2017年 監督:ショーン・ベイカー
製作国:アメリカ
at ギンレイホール
あたしジャンシー。そういえば子供の頃一緒に遊んでいたムーニーって子がいたわ。
ムーニーのお母さんも優しい人だった記憶があるけど、今思うと私の家以上に困窮していて、そしてお母さんはとんでもないビッチだったと思うの。
でも本当のビッチに成り下がったのは生きるのに必死だったからだと思うの。
予告編を見た印象だと、あまり裕福そうではないけど生活はできるレベルの家庭の子どもたちがクソガキぶりを発揮してそれを面白おかしく描いているだけの映画かと思った。
冒頭のムーニーとスクーティが地べたに座って、ムーニーが投げ出した足先の靴をパタンパタンと打ち付ける音が心地よく、思っていたのと違うかもと思う。
その後の唾飛ばしゲームのクソガキとかいうレベルを通り越した行動と態度に唖然とするともうこの映画にはまっているかもしれない。
フロリダのディズニーワールドのすぐ側にある安モーテル群の一角が舞台になっている。
アパートに住む余裕のない人達は安モーテルに住むらしい。
この安モーテルで生活するシングルマザーのヘイリー(ブリア・ヴィネイト)と娘ムーニー(ブルックリン・キンバリー・プリンス)を中心に物語が進む。
ヘイリーは理不尽な要求を突っぱねてから、詐欺まがい(窃盗含む)の押し売りで少しの金を得る生活。
モーテル代を滞納しても支配人のボビー(ウィレム・デフォー)に汚い悪態を付くような母親を見ているのでムーニーの言葉遣いも最悪。でもかわいい。
基本毎日だらだらしているヘイリーを見ながらムーニーは自由に遊びまくる。
支配人のボビーは、悩みの種でもあるヘイリーに対して支配人としてお責務を行使しながらもどこかこの親子を心配して気にかけている。
モーテルの住人の安全を守るのはもちろん、彼らの生活や将来も心配しているといういいおっさん。
演じるウィレム・デフォーのこわもての渋さがまたいいんだな。
かつて藤原新也がディズニーワールドを「幼児回帰症候群患者」の「一種の野天の巨大な精神病院」と称したのを思い出す。(藤原新也『アメリカ』より)
この映画に出てくるディズニーワールドに行く人達はどこか虚しく滑稽だ。
ぶくぶく太ったとりあえず平均水準以上の生活を送っているであろう人たちが家族サービスやら休暇でディズニーワールドに向かう姿(しかもカモにされる)を、生活に困窮している人たちと対比して見てしまうからだろうか。
まあ、結局最後はヘイリー達もってことなんだけど、ヘイリー達のそれは切実で重い。
たぶんヘイリーの自分勝手さや品の無さぶりに共感する観客はいないだろうが、ヘイリー見ているとアメリカ人って大なり小なりみんなこんな感じじゃね?って思ってくる。
プライド高くて自己主張が激しくてわがままで切れやすい。
なかなか面白かった。
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