2020年11月21日土曜日

映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

2019年 監督:ウディ・アレン
製作国:アメリカ
at ギンレイホール



エル・ファニングかわいい!っていう映画。
ウディ・アレンの最近の映画の中ではなかなか面白かった。
恋愛コメディー。

エル・ファニングのちょっとおバカな感じが最高にキュート。
にこにこして表情豊かで全身で感情表現してさ。いっぱしの記者ぶった真面目な顔もいい。

主演ティモシー・シャラメとエル・ファニング。
セレーナ・ゴメスやジュード・ロウも出ている。

以下ネタばれ

シェイクスピアのくだりはよく知らないけど全然シェイクスピアじゃなかったんだろうね。
そっち選ぶかぁ。
簡単に浮気しそうだしおバカだけどめっちゃいい子じゃん。
おっさんたちはアシュレーの魅力にメロメロで、ギャツビーもその一人だったけど、若くIQの高いギャツビーには物足りなかったか。

映画『はちどり』

2018年 監督:キム・ボラ
製作国:韓国 / アメリカ
at ギンレイホール



予告編からして絶対面白いとわかるとおり、本編も期待通りだった。
今予告編見直すとどのシーンも泣きそうだ。

冒頭の団地の廊下から見える空が広すぎるのにびっくりする。
手すりの高さが低いのだ。ちょっとよろけたら手すり乗り越えて転落しそう。
この不安定で開放的でちゃっちく小汚い廊下から主人公の顔を映さないまま始まるシーン。
なにか事件でも起きているかのような、家庭背景が薄く見えるような、コントのような、この見事な冒頭でもう引き込まれてしまった。

舞台は1994年のソウル。
14歳のウニ(パク・ジフ)は学校に馴染んでいない。
かといって孤独なわけではなく、頭悪そうだが人のよさそうな彼氏がいるし、漢文塾では他校の生徒で親友とも呼べる間柄の友だちもいる。
姉は親の目を盗んで学校をサボりがちで夜遊びばかりしている。
兄はソウル大を目指して猛勉強中。あまり成績はよくなさそう。
両親は兄にめっちゃ期待していて娘たちには結構無関心。
そんで思いっきり家父長制な家族。1994年だよな。この家族だけじゃなくて一般的っぽい。
っていう背景にいる少女の数ヶ月?間の日常が描かれる。

恋、死、友情、家族、病気、暴力、憧れ、同性愛、etc...
どれも日常で起こりうることだけど濃すぎる。。
なにより14歳界隈の残酷さがなんともいえない。
野暮ったい後輩の子の憎たらしさよ。

1シーン1シーンをこれでもかというくらいゆったりと長い時間をかけている。
最近の映画じゃ考えられないくらい。
ウニが食事をする様子をこれでもかというくらいずっと見つめる母親とか。
このシーンいるのっていうのとか、何このシーン怖いんだけど(外で母親に呼びかけるが母親が一向に気付かないシーンとか)っていうのとか、本当面白い。

監督はこれが長編デビュー作らしい。
こなれていくとつまらなくなっていきそうな気もするから少し心配だが次回作が楽しみ。
というか公式ページみたらなにこの人、凄い美人。

以下、ネタばれ

最後のウニの表情がなんともいえないくらいいいのだが、後ろの子たちが気になる。
そういえばクラスメイトはそれまでほとんど映されていなかった。
後ろの子たちは二人ともふくよか体型のメガネで、中学生って普通こうだよな、っていうのを最後に唐突に認識した。
後ろの子たちに比べてウニの異常なまでの成熟ぶりを強烈に感じる。
ウニのような体験をする子は多くないし、クラスメイトたちも今を全力で生きているはずだが、ウニほど傷ついていないという点でウニだけが別種族になっている。
そしてなによりもウニが可愛すぎるのだ。こんな美少女普通いないだろ。
そういう意味でも後ろの子たちとの対比が強烈だった。

2020年11月7日土曜日

映画『カセットテープ・ダイアリーズ』

2019年 監督:グリンダ・チャーダ
製作国:イギリス
at ギンレイホール



1987年のイギリスの田舎町ルートン。
ジャベド(ヴィヴェイク・カルラ)は高校生になるが、子供の頃からの親友マット(ディーン=チャールズ・チャップマン)は彼女ができていい感じなのに自分は厳格な父親のもと夜遊びもできずになんだか冴えない毎日を過ごしていた。
趣味といえば鬱憤をはらすかのように詩を書くことだけ。
そんなジャベドがブルース・スプリングスティーンに出会う!

なんか最高にハッピーで楽しい映画で面白かった。

1987年でもうブルース・スプリングスティーンは古い扱いになっちゃうんだね。
80年代ならデュランデュランとかワム!だのカルチャークラブだのそういうおしゃれ系が流行りだしていた頃ならたしかに古いかも。
そんな若者にはウケないブルース・スプリングスティーンにはまった青年の人生が明るくなっていく様は見ていて楽しい。
シャツの袖切るのも笑える。
そして彼女(ネル・ウィリアムズ)がいい感じにへちゃむくれかわいい。リボンとかキュート。

明るくなるといってもパキスタン移民で立場も弱い家族にふりかかる問題は深刻。
だけどブルース・スプリングスティーン!
道を切り開いていくぜ。

中盤あたりの『Born to Run』の青春MVみたいなやつが最高の山場だった。
ここ見るだけでも価値がある。
『Born to Run』の後半の音階が下がっていくところ、って天才だよなぁ。

実在の人物の回顧録が原作で、最後の写真はほっこりする。

長らく聞いていなかったけど家帰ってMD漁ってやっと見つけた。しばらく聞く。

映画『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』

2018年 監督:グザヴィエ・ドラン
製作国:カナダ / イギリス
at ギンレイホール



人気俳優のジョン・F・ドノヴァン(キット・ハリントン)が若くして死亡したというニュースが流れる。
彼には100通以上もの手紙をやりとりした文通相手がいた。
それが11歳の少年だったルパート・ターナー(ジェイコブ・トレンブイ)。
大スターだが母と確執があってゲイを隠していてとかいろいろ悩みをかかえながらも優しく美しい微笑みでいいヤツで少しも奢りのない青年と、母子家庭でいじめられっ子でこちらも母と少し微妙な距離ができている少年の二人の物語。

少年の母親役がナタリー・ポートマンなのね。
最近見たスカーレット・ヨハンソンもそうだけど、母親役が普通にしっくりきている年齢になったんだな。

ドノヴァンの母親の方はスーザン・サランドン。若い。

いじめっ子のバスの後部座席から煽りまくる憎たらしさとか、優しいドノヴァンがぎこちなくブチ切れるところとか、ナタリー・ポートマンの笑顔とか、ちょい役でただならぬ雰囲気を醸し出すマイケル・ガンボンとか、印象的なシーンは結構あったけど内容の詳細は忘れた。
まあ、面白かったと思う。

あとインタビュアーの、主義に合わない仕事は受けないみたいな、欧米では当たり前にこういう人いるんだろうな。
ちやほやされてる馬鹿なスターのインタビューなんてちゃんちゃらおかしいぜって感じで本も読まずに適当に仕事しようとするのがプロか。
あの説得で納得しちゃうほど軽い主義。