2015年9月21日月曜日

映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

2014年 監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




冒頭からえらく長い長まわしだなと思っていたら、最後まで1カットだった。
正確には1カット風。
昼夜の超速転換シーンでカットは入っているだろうし、その他でもカメラがすばやくパンする一瞬とかにカットが入っていたりするんじゃないかな。予想でしかないけど。
長まわし好きにはたまらないかというとそうではなくて、ここまで長いともう長まわしの魅力が薄れるし集中力も続かない。
やっぱり10分前後くらいで映画のダイナミズムが濃縮されているような長まわしじゃないと喜べない。
とはいえ、撮影は大変だったろうし凄いことやっているなとは思うけど。

かつてヒーロー映画「バードマン」で一世を風靡した俳優リーガン(マイケル・キートン)は今は落ちぶれている。
再起をかけて、レイモンド・カーヴァー原作の舞台を自ら脚色、演出、主演で製作する。
その舞台の初日公演までのすったもんだの物語。

予告編にあるI can fly!的なジャンプが気になってたんだよね。
自殺にしてもあんなに手足を後ろにまわすなんて気が触れているとしか思えない。
CG使っているようだから本当に飛んだりするのかな、などと予測していて、本編見た結果は、まあ、そうか、という感じ。

音楽のドラムがかっこいい。要所要所で挿入されてカットの代わりを務めたり盛り上げたりだるさを引き締めたり。

主演はバットマン マイケル・キートン。
娘役にエマ・ストーン。化粧のせいか目が怖かった。
マイク役にエドワード・ノートン。
レズリー役にナオミ・ワッツ。

映画『マジック・イン・ムーンライト』

2014年 監督:ウディ・アレン
製作国:アメリカ/イギリス
at ギンレイホール




ウディ・アレン映画の唯一の安心感は、だいたい100分未満くらいで収めてくれるところだよなぁと見始めた瞬間にふと思った。
舞台は1920年代の。中国人の扮装をしたイギリス人マジシャンがアメリカ人霊媒師のペテンを見破るべく南フランスに乗り込む話。
最近のウディ・アレン映画の中ではなかなか面白かった。
というかエマ・ストーンがどの角度からも綺麗で見飽きなかったからかな。
主演コリン・ファースとエマ・ストーン。
安定の年の差ラブコメディ。

2015年9月10日木曜日

映画『フォックスキャッチャー』

2010年 監督:ベネット・ミラー
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




実話に基づくとはいえ、この予告編結構ネタばれしているよなぁ。
ネタばれしても面白さはそれほど半減しないとはいえ。

舞台は1980年代のアメリカ。
レスリングで兄弟そろって金メダリストのシュルツ兄弟。
弟は選手としても指導者としても突出した兄を尊敬しつつもコンプレックスを感じている。
それに金メダリストといってもレスリングはマイナー競技?なので生活は苦しい。
そんなとき、弟のマーク・シュルツ(チャニング・テイタム)に大財閥デュポン家の御曹司ジョン・デュポン(スティーヴ・カレル)から彼が結成したレスリングチームへの勧誘がある。
弟は乗り気だが兄のデイヴ・シュルツ(マーク・ラファロ)は家族がいるのでデュポン家の邸宅に移り住むことに難色を示し、結局弟だけがデュポン家に行く。
→ジョン・デュポンはあからさまにがっかり
偉大な兄の指導でこれまでやってきたマークはひとり立ちし、指導者としてはくそだが大金持ちのデュポンに次第に心酔していく。

なんか怖いわぁ。全編不気味な雰囲気が漂っていて、狂気がそこかしこに潜んではぐくまれている感じ。
デュポン役のスティーヴ・カレルは初めて見たけど、コメディ俳優らしい。
なにこのギャップは。
背低いくせにいつも顎が上がって人を見下しているようで、しかも無表情なのが怖い。
怖いんだけどレスリング嫌いの母親が見学に来たときに急に張り切って指導を始めるところなんかお茶目であったりして、なんか憎めないマザコン。
マーク役にチャニング・テイタム。
脳筋ぶりが上手い。素?
兄のデイヴ役にマーク・ラファロ。
髪切ると結構はげてるのね。
デュポンの母親役にヴァネッサ・レッドグレーヴ。

映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』

2014年 監督:モルテン・ティルドゥム
製作国:イギリス/アメリカ
at ギンレイホール




戦時中、ドイツのエニグマの解読を試みた数学者アラン・チューリングの物語。
エニグマがよくわからなかったんだけど、複合キーみたいなものが毎日変わるっぽくて、とにかく難しそうだということはなんとなくわかった。
毎日変わるってことは、一日の最後かなんかに翌日の複合キーを送信しているんだろうか。
気になってWikiを見てみたけど、

暗号化・復号の鍵は、いくつかあるローターのうちどの3枚を使うかの組み合わせと、ローターをセットする順序、ローターの目盛りの初期位置、およびプラグボード配線である。

同じ文字でも打ち込むごとにローターが回転して違う文字に変換されるらしいし、複合キーがあればみたいな単純な話ではないっぽい。
解読するときにプラグボードくらいしかいじっていなかった気がするけど、ローターとかもセットしていたのかなぁ。
で、この情報をどうやって毎日送っているのかはよくわからなかった。

主演はベネディクト・カンバーバッチ。
アスペルガーっぽい言動と天才的頭脳がベネディクト・カンバーバッチの顔立ちによくあっている。なんていってしまうと怒られそうだけど。
チューリングのよき理解者ジョーン役には、今一番男前で美人の女優キーラ・ナイトレイ。

チーム内の打ち解ける過程とか、兄を助けられなかったメンバーのその後とか、いろいろ駆け足な印象もあったけど、115分、なかなか面白かった。

ああ、チューリングテストのチューリングってこのチューリングだったんだ。