2021年1月30日土曜日

映画『mid90s ミッドナインティーズ』

2018年 監督:ジョナ・ヒル
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




90年代なかば。
ロザンゼルスに住む13歳のスティーヴィー(サニー・スリッチ)は若い母(キャサリン・ウォーターストン)と兄イアン(ルーカス・ヘッジズ)の3人暮らし。
スティーヴィーはしょっちゅう兄から暴力を受けている。
っていうだけでも普通の家庭ではないけど、そんなのはまだましな普通の家庭っぽい。
スケートボードショップにたむろする不良達の自由さ強さに憧れを抱いたスティーヴィーは彼らに近づき、そしてスケートボードに熱中していく。

かなり面白かった。
ジョナ・ヒルの初監督作品で、ジョナ・ヒルの自伝的要素もあるらしい。

人種も貧富もてんでばらばらな不良達が面白い。
悩みあがき不安不満のはけ口を探している彼らの仲間意識は強い。
リーダー格のレイ(ナケル・スミス)がかっこいいのよ。
彼らは皆プロのスケートボーダーらしい。
主演のサニー・スリッチも。
サニー・スリッチ君の顔がくしゃってなる心からの笑顔はすごいよな。俳優として今後も活躍していきそう。
フォースグレード(ライダー・マクラフリン)が頭悪いキャラなのに動画編集能力が異様に高いってところに感動する。

両方のポケットからおもむろに飲み物を取り出すルーカス・ヘッジズの仕草がかっこいい。
ルーカス・ヘッジズは端役なのに存在感出てきたな。

映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』

2019年 監督:オリヴィア・ワイルド
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




生徒会長のモリー(ビーニー・フェルドスタイン)は高校生活を勉強に捧げてきて、イェール大学への入学を勝ち取る。
が、遊んでいるばかりでどちらかというと見下し気味だったクラスメイト達が皆名門大学に進学することが分かると途端に焦りだす。
勉強しかしてこなかった!!
まだ間に合う。クラスメイトが開催している卒業パーティに乗り込んで失った3年間を一気に取り戻そうぜ。
と、親友のエイミー(ケイトリン・デヴァー)を誘って呼ばれてもいない卒業パーティに行こうとするが場所がわからない。。。

冴えない子達がっていうこういう青春ものって時代とともによく作られて面白いんだけど、なんかな、おっさんになったためかテンション高すぎて疲れた。
面白くはあるけど、いまいち乗れないまま終わった感じ。

モリーがあんんまり魅力的じゃないんだよな。自分でも性格ブスと自称するくらいだし。
親友のエイミーが癒やし。
エイミーの両親がまたいい人達そうでかわいそう。あんなに準備しているのに。
いい人達といえば、カースト上位の人たちがなんかみんないいヤツなのね。
そりゃトイレで悪口くらいは言うけど悪質ないじめとかまでは絶対しない。
どちらかというとモリーが一番イヤなやつかもww
そんなモリーが今までちゃんと見てこなかった(見下していた?)クラスメイト達と向き合うようになって変わっていく成長譚とも言える。

いけてるグループに中華系の子がいて、こういうアジア系でもイケてるグループに入れるんだなぁと思った。
ニコ・ヒラガ。スケートボーダーとして活躍していて、父親が日本人らしい。
ライアン役のヴィクトリア・ルエスガもスケートボーダーらしいし、なに繋がりなんだろう。

あと、最初大学かと思ったくらい年齢層が高く見える。
ジャレッド(スカイラー・ギソンド)なんかアホな教師がいるなと思ったし。
スカイラー・ギソンドは1995年生まれか。
えっ、というか主演二人含めてみな20代半ばじゃん。。

ビーニー・フェルドスタインってなんか見たことあると思ったら『レディ・バード』でシアーシャ・ローナンの親友役やっていた子か。

2021年1月16日土曜日

映画『マイ・バッハ 不屈のピアニスト』

2017年 監督:マウロ・リマ
製作国:ブラジル
at ギンレイホール




冒頭から初老の男のコンサートシーンで惹き込まれる。
が、もしかしてこれって紆余曲折を経て復活したクライマックスに相当するシーンをいきなり見せられてるんじゃないか。
と思ったが杞憂だった。
まさに不屈。
というか不運すぎないか。
自業自得な面も多少はあるけど。

「20世紀最も偉大なバッハの奏者」と言われたピアニスト、ジョアン・カルロス・マルティンスの実話をもとにした映画。
まだご健在。

カーネギーホールのデビューのときに役者が変わって一気に老けたのは面白かった。
20歳という設定だったらしい。

娼館に泊まり込むみたいなだいぶプライベートによったシーンとかっているの?と思ったけどジョアンを語る上ですごく重要な点だったwww

2021年1月2日土曜日

映画『ファヒム パリが見た奇跡』

2019年 監督:ピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァル
製作国:フランス
at ギンレイホール




ファヒム(アサド・アーメッド)は8歳で父とともにバングラディシュからフランスに亡命する。
父親が反体制運動をしていて、かつファヒムはチェスの大会で優勝するほどの有名人だったのでファヒムが誘拐されそうになったりして危険だったから。
フランスでは難民センターに身を寄せながら、チェスクラブにもなんとか入り込む。
クラブの先生シルヴァン(ジェラール・ドパルデュー)はなかなか癖のある人。
あ、なんかあと1行書いたらもうほとんどストーリー全部になってしまう。。

移民問題とチェスの成り上がり譚をからめたエンターテイメント。
浮浪者みたいな生活になったりもするし全然チェスの勉強しているように見えないけど、それで優勝できちゃうなんてチェスって簡単だなと思ってしまった。
というか実話に基づくのか。
公式ページに乗っている実際のファヒム君が子役にすごい似ている。(逆か)
https://fahim-movie.com/about.php
テント村みたいなところでの生活は創作部分らしいので、実際はやっぱり毎日何時間もチェスの勉強していたんだろうな。

で、何が面白かというとチェスクラブの生徒たちの個性が面白すぎるのね。
最初ただの冴えない(というか嫌がらせでもしてきそうな)モブ達かと思ったら、めっちゃいい奴ら。
ひょろひょろで貧相な顔した少年、ふとっちょの少年、少しアジア系の少年、フクロウみたいな顔した少年、前髪切りすぎたぱっつんメガネ少女。
フクロウ少年の表情の豊かさが笑える。
そしてなによりメガネ少女が愛くるしすぎて泣きそうだ。
もうこの子が主役みたいなもんだよ。
女優名がわからないのだけど、数年後とんでもない美人女優として有名になっていそうだ。

映画『ハニーボーイ』

2019年 監督:アルマ・ハレル
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




人気俳優のオーティス(ルーカス・ヘッジズ)君はアルコール依存症。
飲みすぎて事故って更生施設に送られてPTSDかもしれないと言われる。
過去の思い出をノートに書けと言われて思い出すのは父との思い出。
父ジェームズ(シャイア・ラブーフ)は男手一つで息子のオーティス(ノア・ジュープ)君を育てている、のではなくて実際はオーティス君に養われている。
オーティス君は人気子役でジェームズはマネージャーっぽいことを一応はしているけど。
アルコール依存症ですぐキレてどうしようもない親父だけどオーティス君はそれでも父親を愛している。
オーティス君とジェームズの葛藤がメインのドラマ。

脚本がシャイア・ラブーフで、シャイア・ラブーフの自伝的なお話らしい。
面白くはあったけど、なんだろう、会話劇が難しすぎないか。
観ているこっちが1分後には会話の内容忘れているくらいだから、本人もそんなに覚えてはいないはずで、当時の断片的な印象や感情から創作しているのだろうが、12歳の子供との会話にしてはやっぱり難しすぎるよな。

さておき、ピエロって人間が生み出したキャラクターの最高傑作だよなぁ。
滑稽優しさ哀愁恐怖のすべてが詰まっている。
ジェームズのピエロ姿にはちょっと感動した。