2007年7月28日土曜日

映画『踊る結婚式』

1941年 監督:シドニー・ランフィールド
BS2 録画


リタ・ヘイワース フィルム・コレクション
※リタ・ヘイワース フィルム・コレクションっていうDVDの画像なんだけど、脚!!
 わかっとるね~

フレッド・アステアとリタ・ヘイワース。
リタ・ヘイワースの最初のミュージカル。
女好きの劇場支配人がコーラスガールのリタ・ヘイワースに恋をし、ネーム入りのブレスレットを送ろうとする。
いろいろ間違って妻にばれる。
苦しい言い訳で演出家のアステアがリタ・ヘイワースに送るブレスレットだと。
この言い訳を真実にするため策略し、支配人夫妻がいる席上でアステアにブレスレットをリタ・ヘイワースに渡させようとする。
アステアに気があるリタ・ヘイワースはアステアの誘いを嬉しがるが、支配人とアステアがぐるになっての茶番だと気づき、アステアに失望する。
アステアの方はリタ・ヘイワースに興味などなかったのだけど次第に惹かれていく。美人だしね。
・・・ってストーリーはどうでもいいや。
アステアはリタ・ヘイワースの恋人に殺されないように軍に入隊して、舞台は軍のキャンプ生活で繰り広げられる。
第二次世界大戦の始まる頃のお気楽軍生活。お国のためより恋のためです。

アステアのシャープなダンスもいいけど、リタ・ヘイワースのしなやかなダンスもいいね。
MGMじゃなくてコロンビア。どうもタップシーンが少ない。
でも営倉で黒人達が奏でる音楽に乗せてアステアがソロタップを見せるところは凄い。
緩やかな曲調に高速タップで応える。
わが道をいったステップなのにこれがまたいいんだな。

2007年7月22日日曜日

映画『華麗なる恋の舞台で』

2004年 監督:イシュトヴァン・サボー
at ギンレイホール


華麗なる恋の舞台で デラックス版

おばさんの恋愛物ほどかったるいものはないと思っているのだけど、なかなか面白いコメディに仕上がっている。
主演アネット・ベニング。
1938年、大女優のジュリア・ランバート(アネット・ベニング)は同じことの繰り返しの毎日に疲れ果てていた。
そんな時、ファンだという若い青年が現れ、ジュリアは恋をする。
青年の方はこの大女優と寝ようと淡々と迫っていくものだから青年との恋は上手くいき、ジュリアは再び輝き始めた。
しかし青年は所詮青年。若い新進女優と二股をかけた上に、恥も外聞もなく一途にすがるジュリアの無心な想いから出た言葉の一つが青年のくそみたいなプライドを傷つけて破局。
失恋のジュリアだが、そもそも青年なんてやっぱり精神年齢が低すぎて物足りなさも感じていた。
いや、演技のプロのジュリアにとっては同年代の夫でさえ子供にしか見えないのかもしれない。
復活したジュリアは爽快なリベンジ劇の準備を着々と進めていくのだった。

途中までつまらなかったのだけど、最後の方は爽快に楽しめる。

映画『マリー・アントワネット』

2006年 監督:ソフィア・コッポラ
at ギンレイホール


マリー・アントワネット (初回生産限定版)

宮廷物ほどかったるいものはないと思っているのだけど、予告編を見る限りこれはなかなかポップなテイストに仕上がってそうで面白そう。
冒頭からギャング・オブ・フォーのハードなギターサウンド。
そして椅子に浅く寝そべるように腰掛けたキルステン・ダンストがケーキを緩慢な動作でほおばってからこちらに笑顔で振り向く。
不敵でキュートな笑み。
もう最高のオープニング。
しかも流れるクレジットタイトルを見ていたら「アジアアージェント」・・・誰?・・・あっ、アーシアアルジェントじゃん。
期待させる要素が詰まりに詰まった幕開けに心も高揚してくる。
なんだけどな。
やっぱりつまらないや。
しかも123分もあるし疲労困憊。

アーシアアルジェントの出番は少なくて、ぽっと出てぱっと消えていったのだけど、あまりにその容貌まんまの役で面白くない。
不健康そうで性格悪そうな怖い顔でありながら物凄い可愛らしくもあり、表情によって怖かったり美しかったりするところが魅力なのに、ここではただ美人じゃない人って感じがするだけの人だった。

2007年7月7日土曜日

映画『ブラックブック』

2006年 監督:ポール・ヴァーホーヴェン
at ギンレイホール


スマイルBEST ブラックブック

144分あるのだけど、思いのほか楽しめる。
第二次大戦中のオランダ。ユダヤ人のラヘルは目の前で家族を惨殺される。
命からがら逃げ出したラヘルはエリス・デ・フリースと名乗りレジスタンスに加わった。
彼女はドイツ軍諜報部長のムンツェに接近する使命を受けたのだが、エリスは次第にムンツェに惹かれていき・・・
って別にムンツェに惹かれたためにどうこう話が大きく展開するわけでもないんだけどね。
サスペンスチックになって真犯人は誰だ、みたいな突然の展開も、重要シーンのあっけなさも全てなかなか楽しめる。
監督ポール・ヴァーホーヴェン。
23年ぶりに母国のオランダに帰って撮った構想20年の渾身の一作。
冷徹な戦争物だけど、娯楽要素が豊富。

髪を金髪に染めるのは当時何を使ったのだろう。
いづれにしろかなりの頻度で染め替えないと髪の付け根でばれちゃうよな。大変だぁ。

映画『モーツァルトとクジラ』

2004年 監督:ペッター・ネス
at ギンレイホール


モーツァルトとクジラ

なんかこの太ったおばさん見たことあるなぁとくらいにしか思っていなかったのだけど、この人「シネマ通信」に出ていたロミー&ラスティのラスティらしい。
なつかしー。
そういえばいつもシャツをジーパンに突っ込んでいたジェファーソンはどうしているのかな。

アスペルガー症候群のドナルド(ジョシュ・ハートネット)と、同じ障害を抱えたイザベル(ラダ・ミッチェル)のハートフルロマンス・・・
ジョシュ・ハートネットが素朴な青年を演じ、ラダ・ミッチェルがきゃはきゃは笑う。

2007年7月1日日曜日

映画『火火(ひび)』

2004年 監督:高橋伴明
BS2 録画




陶芸家神山清子の半生と彼女の長男の白血病との闘いを描く。
難病ものだけどここまで丹精こめて作られると無条件に泣くしかない。
後半なんか涙が止まらない。
ああ、映画見て久しぶりに泣いた。

田中裕子が凄い。
この気丈な母ぶりは圧巻。しかも割烹着が似合いながら清潔な色気まで漂わすとは。

長男役にこれが映画デビューの窪塚俊介。
映画デビューでこんな名作に出るとはなんて運がいい役者だろう。
もともと役者の素質があるのかそれとも出演作がよかったのか、本当にデビュー作?と思うほどいい。

黒沢あすか。
手が滑って大事な茶碗を割ってしまった時、どう謝るかと思いきや、呪文のような言葉を発しながら唐突に駆け出すのね。
その唐突さに唖然としながらも、叫びのあまりの切なさとここまで自分を捨てるかっていう気迫に涙しそうになる。この映画の中でも屈指の名シーン。
東京から来た訳ありOLの役なんだけど、背景が描かれないから詳しいことは分からない。

全くいい映画というのはそこに出演する役者を全て名役者にするなぁ。
池脇千鶴。こんなに太ってたっけ?
岸部一徳。ここ10年くらいで気づいたら名バイプレイヤー。
遠山景織子。石田えり。塩見三省。石黒賢。鈴木砂羽。吉井怜。原史奈。等々。

冒頭と最後の方に、りりぃが歌う「愛の絆(アメージンググレース)」が挿入される。
歌自体はいいのだけど、映像とのバランスが悪いのかどうも変な感じがする。
この歌について、監督の高橋伴明のインタビューが面白い。


福岡「よく歌使いますよね。普通監督として、歌の存在感って強いから歌詞も含めて嫌がる人もいるじゃないですか」
高橋「俺、好きだもん」
福岡「何で好きなんですか」
高橋「なんでかな。要するに自分では歌が一番感情移入できるんで。ピンクの時代から歌は結構使っていたよ」
福岡「そうですよね。見る方も歌によって感情移入させて」
高橋「くれればいいし、嫌だったら嫌でもかまわねえやと思うし、それが好きか嫌いかは勝手でしょって感じだから」

とはっきり言っちゃうところが男らしい。
名作をとってやろうなんて思っていなくて、撮りたいこと好きなことをやっているということか。
僕の感覚ではこの歌は「嫌」なんだけど。
名作であることに変わりは無いので、歌が挿入されることで作品自体が一歩近いところに降りてくるような、と好意的に解釈してみるか。
名作とチープさのバランスがまた不思議です。

前に録画した『オール・アバウト・マイ・マザー』を一体どの映画と一緒にDVDに焼くか悩んでいたけど、こいつで決まり。
映画史上に残る母性の名作2本を一つのDVDに!!