノ・モレノ)は好きでもないボーイフレンドの子を身ごもった上に仕事も失ってしまう。
マリアの収入に頼っていた家族はマリアを責める。
街に出たマリアが見つけた仕事は麻薬の運び屋だった。
コロンビアからニューヨークへ。

音楽も演出も控えめにドキュメンタリータッチに空ろで過酷な現実が捉えられていく。
監督は長編デビュー作らしい。
なかなか面白い。

映画『愛より強い旅』

2004年 監督:トニー・ガトリフ
at ギンレイホール


トニー・ガトリフ DVDコレクターズBOX

トニー・ガトリフってどんどん音楽が占める割合が多くなってるな。
テクノに始まりジプシー音楽はもちろんフラメンコやらアルジェリア音楽やら。
一組の若いカップルが自分のルーツを辿ってパリからアルジェリアへと旅するロードムービー。
音楽が始原に向かうに従ってロマン・デュリスとルブナ・アザバルの原始的奇行が収まっていく。
そしてラストで爆発。圧巻。ストーリーがよく分からないまま終わっても、圧巻。

映画『ラスト・ヒーロー・イン・チャイナ/烈火風雲』

1993年 監督:バリー・ウォン
TV 録画


ラスト・ヒーロー・イン・チャイナ 烈火風雲

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナシリーズの番外編。
このシリーズは何作もあって何を見て何を見てないか覚えてないから一応録画。
見てみたらこれ僕が始めてリー・リンチェイを見た懐かしの映画だった。
昔はリー・リンチェイじゃなくてアニタ・ユン目当てで見たのだけど、リンチェイのカンフーに度肝を抜かれた。
このくだらないギャグとハイテンションは妙に懐かしい。
アニタ・ユンは元気かな。

2006年4月15日土曜日

映画『水爆と深海の怪物』

1955年 監督:ロバート・ゴードン 特撮: レイ・ハリーハウゼン
BS2 録画


水爆と深海の怪物

テスト航海中の原子力潜水艦のソーナーに何か巨大なものが映りこむ。
船でもない、鯨でもない何かは原潜に迫ってくる。
出力を最大にして逃げるが450メートル、350メートル、180メートルと恐ろしい速さで近付いてくる。
密室に迫りくる恐怖。これは怖い。
遂に何かに絡みつかれてしまった原潜。
でもなんかよくわからないが脱出。
後部横陀に絡みついた放射能を発する謎の物体は科学者によって調査される。
防護服を着た科学者の一人は若い女性だった。防護服の窓から口だけが除いて官能的。
・・・と面白かったのはここまで。
科学者の女性はそんなに美人じゃないうえに原潜の船長に気があるのか同じ科学者の男に興味があるのかさっぱり分からない。
自立した新しいタイプの女性を描きたかったみたいだけど思いっきり失敗。
怪物も正体が分かったらふーんって感じ。
原潜に匹敵するほどの素早さを持つ怪物だがいやに動きがとろい。

2006年4月9日日曜日

映画『ザ・ミッション 非情の掟』

1999年 監督:ジョニー・トゥ
BS2 録画


ザ・ミッション 非情の掟

なんで録画していたのか忘れたが、まあ面白かった。
何者かに命を狙われたボスを護るために集められた五人の精鋭。
敵はいつでもどこでも突然やってくる。
常に緊張感に溢れます。
ただボスを護るという単純なミッション。しかしこのミッションの後にはもう一つのミッションが待っていました。

ばらばらだった5人が徐々に仲間意識を持ってくるラストに向けて、クールな男達が熱さを帯びてきます。
美男子と呼べそうな人はいないけど後半に行くに従い一人一人が魅力的な顔をしてきます。
目がやばくて非情そうに見えたロイ(フランシス・ン)は情に厚い男でした。
人を無視して態度がでかかったフェイ(ラム・シュー)も友情に厚くしかも初めとはうって変わってコミカルな面も見せてくれます。
かっこいいのかもしれないけれど馬顔なマイク(ロイ・チョン)も一匹狼的で魅力的になってきます。
頭の悪そうな若者シン(ジャッキー・ロイ)はやっぱり頭が悪かったです。
4人を束ねるグァイ(アンソニー・ウォン)の目は最初から最後まで堀部圭亮でした。

2006年4月2日日曜日

映画『あふれる熱い涙』

1992年 監督:田代廣孝
BS2 録画




主演ルビー・モレノ。
外国人労働問題、過疎問題、環境問題、少年犯罪、マスコミの高慢、等々、いろいろ盛り込んでみました。
いろいろ盛り込まれているが最終的にはルビーモレノと鈴木正幸の成長譚みたいな話、ということで収斂。
岩手の寡黙な男を鈴木正幸が演じ、ルビーモレノをまっすぐに見つめたときの視線の熱さは結構いい。

真っ赤っ赤ーや真っ青っ青ーな画面等赤と青を基調とポイントにして僕が子供の頃一番汚い街だと思っていた新大久保がメインの舞台になる。
この雑多な街とあまり美しくない赤と青のフィルターに最もよくなじんだのが佐野史郎と戸川純の奇妙なカップル。
ああ、とても強烈。
役どころもそうなんだけど一体二人から滲み出るこの不幸さはなんなんだろう。

2006年4月1日土曜日

映画『ヴェニスの商人』

2004年 監督:マイケル・ラドフォード
at ギンレイホール


ヴェニスの商人

なんか凄いな。キリスト教徒がとんでもなくひどい人達に見える。
ラストの方、判決後ののバッサーニオとポーシャ達のやりとりなんて俗悪そのものでした。

映画『ロバと王女』

1970年 監督:ジャック・ドゥミ
at ギンレイホール


ロバと王女 デジタルニューマスター版

『ロバと王女』のデジタルリマスター版。
ジャック・ドゥミの妻アニエス・ヴァルダとその二人の子供で修復監修したらしい。

青の国には宝石のうんこをするロバがいました。
このロバのおかげか知らないが王国は裕福で人々は幸せに暮らしていました。
青の国ということで従者やどうでもいいエキストラが顔を青く塗りたくられていますが、それでも彼らは幸せでした。
青の国ということで馬が青いペンキで塗りたくられていても、調度品や剥製のいくつかがぽつんと青く塗りたくられていても、彼らは幸せでした。
しかし青い色の毒々しさと趣味の悪さにやられたのか王妃が病に倒れて死んでしまいます。私より美しい人を見つけて再婚してくださいと遺言を残して。
王様は国中の女性から再婚相手を探しました。
しかし王妃を超える女性はいません。
と思ったところ、一人娘の王女様が全ての条件をクリアするただ一人の女性だと気づきます。
王様は娘と結婚しようとします。
王女は戸惑います。
悩んだ王女はリラの妖精のアドバイスを受けて王様に無理難題を突きつけます。
難題は次から次へと簡単にクリアされてしまいます。
困った王女は最後の難題で得た宝石を生むロバの皮をかぶって逃げ出します。
はいだばかりの生皮ですがぬいぐるみのかぶりものみたいで可愛いです。
遠く離れた地で、蝦蟇蛙のつばを吐く老女の下女として王女は働きます。
この村に赤の国の王子がやってきます。
馬は赤く塗りたくられています。
王女はこの王子の心を射止めようと結構打算的に行動するのでした。
続く。

衣装も調度品も豪華絢爛なのだけどちゃんとファンタジーの世界に収まっているからなんか楽しい。
金かけて豪勢なだけで高尚さを押し付けられたらなんも面白くないしな。
ファンタジーといっても色彩も登場人物の言ってる事もやってることも結構毒々しかったり残酷だったりするのだが。
ひとつ気になったのは指輪が合う女性探しで、「ロバの皮」の一つ前に現れた召使の娘は「どうせあたしなんて試しても無駄です」と言っていた。
試すのが無駄だと言いながら、この娘は指輪が合って王子と結婚し、今の身分を脱却できることを夢見ているはず。
指輪をはめてみると当然「試すだけ無駄」だったのだけど、ショックが大きかったのか娘は泣きながら走って出て行ってしまう。
なんか残酷だな。
この娘以外は皆コミカルに指輪と指の不一致シーンを描いていたのに。

主演カトリーヌ・ドヌーヴ。ロバの皮を脱ぎ捨てた途端に太陽のドレスのドヌーヴが出現し王子と手を握って並ぶシーンは泣ける感動シーン。
王様役にジャン・マレー。脚が細くて貧弱に見えるが筋肉質。
王子役にジャック・ペラン。最近では『WATARIDORI』の製作や『コーラス』の製作/出演(成長後のピエール・モランジュ役)をしている。
リラの妖精役にデルフィーヌ・セイリグ。リラの妖精はなんでもありです。電池を知っているし、ヘリコプターも持っています。