2017年 監督:チャン・フン
製作国:韓国
at ギンレイホール
1980年韓国の光州事件を扱った話。
男やもめで一人娘を育てるキム・マンソプ(ソン・ガンホ)はソウル市内で個人タクシーの運転手をしている。
生活は厳しく、家賃も滞納している。
そんな中、ある外国人客を光州につれていくだけで大金がもらえるという話に飛びつく。というか掠め取る。
外国人客ユルゲン・ヒンツペーター(トーマス・クレッチマン)を乗せてうきうきで光州に赴くが、光州は軍により閉鎖されていた。
光州に入れないことには大金が受け取れない。。。
ユルゲン・ヒンツペーターは実在の人物で、彼は東京在住のドイツ人記者だった。
韓国では報道が規制されて、実際に光州で起こっている出来事とはかけ離れた報道がされていたが、ヒンツペーターによって光州での実情が世界に報道されるようになる。
彼を光州まで送ったタクシー運転手も実在の人物だけど、ヒンツペーターは事件後のキム氏との再開を熱望していたがキム氏の行方が知れず、結局その夢は叶わないまま2016年に他界する。
本作ではそのキム氏が主人公となっている。
キム氏の所在不明ということから分かるように、この映画の主人公は大分創作されたキャラクターになっている。
逆にそれが幸いしてか、光州事件を扱ったシリアスでありながらも前半のコメディや、人情、悲劇、信念、はてはカーチェイスまで、娯楽要素もふんだんに盛り込まれている。
特にキム氏の人物造形が面白く、金にいじきたなくお調子者で政治には全くの無関心という表層の裏には、娘を何より大事に思い生活することで精一杯な頑張る父親の姿があり、かつ光州の実情を目の当たりにしてからの心情の変化等々、創作ならではの面白さがある。
金にいじきたない結果が後のエンジントラブルにつながったりとかもするしね。
この映画をきっかけにキム氏の息子が名乗り出たらしい。
実際のキム氏は1984年には亡くなられていたという。
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/30571.html
映画の中のキム・サボクは創作の人物キム・マンソプでありキム・サボクではないんだなという当たり前のことを思うくらい実際のキム・サボクは映画とはいろいろ違った模様。
こちらはこちらでドラマがあるなぁと思う。
あと、光州事件ってよくは知らないし今もよくわかってないけど、悲劇、じゃなくて人為的な虐殺だよね。
1980年とはいえ韓国こえーと思った。
2018年9月16日日曜日
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