2009年8月2日日曜日

映画『英国王 給仕人に乾杯!』

2006年 監督:イジー・メンツェル
at ギンレイホール


英国王給仕人に乾杯! オリジナル・サウンドトラック

小国チェコの20世紀前半現代史。
主役のヤン(イヴァン・バルネフ)は小柄な男性。
欲望、快楽が時代にもまれながらストレートに描かれるのだけど、醜いというより愛らしい滑稽さで表現される。
悲劇や死も時代の必然として欲望、快楽と同じ土壌にあがって描かれるもんだから強烈なアイロニーになっている。
美女達が素っ裸で泳いでいたプールが時代が変わって戦争で腕や脚をなくした兵士達が素っ裸で泳ぐプールに変化したり。

百万長者を夢見るヤンは駅のソーセージ売りから始まり田舎のホテルの見習い給仕人、富豪たちのお忍び別荘ホテルのウェイター、そしてプラハの超一流ホテルで主任給仕人に上り詰める。
ほとんど運と成り行きなんだけど。
作品全体が人間の醜さや愛らしさや馬鹿らしさを達観した視点で見つめているのだから主役のヤンもどこか達観している。
達観しているというと少し語弊があるか。
急変するチェコの現代史をそんなものは関係ないとばかりに流されるまま思うままひょいひょい泳いでいく姿が人間を超越している、というかコミカル。

120分もあるけど結構面白かった。

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