2006年4月22日土曜日

映画『江戸っ子肌』

1961年 監督:マキノ雅弘
BS2 録画


最初から最後まで無駄一つ無く楽しめる娯楽映画。
こんな良質な娯楽映画はめったに無い。

主演大川橋蔵。
加賀鳶の小頭吉五郎(大川橋蔵)は同じく加賀のエロ侍向井佐太夫(石黒達也)にさらわれたおもん(桜町弘子)を助け出す。
しかしおもんは吉五郎のいる加賀鳶の宿敵「は組」のまとい持ち次郎吉(黒川弥太郎)の妹だった。
加賀鳶と「は組」の因縁の中、お互い惹かれあう吉五郎とおもん。そしてお互いを粋な男と認め合う吉五郎と次郎吉。
ここに第三者として吉五郎に惚れぬく芸者小いな(淡島千景)とその兄で御家人中原扇十郎(山形勲)がちょこちょこ絡んでくる。

粋で華やかで他のどの登場人物よりも明らかに顔のつくりと化粧の濃さが違う橋蔵がかっこいい。
淡島千景は過剰ともいえるくねくね演技で色っぽく可愛らしく、笑わしてそして泣かせてくれる。
その兄役でいい奴を演じた山形勲もでかい声でコミカルだし。
橋蔵の子分役で出ている堺駿二は橋蔵を見事にサポート。

橋蔵に強く握られた手の指を一本一本愛しみながらほぐす桜町弘子のしぐさ。
火事に駆けつけるために着替える橋蔵、手伝う堺駿二と桜町弘子。
訪れてきた黒川弥太郎を迎え入れるべく渋々起き上がって座布団を用意する橋蔵の流れる仕草。座布団を無造作に退ける弥太郎。
等々、心情立場が無駄ないシーケンスで流れていくからとても楽しい。

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