2017年9月18日月曜日

映画『マイ ビューティフル ガーデン』

2016年 監督:サイモン・アバウド
製作国:イギリス
at ギンレイホール




紙から鳥だったかがCGで飛び出したときはアメリ系のCGファンタジーかと思ってテンション下がってきたけど、そっち系ではなかったからひとまず安心。
主人公の生い立ちとかファンタジーといえなファンタジーだけど。

図書館に勤務しながら絵本作家を目指しているベラ(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)は、その極端な几帳面さでいわば変人。
でも超絶美人。
几帳面ゆえか無秩序に成長していく植物が大嫌い。
そのため借りているアパートの庭は荒れ放題だったのだが、家主から庭の手入れも契約に含まれているんだから一ヶ月以内にもとに戻さなければ出て行けと言われる。
いやいや手入れを始めるベラだが何をどうすればいいのかもよくわからない。
そんなとき成り行きで手を差し伸べたのは犬猿の仲の隣人アルフィー(トム・ウィルキンソン)だった。

植物嫌いをどう克服したのか(本に感銘を受けた?)よくわからなかったけど、庭が少しづつ変わっていくに従って孤独だったベラの周りも賑やかになっていく。
まあ、普通に楽しめると思う。

映画『未来よ こんにちは』

2016年 監督:ミア・ハンセン=ラヴ
製作国:フランス/ドイツ
at ギンレイホール




パリの高校で哲学を教えるナタリー(イザベル・ユペール)は、年老いた母のわがままに振り回されながらも慌ただしく充実な日々を過ごしている。
そんなある日、長年連れ添った夫から「他に好きな人ができた」と告白され離婚へ。
そこから長年変わらなかったものがどんどん変わっていき、慌ただしさの中や、休暇中でもナタリーは一人孤独を噛みしめるようになる。

変わらないと思っていたものが変わっていく、それでも前を向いて生きていく、っていう定年近い女性の悲喜こもごもがありのままに切り取られていてなかなか面白かった。
脚本はイザベル・ユペールのあて書きらしいが、等身大の女性を演技中心に表現していくのは確かにイザベル・ユペールありきだな。
イザベル・ユペールってもう60をとうに超えているけど50代後半という設定でも違和感ない。

2017年9月3日日曜日

映画『タレンタイム~優しい歌』

2009年 監督:ヤスミン・アフマド
製作国:マレーシア
at ギンレイホール




冒頭の教師二人とかムルー家食卓のコメディチックなやりとりを見た時に、あ、これはついていけないかもと思ったけど、段々面白くなってくる。

マレーシアのとある高校で第7回目を迎える芸能コンクール「タレンタイム」が開かれようとしていた。
そのタレンタイムの予選を勝ち抜いた生徒達の物語。

もうね、嫌な奴が一人もいないのね。
中華系のカーホウ君は感じ悪かったけど最後はあんなきれいな音を響かせて「良い奴じゃないか!」と叫びたくなる。
なかでもカーホウ君が目の敵にしていた成績TOPのハフィズ君の良い奴かつ超人ぶりが凄まじい。こんな奴現実にいないだろうと思いつつもその気高さに泣けてくる。

多民族国家マレーシア。マレー語・中国語・タミル語・英語等が飛び交っているらしい。
出演者もインド系とか中華系とか様々だ。
そんな彼らが民族関係なく通じ合っていく様は優しい時間。

ドビュッシーの「月の光」がよく流れるんだけど、「月の光」を聞くとなんか不穏な気持ちになる。
恐らく何かの映画で使われていたからだと思うけど思い出せない。

映画『台北ストーリー』

1985年 監督:エドワード・ヤン
製作国:台湾
at ギンレイホール




エドワード・ヤンの1985の映画。4Kによるデジタル修復版。
マンションの内見に訪れる二人の男女から始まる。
女は不動産業で働くキャリアウーマンのアジン(ツァイ・チン)。
男は何か覇気がなさげでヒモかとも思ったが、ちゃんと仕事しているアリョン(ホウ・シャオシェン)。
この二人をとりまく時代の物語。
時代といってもなんか革命やら戦争があったとかそういうわけじゃないんだけど、80年台の台湾っていう高度成長期の時代が色鮮やかに、そして時に悲しくスクリーンに彩られて、まさに『台北ストーリー』といった感じ。
時代はめまぐるしく進化していくがその時そこに生きる人々の過去と未来は。。

アジンのくそでかいサングラスとか、なんかちんちくりんなパンツスーツ姿とか当時はかっこよかったんだろうな。最初思わず笑いそうになったけど。

119分もあるけどこの空気感に浸れば結構あっというまで面白かった。

ホウ・シャオシェンは主演だけでなく制作脚本にも関わっていて、公式ページによると「エドワード・ヤンのために自宅を抵当に入れてまで製作費を捻出し、完成へとこぎつけた」らしい。