2020年3月21日土曜日

映画『パリの恋人たち』

2018年 監督:ルイ・ガレル
製作国:フランス
at ギンレイホール




75分という短さ!潔い。
でも75分でもなんか長い。

主人公アベル(ルイ・ガレル)は同棲中のマリアンヌ(レティシア・カスタ)からひどい裏切りを受けて別れる。
ブチ切れてもいいのにアベルはなんか「へーそうなんだー、じゃあしょうがないね」みたいな淡白な反応。
数年後再会した二人はなんかいい感じになってそこにマリアンヌの夫(アベルの親友でもある)の妹で昔からアベルが好きだったエヴ(リリー=ローズ・デップ)が絡んでくる。

冒頭のアベルの反応が全てを表しているように、アベルって奴は主体がないというか、なんでも普通に受け入れ、怒らず、人の言うままに流され、っていう人物像で、欧米では珍しいタイプなんだろうな。
日本人から見ると別に普通なので、ちょっといらつきながら見るっていう程度だけど。

エヴが怖い。
このくりくりしたくっきり二重の大きな目とか白い肌とか細身の体がサイコパスを際立たせる。
えっ、ジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの娘なのか。

監督主演のルイ・ガレルはフィリップ・ガレルの息子。
右頬のほくろがずっと気になってしまった。

映画『真実 特別編集版』

2019年 監督:是枝裕和
製作国:日本 / フランス
at ギンレイホール




木々が風にそよぐ冒頭のシーンから是枝監督って感じで安心する。
日仏合作で舞台はフランス。
主演はカトリーヌ・ドヌーヴ。
共演でジュリエット・ビノシュとイーサン・ホークが夫婦役!
あとリュディヴィーヌ・サニエも出ているたようで、必死に思いだしたら撮影シーンにいた中堅女優だな。老けた。

で、面白かったかというと少し微妙で結構うとうとしてしまった。
あるあるみたいな会話劇も字幕を目で追っているせいかあまり乗れず。
というか結構な映画知識が要求されていて知っていないと楽しめない部分も多々あるように感じる。
カトリーヌ・ドヌーヴが演じるファビエンヌが、実力のある女優は皆イニシャルの姓名が同じなのよ、ってことでグレタ・ガルボ、シモーヌ・シニョレとかあとアヌーク・エーメもそうねとか話しているときに誰かがブリジット・バルドーって言うとファビエンヌが鼻で笑う。
ブリジット・バルドーの演技的評価が一般的にどうなっているのか知らないしそれほど作品も見ていないから分からないが、なんとなくそのグラマラスな容姿だけで人気があったって位置づけなのかな、って想像する。
本当はよく分かっていないのにこの想像で知ったふうにして笑うという気持ち悪さ。
他にも気づかないだけで実はいろんな要素が散りばめられているのかもしれない。
サラに相当するような存在がカトリーヌ・ドヌーヴに実際にいたのかなぁとか。

2020年3月8日日曜日

映画『ガーンジー島の読書会の秘密』

2018年 監督:マイク・ニューウェル
製作国:フランス / イギリス
at ギンレイホール




124分あって、予告編見る感じだと90分くらいで十分そうな話だよなと思って憂鬱だったが、少しも飽きず、なかなか面白かった。

第二次大戦終結後のロンドンで、女性作家のジュリエット(リリー・ジェームズ)はガーンジー島の読書会のメンバー、ドーシー・アダムズ(ミキール・ハースマン)からの手紙を受け取る。
大戦中はドイツ占領下にあったガーンジー島で行われていた読書会やそのメンバーたちに惹かれたジュリエットは彼らに会いに行く。
メンバー達に会ったジュリエットだが、創始者のエリザベス(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)だけなぜか会えない。
エリザベスがいない理由、いない理由を語れない理由とは何か。
その謎が少しずつ顕になるのと、読書会メンバー達の絆が見えてくるのと彼らとジュリエットの交流が深まっていくのが同時に進行していく。

謎といっても聞けば気軽に途中まで喋ってくれる。いい人たちだ。
なにか壮大な秘密があるとかではなくて、いきなり外からやってきた見知らぬ奴に話すにはなかなか突っ込んだ話だからってことみたい。

婚約者のシドニー・スターク(マシュー・グード)は悪いやつじゃないのにな。
ただし顔はなんか嫌な奴なのでこれでよかったのだろう。

それにしても主演のリリー・ジェームズが美しすぎる。
こんな作家いるかよと思いつつも、どの角度から見ても美しくチャーミングなりリーを見ているだけでも124分が足りないくらいだ。

外出禁止の夜中にドイツ軍に見つかった時は、あ、即撃ち殺される、って思ってしまった。(ホテル・ムンバイ脳から抜け出せていない)
即撃ち殺さないなんてドイツ軍優しいな。


今回のギンレイ二作は危険を顧みずに人を助ける繋がりか。

映画『ホテル・ムンバイ』

2018年 監督:アンソニー・マラス
製作国:オーストラリア / アメリカ / インド
at ギンレイホール




インドムンバイの5つ星ホテルが舞台。
2008年に起きた実際起きたムンバイ同時多発テロ事件が元になっている。

めっちゃスリリング!
実話が基じゃなかったら最高のエンターテインメント作品だな。
ゾンビ映画とかトレマーズとかを思い出した。
命がけの鬼ごっこしているような。

人が視界に入ったら即撃ち殺すって、こんな悪役めったにいないでしょ。
そんな犯人達だけど、結構犯人側も詳細に描かれていたりもするところが面白い。
宗教、怖いな。

従業員がお客様は神様ですって言ったのも怖い。
これも一種の宗教だよね。
三波春夫はそういう意味で言ったんじゃないのに。
大体、ホテルの構造とかを知る人間として1人プラスサポートで2,3人残っていればいいんじゃないか。
無理に残ってもただ撃ち殺されるだけのために残ったみたいだ。

一点よくわからなかったのは、特殊部隊がやってくるの遅すぎじゃね。
1300km離れたニューデリーにいる、ってことだけど、東京から鹿児島より少し遠いくらいか。
アメリカから来たの?ってくらい遅い。

内部の情報を何故かリークするバカ客とか、犯人が聞いているかもしれないのにそれを報道してしまうメディアとか、これは実際の話なのかな?

サリー役のティルダ・コバン=ハーヴィーがセクシー。
こういう話なのにセクシー要素も加味するなんてやっぱりエンターテインメントだ。
ちょっと調べていたら、主演のデヴ・パテルと付き合っているらしい。まじか。