2010年8月21日土曜日

映画『9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~』

2009年 監督:シェーン・アッカー
at ギンレイホール


9&ltナイン&gt~9番目の奇妙な人形~ コレクターズ・エディション [DVD]

CGアニメーション。
全部CGなのかな。麻の質感とかすごい。

人類が滅亡した世界で目を覚ました人形ロボット。
背中には「9」の数字が描かれている。
外に出ると背中に「2」と書かれた仲間に出会う。
博士風で魅力的な「2」だったが、ビーストと呼ばれる変なロボットにあっという間に連れ去られてしまう。
出合った瞬間に消えたよ。。。

ストーリーは単純。
しかも展開がかなりおかしい。
ラスボスは序盤にいきなり登場して暴れまわるし、キャラクターは中途半端なままいなくなったりするし、まあ期待を裏切って楽しませてくれると言えなくも無いけど、盛り上がる沸点をどこに設定しているのかわからないまま道に迷った感じにラストを迎えてしまう。
ナンバーの刻まれた仲間は1から8までいて、9より大分先に目覚めていたらしい。
ぽっと出の9が活躍、というかそもそも全ての元凶であるところがノレない一番の理由かな。
CG自体は雰囲気が抜群によく、緻密なのでストーリーは基本的に無視して観た方がよかったかもなぁ。

人形の目は双眼鏡みたいな形になっていて、それが眼鏡を連想させ、そこからさらにのび太君を連想させる。
9種類ののび太君がいる感じ。
「7」は女性キャラとなっていて、しかも最強の女戦士。
俊敏でとにかくかっこいい。
かっこいいんだけど、やっぱり外見はのび太君なんだな。
あ、「7」の声優はジェニファー・コネリーだったんだ。フェノミナ。

映画『第9地区』

2009年 監督:ニール・ブロンカンプ
at ギンレイホール


District 9 [DVD] [Import]

ドキュメンタリーのようなインタビューから始まる。
MNUという民間の軍事企業のなんかの役職についたヴィカスというおっさんの昇進コメントに始まり、そこからいろんな人へのインタビューに移っていく。
インタビューから見えてくるのは、どうやら28年前に南アフリカ共和国のヨハネスブルグ上空に巨大なUFOが現れ、しかも動かなくなったUFOの中で発見された大量のエイリアンは難民としてヨハネスブルグの第9地区と呼ばれる仮説住宅街に住んでいるらしいということ。
ヨハネスブルグがそんなことになっていたとは知らなかったねぇ。
そして「ヴィカスがあんなことするなんて」と、インタビューはどうやらある事件の発生後に撮られたものらしい。
ということは今いないはずのヴィカスのコメント映像は過去の記録映像ってことか。
現在のインタビューと過去の記録映像を織り交ぜたドキュメンタリー風導入から、記録映像とヴィカス視点の混在状態へとシフトしていく。
時間軸のばらばらな導入なのに上手いことまとまって少しも混乱しない上、興味を引く謎を残しつつ状況をぱっと理解できるから導入としてよくできている。
エビと呼称(蔑称)されるエイリアンも冒頭から出現して強烈だし。

第9地区が本当いい絵面になっている。
どこまでも開ける空の下、粗末で不衛生で。
そしてそこに住む気色悪いでかいエイリアン達。
このエイリアン達は働き蟻のような位置づけで知能が低い奴らということらしいので非常に野蛮。
でも同じくらい人間達も野蛮で非道でエゴイスト。
主人公のヴィカスも英雄なんかじゃなくて、気さくな笑顔で非道を行なうし最後になるまで嫌らしいくらいエゴイストだし。
人間も野蛮なエイリアンも風船のように肉塊を飛び散らせて死んでいく様は残虐を通り越して滑稽になる。
スターシップ・トゥルーパーズみたいだ。
死んでいくのは下衆ヤローか無人格の奴ばかりなので肉片飛び散っても心は痛まない。
主な人物の中でまともなのが知能の高いエイリアン、クリストファー・ジョンソンとその息子だけど、まともな奴は絶対死なない。
体の半分ちょっとしか隠れない薄い鉄板を防御にして銃弾の嵐の中を突っ走っても体には一発も被弾しないという奇跡。

超強力なエイリアンの武器や、その武器を搭載しまくった最強のパワードスーツ等々、SF趣味をチープに刺激してくる。
パワードスーツの性能の初披露はマシンガンの弾を防ぐシーンなのだけど、弾がパワードスーツの前の空中で静止してどんどん雪だるまみたいに膨れて丸まっていくのね。
ちょっと目が悪くてどこがどうなっているかよく見えなかったけど、マシンガンの弾を一つ一つ打ち落とすように相殺していたのか、特殊なバリアーで丸めたのかな。
とにかく得体の知れないパワードスーツが出だしからマシンガンの弾をぶっとんだ防ぎ方するからその超高性能ぶりに思わずにやっとしてしまう。
本当この映画は見せ方が上手いよな。
※パワードスーツはもちろんエイリアンのものだけど、これ、大きさ的にエイリアン乗れるのかなぁ。

途中ちょっと中だるみするもののかなり面白いSFコメディだった。
それにしても重要アイテムの宇宙船のエネルギー源でありとんでもな変化をもたらしもするあり得ない変な液の原料はなんだったんだろうな。

あと、エイリアンの居住区隔離やエイリアン立ち入りお断りの看板とかまんまアパルトヘイトなので触れないわけにはいかないのかと思ったけど、公式ページ見ると「製作陣は直接的なメタファーは意図していない」らしいのでいいや。
白人と白人以外という区分が人間とエイリアン、という風に人間が人種を超えて一つになっているのはそれはそれで幸せだね。

2010年8月15日日曜日

映画『新ポリス・ストーリー』

1993年 監督:カーク・ウォン
BS2 録画


新ポリス・ストーリー デジタル・リマスター版 [DVD]

ジャッキーがコミカルを封印して挑戦した香港ノワール。
熱湯の中から取り出した拳銃にあっちゃあっちゃする以外は本当真面目。
ただ、アクションはジャッキーで、やっぱり高いところから落ちる。

昔、たぶん高校生くらいの頃に見て面白かった記憶があるのだけど、今見ると記憶ほどでもないかな。
一度見たら二度と忘れないケント・チェンの体格と風貌が強烈。
刑事でありながら誘拐事件の主犯である役がケント・チェン。
犯人がケント・チェンであることは最初から隠しもしないので、ジャッキーと行動を共にしつつこっそり妨害をし続けるケント・チェンを見て「志村後ろ後ろ!」状態が継続する。
それにしてもケント・チェンが分かりやすいくらい挙動不審。
気づけよという感じだけどそこはまあ後ろ後ろなので。
事件の主犯を台湾に派遣して台湾警察の捜査を邪魔したり、と香港警察の威信が落ちるというか国際問題にも発展しかねない。ジェット・リーの『キス・オブ・ザ・ドラゴン』のフランス警察ほどひどくはないけど。

誘拐されるロー・ガーインってどこかで見たことあるなぁと思って調べてみたら『0061/北京より愛をこめて!?』『君さえいれば/金枝玉葉』『金玉満堂(きんぎょくまんどう)/決戦!炎の料理人』と懐かしい作品名が出てくる。
久しぶりに見たいな。

花火

夕方、よく行く喫茶店でくつろごうとして出かけるとありえないくらいのたくさんの人とすれ違う。
何事かと思ったら浴衣姿の人見て思い出した。
今日は終戦日。
毎年終戦記念日に行われる大田区平和都市宣言記念事業「花火の祭典」の観客達か。
人ごみを掻き分けて商店街の喫茶店にたどり着いたらお盆で休みだったので帰る。

音が聞こえ出してからサンダルつっかけて見に行く。



デヂカメの写真をどうも長いことPCに取り込んでいなかったらしい。
去年に大学の友人と久しぶりに鎌倉で会った時の写真。



そして去年の花火


進歩ないなぁ。

2008年の新潟の花火



ついでに2008年の鎌倉。

2010年8月8日日曜日

映画『17歳の肖像』

2009年 監督:ロネ・シェルフィグ
at ギンレイホール


17歳の肖像 コレクターズ・エディション [DVD]

舞台は1961年ロンドン郊外。
成績優秀な16歳のジェニー(キャリー・マリガン)はパリにあこがれる好奇心旺盛な女子高生。
ある日おっさんにナンパされる。
少し前髪が後退し始めているおっさんデイヴィッド(ピーター・サースガード)はとっても紳士的でとっても優雅でとっても大人だった。
このプレイボーイと仲良くなって付き合いだした彼女は大人の世界の魅力に取り付かれる。
大人の世界を知った少女にとって同級生の元ボーイフレンドなんてもう乳臭いガキでしかない。

キャリー・マリガンは16歳にしては少し老けているなとたまに思ったりしたけど、24歳らしい。
それはそれでびっくりだな。童顔だからそんなに違和感がなかったし。
予告編で驚異の新人現る!みたいに煽っていたから、てっきり映画の中で脱いでいるもんだと思っていたら全く脱いでないじゃん。
見ているときは16や17ならまあねえ、と納得したけど24歳なら脱いでも全然問題ないでしょう。
背伸びした少女の大人との悲しい恋物語がリアルな体験になるか絵空事になるかは脱いでいるがどうかで決まるといっても過言ではない。
というのは言いすぎかもしれないけど。
キャリー・マリガンは可愛くない笑い方が可愛い。

お父さん役にアルフレッド・モリナ。
校長にエマ・トンプソン。

映画『ウディ・アレンの 夢と犯罪』

2007年 監督:ウディ・アレン
at ギンレイホール


ウディ・アレンの夢と犯罪 [DVD]

軽妙に展開するストーリーに飽きずに、かといって特にのめりこみもせずに最後まで見て1時間も経てば頭からすっかり見た記憶がなくなるという僕がウディ・アレンの映画を見るときのいつものパターン。

ユアン・マクレガーとコリン・ファレルが兄弟役。
下流階級から脱出することを夢見る頭の切れる兄イアン(ユアン・マクレガー)と、運動神経抜群でギャンブル好きの弟テリー(コリン・ファレル)。
二人はなけなしの金を出し合って小型ヨットを購入しようとする。
小型ヨットの所持が上流階級のステータスだから欲しかったのかねぇ。
ちょうど弟テリーがギャンブルで儲けたために無事購入できてラッキーという感じだが、小型ヨットっていうのは映画の中じゃ事件の発生現場でしかない。
『太陽がいっぱい』『水の中のナイフ』等々。
不幸決定。

弟テリーがポーカーで大負けしてヤミ金に多額の借金を負って、兄は兄で超美人の女優の卵アンジェラ(ヘイリー・アトウェル)と結婚するべく金が必要、ってことで最も頼れる大金持ちの叔父(トム・ウィルキンソン)に相談を持ちかける。
叔父は金を出すことを承諾するが、交換条件が出される。
その条件というのが、一族の成功者で英雄のような叔父がいかに悪どく儲けてきたかを示唆する内容で。。
なんか題材的に1960年代くらいの映画を見ているような気分。

雨の中木陰に避難して叔父の依頼内容を聞くシーンはなかなかよかったな。
コリン・ファレルはワイルドな風貌から段々幼く臆病な目に変化していくのが上手い。

2010年8月4日水曜日

8月INFO

BS2 8月6日(金) 午前1:10~2:54(5日深夜)
軽蔑 1963年・フランス
〔監督・脚本〕ジャン・リュック・ゴダール
BS2 8月24日(火) 午前0:15~2:36(23日深夜)
シテール島への船出 1984年・ギリシャ/西ドイツ/イギリス/イタリア
〔製作・監督・脚本〕テオ・アンゲロプロス
BS2 8月25日(水) 午前0:25~2:31(24日深夜)
霧の中の風景 1988年・ギリシャ/フランス
〔製作・監督・原案・脚本〕テオ・アンゲロプロス
BS2 8月26日(木) 午前0:15~2:29(25日深夜)
永遠と一日 1998年・ギリシャ/フランス/イタリア
〔製作・監督・脚本〕テオ・アンゲロプロス
BS2 8月27日(金) 午前0:15~3:05(26日深夜)
エレニの旅 2004年・ギリシャ/フランス/イタリア/ドイツ
〔監督・脚本〕テオ・アンゲロプロス

見ての通りアンゲロプロス祭りです。
あと昨日の深夜に『勝手にしやがれ』やっていたみたい。