BS2 録画

陶芸家神山清子の半生と彼女の長男の白血病との闘いを描く。
難病ものだけどここまで丹精こめて作られると無条件に泣くしかない。
後半なんか涙が止まらない。
ああ、映画見て久しぶりに泣いた。
田中裕子が凄い。
この気丈な母ぶりは圧巻。しかも割烹着が似合いながら清潔な色気まで漂わすとは。
長男役にこれが映画デビューの窪塚俊介。
映画デビューでこんな名作に出るとはなんて運がいい役者だろう。
もともと役者の素質があるのかそれとも出演作がよかったのか、本当にデビュー作?と思うほどいい。
黒沢あすか。
手が滑って大事な茶碗を割ってしまった時、どう謝るかと思いきや、呪文のような言葉を発しながら唐突に駆け出すのね。
その唐突さに唖然としながらも、叫びのあまりの切なさとここまで自分を捨てるかっていう気迫に涙しそうになる。この映画の中でも屈指の名シーン。
東京から来た訳ありOLの役なんだけど、背景が描かれないから詳しいことは分からない。
全くいい映画というのはそこに出演する役者を全て名役者にするなぁ。
池脇千鶴。こんなに太ってたっけ?
岸部一徳。ここ10年くらいで気づいたら名バイプレイヤー。
遠山景織子。石田えり。塩見三省。石黒賢。鈴木砂羽。吉井怜。原史奈。等々。
冒頭と最後の方に、りりぃが歌う「愛の絆(アメージンググレース)」が挿入される。
歌自体はいいのだけど、映像とのバランスが悪いのかどうも変な感じがする。
この歌について、監督の高橋伴明のインタビューが面白い。
福岡「よく歌使いますよね。普通監督として、歌の存在感って強いから歌詞も含めて嫌がる人もいるじゃないですか」
高橋「俺、好きだもん」
福岡「何で好きなんですか」
高橋「なんでかな。要するに自分では歌が一番感情移入できるんで。ピンクの時代から歌は結構使っていたよ」
福岡「そうですよね。見る方も歌によって感情移入させて」
高橋「くれればいいし、嫌だったら嫌でもかまわねえやと思うし、それが好きか嫌いかは勝手でしょって感じだから」
とはっきり言っちゃうところが男らしい。
名作をとってやろうなんて思っていなくて、撮りたいこと好きなことをやっているということか。
僕の感覚ではこの歌は「嫌」なんだけど。
名作であることに変わりは無いので、歌が挿入されることで作品自体が一歩近いところに降りてくるような、と好意的に解釈してみるか。
名作とチープさのバランスがまた不思議です。
前に録画した『オール・アバウト・マイ・マザー』を一体どの映画と一緒にDVDに焼くか悩んでいたけど、こいつで決まり。
映画史上に残る母性の名作2本を一つのDVDに!!
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