2021年10月9日土曜日

映画『ファーザー』

2020年 監督:フロリアン・ゼレール
製作国:イギリス / フランス
at ギンレイホール




81歳で一人暮らしをしているアンソニー(アンソニー・ホプキンス)のもとに娘アン(オリヴィア・コールマン)が訪れる。
恋人のいるパリに行くことにしたからもう面倒見ることができない、とかなんとか。
そんな冒頭の会話の中で既にアンソニーの認識のずれが垣間見えてくるのだが、そのずれはやがて混乱というのも生易しいほどの事態に。パニック。
認知症を認知症患者の視点で描いたっていう映画。

認知症を映画で扱うっていうのは難しいよね。
どうしても深刻な話になるのでエンタメになりにくいし、観客もわざわざ辛い話を見に映画館に足運ばないから。
ド正面から描くなら辛いけどなんかしら(胡散臭くない程度の)感動が待っているとかそんな感じになるんだろうか。
で、この映画はどうかというと、認知症の辛さを正面から扱いながらも本人視点を利用してミステリー映画みたいな脚本演出になっている。
認知症を扱いながらそれをミステリーっていうエンタメに仕上げるとかなかなかいい案に思える。
けどなんだろうね。あまり面白くないんだよな。
エンタメにも真面目にもどちらにも振り切れずにお互いが足を引っ張り合っている感じ。
だからアンソニー・ホプキンスが名演していても、特にラストなんか引き込まれそうなくらい良くはあったが、どうしてもどこか冷めた目で見てしまうんだよな。


是枝監督の映画だった気がするけど樹木希林の母親役が初期の認知症を患っていて、でもその状態がただの一つの状態でしかないとでも言うように本人も周りもありのままに捉えているところがよかったんだけど、検索して探しても出てこないから是枝映画じゃなかったかなぁ。

0 件のコメント:

コメントを投稿