2005年3月15日火曜日

映画『三十九夜』

1935年 監督:アルフレッド・ヒッチコック
BS2 録画


三十九夜

カナダからロンドンにやってきたハネー(ロバート・ドーナット)が一人の女性と関わったことで国防の危機を救うべく動き出す。
首謀者についてのわずかな情報しかない上に殺人犯として警察にまで追われるから難航を極めるのだけど、そこはまあ上手いこと(二転三転しながらも)面白く展開していく。

人物にしろ小道具にしろ全てが何気なく後に繋がっていく。
ハネーを殺人犯として追っていた警察までもが思いがけず役に立ったり。
当然ロマンスもあり。
かなり面白い。

ハネーが逃げ込んだ農家の夫婦が使用する寝室が窓を中心に全体的に変に歪んでいて、その空間は農家の夫の心の歪みの空間になっている。
(妻はまっすぐだから妻の視点からだと窓は正常な形の窓になる)
妻がハネーと浮気をするんじゃないかと勘繰る夫は寝室からこっそり抜け出す妻を寝たふりしてやり過ごす。
妻から見えない位置で目をぎょろっとさせて妻の行動を伺う夫の視線が歪みとして部屋全体を覆い尽くしているのね。
人物の視線をこんな方法で表すって何気なくやっているけど凄いよな。

0 件のコメント:

コメントを投稿