2010年9月26日日曜日

映画『マイ・ブラザー』

2009年 監督:ジム・シェリダン
at ギンレイホール


予告編見たときに話が以前見た映画にそっくりで、ぱくり?と思ったけどリメイクらしい。
元はデンマーク映画『ある愛の風景』。

なにか非常に分かりやすくまとまった感じで、雰囲気はオリジナルの方がよかった気がする。

いかつい兄役にトビー・マグワイア。
今までひ弱なぼっちゃんのイメージだったから違和感あったのだけど、狂気の面は確かに目が怖い。
ただ、やっぱり暴れてもひ弱そうだからなんとかなりそうな気もする。
オリジナルの兄ちゃんは本当怖かったからなぁ。

弟役にはジェイク・ギレンホール。
こちらはなかなかオリジナルとイメージが近い。怯えたような目とか。

そしてなにより妻役がナタリー・ポートマン。
よく外国映画で登場人物が「あいついい女だろ」みたいなことを言うシーンがあるけど、9割方「えっ?まじで?」と思う。
こういうセリフを聞いて初めてああ、いい女という設定だったんだと納得するという。
しかしながらこのナタリー・ポートマン、「すっげーいい女だな」「うんうん、ものすっげーいい女だよ」と即答したくなるくらいいい女。
美人というには少し独特な顔立ちではあるけど本当に美しい。
フレームの中で主張し過ぎずないのにどこに収まってもしっくり絵になる。
本当世界の宝だよ、ナタリー・ポートマンは。

娘二人が可愛いようであまり可愛くない子役を使っているところは好感。
設定上一方は可愛くない必要があったのかもしれないけど、ちょうどいい感じの子役を見つけたもんだな。
可愛くてそれっぽく演技もするこまっしゃくれたガキじゃないだけで見てるほうは凄く助かる。

映画『新しい人生のはじめかた』

2008年 監督:ジョエル・ホプキンス
at ギンレイホール


新しい人生のはじめかた [DVD]

中高年の恋愛物、なんて全く見る気しないのに役者がダスティン・ホフマンとエマ・トンプソンなら見てもいいかなと思う。

展開はお約束満載なのに、なんか面白く見れる。
服屋で女性が試着によるプチファッションショーを彼氏の前で披露するのをバックミュージックに載せて楽しげに映し出すのなんてゲゲッと普通なるところだけど、そこはエマ・トンプソンとダスティン・ホフマンというおばさんとおじいさんのコンビだとまた違った味わい。

ダスティン・ホフマンの役は62歳という設定らしい。実際はなんと72歳だ。
一体こんな若々しい70代がいるだろうか。
50代でも通じそう。

いろんな理由でとにかく切ない状況、生活にある中高年二人がロンドンのヒースロー空港で出会う。
出会うというかホフマンがエマ・トンプソンをナンパする。
このナンパしているとき、なんかのセリフの後にホフマンが首だけエマ・トンプソンの方に向けてじっと無言で見つめるシーンがあって、その時のホフマンの目がつぶらな小動物のような可愛い目になっていて噴出しそうになった。
なんてお茶目な72歳。

2010年9月22日水曜日

引越(1)

今住んでいるマンションの契約更新が近づいてきた。
いつも契約更新が近づく度に引っ越そうと思うのだけど、仕事が忙しいからそんな煩わしい事してられない、と先送りにしてきた。
でも、今凄い暇なんだな。仕事が。
暇は言いすぎか。作業はちゃんとしているが残業をほとんどしていない、っていうのはいたって普通の事なんだけど、今までの終電帰りに比べると超暇という感じがする。
8年も住んでるし、給料も上がったことだしってことで引っ越そうと思う。

思えば今の家に引っ越す直前、一度夜中に新居の部屋を様子見に訪れたことがある。
真っ暗な部屋から窓の外の街灯を眺めていると、どこからか話し声のようなくぐもった音が聞こえてくる。
なんだろうと耳を澄ますと、どうも隣の部屋のテレビの音らしい。
なんだこの壁の薄さはと愕然すると同時に2年で速攻引っ越してやると決意したものだったが。

部屋は3階建ての2階の角部屋で隣は一軒家になっている。
この一軒家も曲者で、当初は夜中に赤ん坊の夜泣きが丸聞こえでひどかった。
今は子供も成長して小学生くらいになっているが、問題は続く。
休みの日の朝など、母親の怒鳴り声と子供の泣き声が聞こえてきてとても寝ていられないくらいうるさいときがある。
子供は姉と弟の二人いるっぽいのだが、弟が本当にすぐ泣く。
昼間は出かけているのか聞こえないが、朝と夕方で1日に10回以上泣く。
泣くのと同時に聞こえるのは母親の怒鳴り声。
「なにやってんだよー!お前はーー!!」
「だからこうしろって言っただろー!!」
「うるせーなー!!」
等々。
虐待でもしているのかと思ったがそういうわけでもないらしい。
泣いていないときは姉弟そろって両親に甘えるような声ではしゃいでいるときもあるし。
でも、たまにバチーンって音が聞こえると同時に泣き声のボリュームがレベルアップする時もあったな。
北斗晶みたいな感じの母親を想像していたのだが、一度ちらっと目撃したところ小柄でおかめみたいな顔した母親だった。
泣き声とか怒鳴り声とか、僕の部屋だけじゃなくて他の部屋や表の通りにも丸聞こえだと思うのだけど気にしないのかなぁ。
夫婦喧嘩は無い模様。
最近では姉が弟を泣かして、姉の言葉遣いが母親そっくりなのに戦慄した。


今の部屋の愚痴書いたついでに一通り書いておくかな。

隣の部屋の音が普通に聞こえる。

家の前の通りをでかいトラックなどが通ると地震のように揺れる。

部屋の真下が野菜置き場(1階に住む大家は八百屋)になっていて、夏場に風を通そうとドアを半開きにしていたらたくさんゴキブリが入ってきた。
ドアを開けないようにしたら1年に1回出るか出ないかくらいになる。

一度ねすみが出たことがある。

キッチンは電気コンロ1口で、非常に料理がしづらい。
なので2年くらいで全く自炊しなくなった。

間取りは6畳の1Kだが、9畳の部屋に住んでいる人の部屋に遊びに行ったとき凄く羨ましかった。家賃は僕の部屋より4千円くらい安いのに!


嫌なところだけ書いてもなんなのでいいところも書いておくか。

天井までの高さ1Mもないロフトがあって、上って座っても背筋が伸ばせないのだけど、これがいい物置き場になっていて、家電のダンボールや夏場は掛け布団やコタツ布団等をぶっこんでいられるから便利。

家賃は引き落としと手渡しを選択できて、なんとなく手渡しにしているのだが、毎月近所にある大家がやっている八百屋に家賃を持っていくと必ずバナナとかみかんとかなにかしらくれる。

そんくらいかな。

長くなってしまったので一旦ここで切ろう。

2010年9月11日土曜日

映画『ボーダー』

2008年 監督:ジョン・アヴネット
at ギンレイホール


ボーダー [DVD]

デ・ニーロとアル・パチーノがベテラン刑事役で共演。
冒頭から射撃場で二人が並んでばんばん発砲しているのでその姿にファンは歓喜するのだろう。

ターク(デ・ニーロ)とルースター(アル・パチーノ)はニューヨーク市警のベテラン刑事で名コンビとして数々の事件を解決してきた。
ニューヨークでは法律を盾に警察の追及を巧みに逃れてのうのうと暮らしている犯罪者が大勢いた。
そんな時、悪人ばかりを狙った連続殺人事件が発生する。
この犯人がタークらしい。
タークの自白ビデオや事件のモノローグが度々挿入される。
時は前後しながら、二人が連続殺人事件を追う姿が描かれる。
警察では犯人は警察関係の人間とにらみ、タークに嫌疑をかけていた。
タークのパートナーであるルースターはタークがそんなことするわけないと憤慨する、という人間ドラマ。
中盤過ぎたあたりでもしやと思うが前半は本当なんも疑いもしなかったな。
自白ビデオの最初に犯人の名前言っていたのかなぁ。

この二人、名コンビというかどこか時代に取り残された迷コンビに見えてしまうのは何故だろう。
二人の刑事がど派手に活躍するアクション映画ではなく、上記の通りシリアスな話なのでリアルさが必要なんだけど、そのリアルさの中でこの二人は浮いている。
昔の刑事映画の観すぎな痛い二人のような感じ。
セリフは忘れたけど娼婦に聞き込みに言ったときにルースターがちょっとウィットというか下品なセリフを吐いて立ち去るのだけど、言った本人はかっこいいつもりでも娼婦は「は?何言ってんだこのじじー」みたいな表情でルースターの後姿を眺めている。
破天荒で有能な名コンビ、を気取って偉そうにしているお荷物じいさん達、とまでは言いすぎかもしれないけど、結局あんな事件起こしちゃったら残った方はニューヨーク市警内の若手から総スカン食らったりしないだろうか。

「ゴッドファーザー」シリーズでは二人が同じシーンに収まることはなく、1995年の「ヒート」でも同一のフレームに収まることがほとんどなかったことから、待望の"共演"らしい。
といっても僕はこの二人に特に思いいれが無いのでそれほど感動が無い。
なんでだろうと思ったらアル・パチーノは『スケアクロウ』や『セルピコ』など若い頃の作品から今に至るまで結構見ているけど、デ・ニーロの若い頃の作品って一本も観ていないからだな。
それはつまり巷で名作と呼ばれている作品を全く見ていないことを意味する。。。

映画『シャーロック・ホームズ』

2009年 監督:ガイ・リッチー
at ギンレイホール


シャーロック・ホームズ Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)

冒頭、いきなりクライマックス。
まるでアクション映画の終了5分前に映画館に駆け込んでクライマックスを眺めているような出だしに唖然とする。
ホームズとワトソン君のコンビはこうやっていくつもの事件を解決してきたのだよ、という軽い導入なのだろう。
と思ったらちゃんとこの冒頭の解決事件はこの物語の「冒頭」であって、繋がっているのね。
あと武闘派ホームズというのをきっちり印象付けるための冒頭。

謎解きはあるにはあるけど、ミステリーというより武闘派ホームズ&ワトソンによるアクション映画になっている。
緩急がよいので長くてもなかなか楽しめる。
雰囲気のあるものからうさんくさいものまでCGもふんだんで盛り上げてくれる。
ああ、129分もあったんだな。

そういえばひとつ不覚にも泣きそうになったシーンがある。
工場での大爆発シーン。
圧倒的な火力の前で命の灯が一瞬で吹き飛びそうなくらい力なくゆらめくスローモーションは、ベタでありながらその無情な破壊力と無力な人間に泣きそうになる。

ホームズにロバート・ダウニー・Jr、ワトソンにジュード・ロウ、ヒロインにレイチェル・マクアダムス。
アラーキーがきみに読む物語で「魅惑のレイチェル・マクアダムス、抱きたい。」と言ったあのレイチェル・マクアダムスです。

ロバート・ダウニー・Jrはワトソンの婚約者メアリーにワインをぶっ掛けられた後、ナプキンをかけて平然と食事を始める時の表情が秀逸だったな。