2019年7月21日日曜日

映画『マイ・ブックショップ』

2018年 監督:イザベル・コイシェ
製作国:スペイン/イギリス/ドイツ
at ギンレイホール




1950年代のイギリスの海辺の小さな町で、未亡人のフローレンス(エミリー・モーティマー)は本屋を開店しようとする。
しかし契約したオールドハウスは町の有力者ガマート夫人(パトリシア・クラークソン)が高尚なる芸術センターを開こうと目を付けていた家だった。
ガマート夫人の嫌味にも負けずにオープンにこぎつけるが、ガマート夫人の謀略は裏で着々と進んでおり。。。って話。

文学作品が原作だし、予告編見てガマート夫人の嫌がらせに立ち向かう主人公の痛快エンターテインメントを期待したら全くはずれだけど、まあまあ飽きずに見れた。
保守的な町で、数少ない味方は引きこもりの本好きのじいさんエドモンド(ビル・ナイ)と、嫌に聡明な小学生の女の子くらいなので圧倒的に弱い。
でもこの二人との関係にはほっこりする。
本への熱い情熱に加えて、優しさ慈しみ、悪意憎しみ、無知厚顔等々、人間関係の様々な感情がうずまいている。

個人的にはエミリー・モーティマー以外で見たかったな。
こういう意思の強い女性ってエミリー・モーティマーに合ってはいるけど、それ以上にエミリー・モーティマーの顔ってなんか狡猾さとか打算的な雰囲気を感じてしまう。

以下少しネタばれ
何も気にしていなかったからモノローグの話者が誰だったのかが最後に明かされてはっとする。
この時代の人たちを見ていたはずなのに時間の概念が突如現れて、しかも思いは引き継がれていく、っていうね。
これは絶対小説で読んだほうが面白いよなという気はする。
ちなみに作中にも出てくる『華氏451度』をトリュフォーが映画化した際の主演女優ジュリー・クリスティがモノローグの声を担当していたらしい。

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