2005年8月28日日曜日

映画『緋牡丹博徒 お竜参上』

1970年 監督:加藤泰
BS2 録画


緋牡丹博徒 お竜参上

緋牡丹博徒シリーズの6作目。
いきなり物語の中盤のようなシーンから始まるからなんだこりゃと思ったんだけど、すぐにはまりだす。
見せ場がてんこもりで、痛快活劇、悲劇、ラブロマンス、横顔うなじエロス、全てが濃縮されて、もう面白すぎる。

九州熊本、矢野一家の2代目緋牡丹のお竜(藤純子)はお君という16歳の少女を探していた。
流れ流れて東京浅草へ。
浅草の鉄砲久一家に草鞋を脱いだお竜。
親分の鉄砲久(アラカン)はそりゃあもう素敵な善玉親分で、対してこの鉄砲久一家の利権を虎視眈々と狙う悪玉に鮫洲政一家というのがいる。
この2家の争い+お君ちゃん+お君ちゃんの恋人銀次郎+流れ者渋メン渡世人青山常次郎(菅原文太)+浅草六区の公演+雪の今戸橋+凌雲閣+無敵のいい女お竜。
途中及び見終わってから感激の涙を拭うことになること請け合いの作品。

ストーリーの方は前作だかなんだかの続きみたいな感じらしい。まあ前の作品を見てるかどうかはあまり関係ないのだが。
見所は挙げたらきりがないくらいあって、とにかく人物対人物のやりとりにたゆたうなんともいえないやんわりとした緊張感が常にぞくぞくさせてくれる。
お君ちゃんを発見するシーンの固定長回しの秀逸さ(居合わせた人物達の動きや台詞展開の動的な緻密さ)。
雪の今戸橋での一人の男と一人の女。
・・・等々
手前と奥の縦の構図の使い方もどれも面白いし。(手前に奥にいつもいろんなもんが映りこんでるから空間に余裕が無い印象も受けなくはないのだが)

登場人物で惜しむらくはお君ちゃん(山岸映子)が少しも可愛くなかったことか。
いきなり若山富三郎が出てきたときはびびったがこの作品の中で最も痛快だったシーン。
藤純子はすっごいいい女。川崎弘子さんに匹敵するくらい。藤純子の娘は嫌い。

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