2007年11月25日日曜日

映画『深呼吸の必要』

2004年 監督:篠原哲雄
BS2 録画


深呼吸の必要 (初回限定版)

冒頭、女の子がプールのスタート台の上で深呼吸している。
他の子は飛び込みの体勢をとっているのに。
当然スタートは遅れびりでゴール。
夏の暑さとプールの冷たさと少女の爽やかな笑顔が印象的な幕開け。
この映画、もしかしたら面白いかも、と期待。

少女は香里奈になり沖縄の離島に到着。
他に谷原章介、成宮寛貴、金子さやか、長澤まさみも到着。
軽トラで迎えに来たのは大森南朋。
彼らは皆サトウキビ刈りのアルバイトにやってきたのだった。
一つ屋根の下での共同生活&挫折などの傷を抱えて逃避するようにしてやってきた訳あり連中&期限までに約7万本のサトウキビを刈らなければいけないという重労働
という設定で展開するドラマ。
次第に明かされる過去の傷。谷原章介に成宮寛貴。
えっ、この調子でメンバ全員続いたらうざいなと思っていると他の人たちはさらっと。
さらっと感がうれしいものの過去の傷が公開された二人があまりにどうでもよかったので、結局メンバ全員どうでもいい感じに落ち着く。

当時の旬な役者が勢ぞろい。
でも長澤まさみがー。
喋らない、暗い、影が薄い。やっと笑ったと思っても特に印象に残らず。
『ロボコン』で魅力全開で開花した後にこれは悲しい。

つまらなくはないけど面白くもないという消化不良。

2007年11月17日土曜日

目黒で飲む。
帰りの電車で自分が手ぶらでいることにはっと気づく。
行くときには持っていたトートバッグがないじゃん。
引き返し、行った店二件を回るが見つからず。
うぅ。
・学生時代に友達に借りたPSソフト二本。
・文庫本一冊
・mp3プレイヤー
PSソフトは一緒に飲んだ友達に返すはずが飲んでいたらすっかり忘れてそのまま紛失してしまった。
ごめんなさい。

2007年11月13日火曜日

映画『とらばいゆ』

2001年 監督:大谷健太郎
BS2 録画


とらばいゆ

主演瀬戸朝香。
瀬戸朝香が出ている映画は初めて見たな。
瀬戸朝香の夫役には塚本晋也。
瀬戸朝香の妹役に市川実日子でその彼氏に村上淳。
この二組の恋愛コメディ。
なんだけど、ちょっと変わっているのは瀬戸朝香と市川実日子の姉妹は女流棋士であるということ。
勝負の世界に生きている、っていうので二人ともくせが強い。
男たちは振り回されてばかり。
瀬戸朝香の方なんか俺だったら「こいつめんどくせー」と思って耐えらんない。
でもそこは気さくで仕事のできる塚本晋也であるから不満や文句を言葉にしても何より妻のことを第一に考えている。
なんていい人だ、まったく。

瀬戸朝香がきれいでスタイルも抜群。
でもえろくないんだよね。
この映画からは性的なものが一切感じられない。
夫婦なのにお互い触れることすらなかったのではないか。
子供もいなくて結婚して間もない夫婦の恋愛ドラマなのに。

2007年11月11日日曜日

映画『リトル・チルドレン』

2006年 監督:トッド・フィールド
at ギンレイホール


リトル・チルドレン

主演ケイト・ウィンスレット。
トム・ペロッタの全米ベストセラー小説が原作らしい。
137分と長いけどなかなか面白い。

アメリカ郊外の住宅地に住むサラは夫と娘の家族三人で暮らしている。
と、まあそんな感じで不倫があったり性犯罪で服役していた男が戻ってきたりとこの街を舞台に話は展開していく。
郊外っぽく偽善と偏見に満ちた大人達がシニカルな笑いとともに描かれる。
そんな彼らと少し距離を置いたところにいたのがサラ(ケイト・ウィンスレット)と、昼は専業主夫で夜は司法試験の勉強をするブラッド(パトリック・ウィルソン)だった。
出会いの瞬間に取った些細ないたずらは二人の間に特別な感情を目覚めさせる。
結局みんな大人になりきれない子供だったが、それでもすでに大人になっている事実に変わりは無くて、その責任に対してどう接していくのか?
一時的な感情で逃げるのか?
もう一度自分と周りを正面から見つめなおすのか?
ラストはちょっとどきどきする。

映画『輝ける女たち』

2006年 監督:ティエリー・クリファ
at ギンレイホール


輝ける女たち

ああ、人物関係がさっぱり分からない。
眠くなってちょっと寝てしまった。

キャバレー「青いオウム」のオーナーであるガブリエル(クロード・ブラッスール)が死去した。
ということで彼のファミリーが集まる。
息子のニッキー(ジェラール・ランヴァン)。クラブに出演するマジシャンでもある。
ニッキーの妻?元妻?愛人?にアリス(カトリーヌ・ドヌーヴ)とシモーヌ(ミュウ=ミュウ)。
ニッキーの子供にマリアンヌ(ジェラルディン・ペラス)とニノ(ミヒャエル・コーエン)。
で、このファミリーの関係が複雑で、
・ニッキーはガブリエルの本当の息子でない。
・マリアンヌとニノの父親はニッキーらしいが母親は違うらしい。
・アリスは元妻でマリアンヌの母で、シモーヌはニッキーじゃない別の夫がいるけどニノの父親はニッキーで、だけどニッキーの元妻というわけではないらしい。
さらに、
・ガブリエルは女装によるパフォーマンスをしていたがオカマではないらしいが同性愛者かもしれない・・・
・ニッキーはしょぼくれたおっさんにしか見えないけど実は稀代のプレイボーイらしい。でも同性愛者でもあるかもしれない・・・
・ニノは揺るぎない同性愛者。
っていうようなことが超小出しにちょろっとしたセリフで明かされたりする。
人物関係が明かされるタイミングは始まりから最後までALLTIME。
寝ちゃったらわかんないじゃん。だから公式HP見て勉強した。

ストーリーだけど、ガブリエルが死去した、で、ニッキーは自分が遺産というかこのキャバレー青いオウムを相続するものだと思っていたらしいが、青いオウムはマリアンヌとニノの二人に相続される。
マリアンヌはばりばりのキャリアウーマンでニノは会計士。
そんな古いキャバレーもらっても経営している暇なんてないしそりゃあ売るでしょう。
ってことなんだけどなんだかんだ登場する人物の過去や関係が明かされて、さらにクラブに出演する歌手のレア(エマニュエル・ベアール)もからんできてニッキーといい関係になって、うにゃうにゃしているうちにファミリーはそれぞれ自分のアイデンティティを獲得したのかなんだかおおらかになって清清しく歩き始める。
ファミリーの再生までの道のりが過去や事実の小出しを重ねているうちになんか気づいたら、っていう緩やかなところが洒落ているものの、関係が複雑すぎてのりづらい。

シモーヌ役にミュウ=ミュウです。
以前に『燃えつきた納屋』1973を見たときに気になって名前を覚えていたミュウ=ミュウ。
年をとってもかわいらしい目元は変わらない。
なんかレアな女優だと思っていたけど出演作見ると結構メジャーな人だったのね。

2007年11月10日土曜日

映画『花とアリス』

2004年 監督:岩井俊二
BS2 録画


花とアリス 特別版花とアリス 通常版

岩井俊二は前に一作、なんだっけな、『PicNic』かなんか見て、やっばー、このオタク世界に全然ついていけない、っつって。
それから岩井俊二は一切見ていない、っつって。
のだけど『花とアリス』はそういえば蒼井優がバレエを踊っているとかいう情報を聞いたような気するな、っつって。
見てみる。
むーん。この映画で坂本真が語尾に「っつって」と必ずつけるのね。段々うざくなってくるのだけど、たまに使ってみると結構楽しいかも。

で、この映画、やっばー。蒼井優がよすぎる。
ちょっとした表情のかわいらしいこと。
鼻を両手の人差し指ではさんで鼻声で「ごめんなさい」と言っても蒼井優ならOK。
そして鈴木杏と蒼井優の掛け合いも奇跡的な絶妙さで面白いしな。

アリス(蒼井優)とハナ(鈴木杏)は親友で一緒の高校に進学する。
ハナは中学時代に駅のホームで見かけてあこがれていた先輩のいる落語研究会に入部。
先輩の下校を尾行しているところで先輩がシャッターに頭をぶつけて気絶。
なんだかんだでハナは先輩を記憶喪失扱いしてちゃっかり彼女の位置に収まる。
自分の名前も覚えているし最近の事も覚えているのに、彼女のことだけは忘れてしまったという記憶喪失。
んな馬鹿なと思ってもこの先輩はぼーっとした変なやつなので、騙されてもなんか納得。
コメディだよね。
嘘がばれそうになったため、ハナはさらに嘘を重ねて親友のアリスを元カノに仕立て上げる。
元カノの事まで忘れたのか!
先輩は過去の記憶を思い出そうとアリスとデートを重ねる。
まあ、三角関係。

ストーリーの主軸はこの三角関係なんだけど、話は結構大きく広がる。
まず主役二人の背景の描き方が上手い。
アリスは母子家庭で母親(相田翔子)は新しい彼氏とデートばかりしている。
家の中は臭くない程度に乱雑。家事をしていないらしい。
そんな家庭だがアリスは奔放で明るい。
本当の父親ともよく会う。というか父親が大好きらしい。
ハナの頼みに付き合って先輩に元カノのふりして接するが、アリスは先輩とのありもしない過去の記憶たどりデートを、父親との懐かしい過去の記憶たどりに常に置き換える。
これが最後の方でトランプのハートのエースとして油断すると泣きそうになるくらいのいい話になるんだな。
明るいアリスに対して、暗くはないがどこか狂気を秘めたハナ。
臆病なのか大胆なのかわからない。
憧れの先輩の彼女になる手腕はコメディの世界だったけど、ハナの嘘は夢野久作の『少女地獄 何でもない』の世界だった。
激しい嫉妬とまくしたてる嘘の狂気。
嘘を重ねて自分の首を絞めていき、「先輩が私のことを好きなったという事実は・・・ありません」という悲惨な言葉をはく羽目に陥る。
でもいいシーンだけどね。
ハナの背景はいまいち描かれないのだけど、ラストの方で思いがけない形でハナの過去とアリスとの関係が明かされる。
ああ、これで十分です。
そして過去と擬似過去の現在が交錯する中で未来の線も折り重ねてくる。
アリスはスカウトされて芸能事務所に入っていろんなオーディションに出るのね。
奔放なアリスも社会に出ればおとなしい女子高生。このギャップ。
社会には一癖も二癖もある連中が待ち受けてるし。ルー大芝とかアブちゃんとか。

つっこみどころはとりあえず置いておこう。トランプのカードが10年近くも浜辺に落ちているわけねーだろ、とか。