2013年7月28日日曜日

映画『ムーンライズ・キングダム』

2012年 監督:ウェス・アンダーソン
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




70年代の映画のような雰囲気で始まり、あれっ、これどんな映画だったっけと前回のギンレイで見ているはずの予告編を思い出そうと努めていると、建物を縦に切ったようなセットやドリー、片側一列に並ぶ食卓とかではっと思い出した。
ああ、ウェス・アンダーソンか。

ストーリーの中核は少年と少女の恋物語だけど、『小さな恋のメロディ』とか『地下鉄のザジ』とかを合わせて攪拌して最終的にはウェス・アンダーソン色に染め上げた感じ。
なかなか面白かった。

スージー役の子(カーラ・ヘイワード)は12歳くらいなのに化粧が濃いけど、顔立ちが大人っぽいのであまり違和感が無い。
子供と大人の中間、というか12歳くらいなら子供だと思うけど、化粧の濃さによって大人方面にぐいっと引っ張られて、子供っぽさと大人っぽさが奇妙なアンバランスさで同居している。
それに加えて相手役の男の子サム(ジャレッド・ギルマン)は、見た目がまんま子供なので、二人が並ぶとまたアンバランス。
サムはいじめられっ子風の顔立ちなのに、ボーイスカウトで培ったサバイバル術と大人びた言動のギャップが凄い。
ギャップとアンバランスにまみれた魅力的な二人を中心に巻き起こる騒動が、ウェス・アンダーソンの「すかした」演出でシュールでコミカルに描かれていくから面白い。
(最後のほうに行くに従って飽和状態になってカオスになりつつもあったけど)

ウォード隊長役にエドワード・ノートン。個人的に超久しぶりに見たわ。
さえない男で不倫中の警部役にはブルース・ウィリス。不死身の男の見る影も無い。
スージーの厳格な父親役にビル・マーレイ。老けたなぁ。
絵に描いたような悪役福祉局員にティルダ・スウィントン。悪役でも上品です。
スージーの母役にフランシス・マクドーマンド。『ファーゴ』はもう15年以上前か。。

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