2006年4月1日土曜日

映画『ロバと王女』

1970年 監督:ジャック・ドゥミ
at ギンレイホール


ロバと王女 デジタルニューマスター版

『ロバと王女』のデジタルリマスター版。
ジャック・ドゥミの妻アニエス・ヴァルダとその二人の子供で修復監修したらしい。

青の国には宝石のうんこをするロバがいました。
このロバのおかげか知らないが王国は裕福で人々は幸せに暮らしていました。
青の国ということで従者やどうでもいいエキストラが顔を青く塗りたくられていますが、それでも彼らは幸せでした。
青の国ということで馬が青いペンキで塗りたくられていても、調度品や剥製のいくつかがぽつんと青く塗りたくられていても、彼らは幸せでした。
しかし青い色の毒々しさと趣味の悪さにやられたのか王妃が病に倒れて死んでしまいます。私より美しい人を見つけて再婚してくださいと遺言を残して。
王様は国中の女性から再婚相手を探しました。
しかし王妃を超える女性はいません。
と思ったところ、一人娘の王女様が全ての条件をクリアするただ一人の女性だと気づきます。
王様は娘と結婚しようとします。
王女は戸惑います。
悩んだ王女はリラの妖精のアドバイスを受けて王様に無理難題を突きつけます。
難題は次から次へと簡単にクリアされてしまいます。
困った王女は最後の難題で得た宝石を生むロバの皮をかぶって逃げ出します。
はいだばかりの生皮ですがぬいぐるみのかぶりものみたいで可愛いです。
遠く離れた地で、蝦蟇蛙のつばを吐く老女の下女として王女は働きます。
この村に赤の国の王子がやってきます。
馬は赤く塗りたくられています。
王女はこの王子の心を射止めようと結構打算的に行動するのでした。
続く。

衣装も調度品も豪華絢爛なのだけどちゃんとファンタジーの世界に収まっているからなんか楽しい。
金かけて豪勢なだけで高尚さを押し付けられたらなんも面白くないしな。
ファンタジーといっても色彩も登場人物の言ってる事もやってることも結構毒々しかったり残酷だったりするのだが。
ひとつ気になったのは指輪が合う女性探しで、「ロバの皮」の一つ前に現れた召使の娘は「どうせあたしなんて試しても無駄です」と言っていた。
試すのが無駄だと言いながら、この娘は指輪が合って王子と結婚し、今の身分を脱却できることを夢見ているはず。
指輪をはめてみると当然「試すだけ無駄」だったのだけど、ショックが大きかったのか娘は泣きながら走って出て行ってしまう。
なんか残酷だな。
この娘以外は皆コミカルに指輪と指の不一致シーンを描いていたのに。

主演カトリーヌ・ドヌーヴ。ロバの皮を脱ぎ捨てた途端に太陽のドレスのドヌーヴが出現し王子と手を握って並ぶシーンは泣ける感動シーン。
王様役にジャン・マレー。脚が細くて貧弱に見えるが筋肉質。
王子役にジャック・ペラン。最近では『WATARIDORI』の製作や『コーラス』の製作/出演(成長後のピエール・モランジュ役)をしている。
リラの妖精役にデルフィーヌ・セイリグ。リラの妖精はなんでもありです。電池を知っているし、ヘリコプターも持っています。

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