製作国:フランス
at ギンレイホール
かつての天才が再起するまでの成功譚、みたいなよくある話で最後はすっきり爽快なのかと思ったら、微妙に違っていて、なかなか愛おしい感じの秀作だった。
予告編がそういうありきたりな話に興味を誘導しているのも悪いよな。
「崖っぷち状態の二人は奇跡の調合を生み出せるのか」
って、まあ物語の方向性としては予告編も別に間違ってはいないんだけど。
ディオールで香水を作っていた天才調香師のアンヌ(エマニュエル・ドゥヴォス)は、業界を追われたかなんかで香水作りから手を引いて今では匂いに関する仕事を細々とこなしている。
一方専属運転手レンタルみたいな仕事をしているギヨーム(グレゴリー・モンテル)は娘の親権争い中だが失業寸前。
そんな二人が出会って喧嘩して気遣って協力してほっこりする話。
アンヌ役のエマニュエル・ドゥヴォスがへの字型の口でなんか気難しそうな雰囲気がよく合っている。
それにしてもこの人40代くらいかと思ったら50後半だ。
若いな。ホテルのジョークも半ば本気かと思ったけど本当にジョークだったのか。
ギヨームの会社の社長が常に食事していてたまにくちゃくちゃ気持ち悪かった。
娘役のゼリー・リクソンが溌剌として可愛らしい。
将来有望そう。
公式ページにある「幼いころから母親のサーカス学校でコメディとダンスを学び」っていうのも気になる。
以下ネタバレ
それまで十分楽しかったから気づかなかったけど、だいぶ経ってから、あれ、まだスタートラインにも立っていなくないかと気づく。
で、ようやく動き始めたかと思ったら終わり。
俺達の冒険はこれからだ!
みたいな。
とはいえ、最後は希望と自信にあふれていて後味はけっこうすっきりしているから不思議。
なかなか面白いというか珍しいストーリー展開だよなと思った。

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