2013年12月15日日曜日

映画『ローマでアモーレ』

2012年 監督:ウディ・アレン
製作国:アメリカ/イタリア/スペイン
at ギンレイホール




今度はローマ。
群像劇になっていて、意外と面白かった。

中でも恋人の親友がやってくる話が面白い。
誰もが彼女の虜になるという小悪魔的魅力の彼女の親友モニカに心動かされるジャック。
そのジャックのそばに突然現れては進言を繰り返す高名な建築家ジョン。
ジョンは別に死んでいるわけでもないのに、幽霊のような位置づけで突然現れる。
映画ではあまりやらない心情のモノローグを、ジャックとジョンの会話(他の人には聞こえない)という形でしれっとやってしまうところ、賛否両論あろうがそのウディ・アレンの強引さ(洒脱さ?)が面白い。
進言する内容も「彼女はインテリぶっているだけだ!」「有名な小説のフレーズを一つだけ暗記して諳んじてるだけだ」とか、なかなか的確(というか、僕は危うくだまされていたけど)で、ジャックもそこは分かっていながらも彼女の魅力から逃げられないでいる。
このインテリぶる方法は結構使えるなと思った。
小説に限らず、音楽、絵画、映画等々なんでもいいが、人の名前やタイトルを知っているだけじゃ足りない。プラスしてワンフレーズや軽いエピソードなどを混ぜてやれば、実際読んだことも聞いたことも見たこともなくてもインテリっぽく見えそうだ。
もちろん突っ込んだ質問されたらうまく回避する必要があるけど。

以前、俳優女優は皆ウディ・アレンの映画に出たがる、なんて話を聞いたことあるけど、今でもそうなのかな。
生霊建築家ジョンにアレック・ボールドウィン。
ジャック役にはザッカーバーグことジェシー・アイゼンバーグ。
小悪魔モニカにはJUNOことエレン・ペイジ。
以前も出ているペネロペ・クルスは今度はコールガール役。
ロベルト・ベニーニは突然有名になるおっさん役。
ロベルト・ベニーニがウディ・アレンの映画に出るなんてちょっと前まで想像もしなかったけどな。

シャワー歌手のおっさんはかなり有名なテノール歌手らしい。ファビオ・アルミリアート。

映画『愛さえあれば』

2012年 監督:スサンネ・ビア
製作国:デンマーク
at ギンレイホール




おっさんとおばさんの恋愛物で何が楽しいのかと思いきや、なかなか面白かった。
なにかそれぞれ欠点のある個性的な家族を下地に王道の恋愛コメディが繰り広げられるという、ありきたりな設定なんだけどなぁ。
能天気に騒々しいだけじゃなくて、ちゃんとドラマがあるからかな。
フィリップの義妹のおばちゃんはさんざんな言われようで可愛そうだったけど。

自分を隠していたウィッグを脱ぎ捨て、「愛さえあれば」と素直にさらけだせば幸せになれる。
「愛さえあれば」と思えるかどうかが重要だけど。

出演者は皆デンマークで有名な俳優達らしい。
そこに一人ぼつんとピアース・ブロスナンが入っている。(一応外国人役)
アストリッド役のモリー・ブリキスト・エゲリンドちゃんが北欧美人という感じで綺麗だった。

時折はさまれるバルコニーの固定ショットがなかなかよかった。

2013年12月1日日曜日

映画『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』

2012年 監督:デレク・シアンフランス
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




クールな二枚目俳優からいつのまにかバイオレンスを演じさせたら今や右に出るものはいなくなったライアン・ゴズリング主演。
あとブラッドリー・クーパーが清潔な風貌で正義感あふれる警官役で出ている。

移動遊園地で曲芸バイク乗りのスターとして各地を転々とするルーク(ライアン・ゴズリング)は、かつての恋人との間に息子が生まれていることを知る。
孤独なライダーの父性は一気に爆発して転職。
その技術を生かしてスタントマンにでもなればもっと稼げそうだけど、たぶん父親となった今危険な職業はやりたくないしこの地を離れたくなかったんだろうね。
ということで自動車整備工場で働きだす。
で、気づいたら犯罪に手を染めて、あわわという展開になって次の世代へと話は続いていく。

一つの事件をきっかけに始まる二つの家族の苦悩と葛藤が、重いはずなのに家族愛に包まれて染み入ってくる。
人間ドラマに加えて犯罪要素のスリリングさ、そしてファザコンAJ君(エモリー・コーエン)の異様なまでのクソガキ度が加わって141分も長く感じないほど面白かった。

オープニングからかっこいい。
シャコンシャコンとバタフライナイフを危険にいじくるむきむきの男のカットからそのまま長回しでバイクの曲芸まで。

映画『イノセント・ガーデン』

2013年 監督:パク・チャヌク
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




18歳の誕生日に父が突然事故死して、葬式には今迄存在すら知らなかった叔父が現れる。
そのまま一緒に暮らし始める叔父だったが、イケメンで紳士的な叔父には何か常に違和感があって。
っていうサスペンス。

最近読んだ小説で、「悪」とは脳の異常による病気、事故で脳が損傷したのかもしれないし、腫瘍かもしれないし、遺伝かもしれない、っていう話を思い出した。

最後まで見るとストーリー自体はなんだそんなことかという感じがしないでもない。
演出は音の使い方がちょっと変な方向に走っちゃっていて、安易というかなんというか惜しいところ。基本的に音がクローズアップされるのは好きなんだけど。

ミア・ワシコウスカとニコール・キッドマンはすごくいい。


あんまり関係ない話だけど、女性って20代過ぎたあたりからひじがしわしわになってたるむよね。
さらに年を重ねると、しわしわの部分が茶色くなってくる。
誘惑的なテニスウェア姿のニコール・キッドマンのひじが見事なたるみと色だった。(色が白いから余計目立つ)