2006年9月30日土曜日

映画『戦場のアリア』

2005年 監督:クリスチャン・カリオン
at ギンレイホール


戦場のアリア スペシャル・エディション

第一次大戦中のフランス北部、クリスマスイヴにドイツ軍とフランスイギリス連合軍が休戦協定を結んで友好を深めた。という話。
100M程度の距離で塹壕が掘られ、銃撃戦が展開されているのだけど、どっちがドイツ軍でどっちが連合軍だか中盤まで区別付かず。
三国それぞれ均等にエピソードが展開されていたっぽい。今思えば。
冒頭主人公かと思った兄弟の弟の方はある程度ポイントとはなるが目立たず、むしろおまけのようにいた神父(ゲイリー・ルイス)が目立つ。

フランス軍のオードベール中尉に『ザ・ビーチ』のギヨーム・カネ。
ドイツ軍のホルストマイヤー中尉に『グッバイ、レーニン!』『ベルリン、僕らの革命』のダニエル・ブリュール。
夫シュプリンクを追って最前線までのこのこやってきたソプラノ歌手アナ役にダイアン・クルーガー。
クリスマス休戦のきっかけを作ったテノール歌手シュプリンク役にベンノ・フユルマン。あまり冴えない顔してます。
ダイアン・クルーガーの実の夫はギヨーム・カネ。
歌手役の人たちはもうちょっと本当に歌ってるっぽく口パクしてほしかったな。

映画『美しき運命の傷痕』

2005年 監督:ダニス・タノヴィッチ
at ギンレイホール


美しき運命の傷痕

母の傍から走リ出した少女の脚を追うカメラ。"すぐ後ろにいたはずのない"母により後ろからすっと目隠しされる少女。
そしてカッコーの雛鳥が卵を落としていく姿の万華鏡。
流れる音楽といいオープニングでもう不穏な空気を放ちまくっていてホラー映画かと思うくらい怖い。

少女の頃に同じ傷を負った三姉妹は今、それぞれ愛の苦悩に耐えている。
長女ソフィ(エマニュエル・ベアール)はファッションフォトグラファーと結婚して子供がいるが、夫がクライアントの女と浮気をして自分への愛が冷めていることにどうしようもない不安を感じている。
次女セリーヌ(カリン・ヴィアール)は恋人もおらず、施設(病院?)にいる車椅子生活で口が聞けなくなっている母(キャロル・ブーケ)の看病をしている。
セリーヌは自分に話しかけてくる見知らぬ男セバスチャン(ギョーム・カネ)を不審に思いながらも密かに恋心を抱き始める。
しかしセバスチャンがセリーヌに近付いたのはセリーヌに興味があったからでなくて、ある真実の告白をするためだった。
三女アンヌ(マリー・ジラン)は大学生だが、老齢の教授フレデリック(ジャック・ペラン)と不倫関係にある。
家族を大事に思うフレデリックはアンヌと関係を持ったことに後悔し、関係を切ろうとする。
フレデリックへ盲目的に愛情を向けていたアンヌは止められない感情に従ってフレデリックを追い続ける。

嫉妬や怒りや愛情が昂ぶったときの常軌を逸した行動にぞくっとする。
夫をストーカーまがいに追って浮気の証拠と自分への冷めた愛を一つ一つ確認していくソフィ。
夫の浮気相手の寝姿にそっと近付いて顔を近づけていき、匂いを嗅ぐという悲しくて冷たい視線の恐ろしさ。
三女アンヌは感情を抑えきれずにある家に乗り込む。
家の娘はアンヌの親友で、誰かに話さないと気が狂いそうなアンヌは既婚者との恋と別れについて相談する。
程なく母帰宅。アンヌとも知り合いらしく、アンヌにアドバイスを与える。
そして父帰宅。この父がなんとアンヌの愛人のフレデリックだった。
何これ、アンヌは親友の父親と恋仲だったわけで、その家族とも付き合いがあるというのにその家に乗り込んでいったということか。
親友が父に既婚者との恋愛と別れについて無邪気に質問を投げかける。
すがるように視線を送るアンヌ。
「それは相手の気持ちによるんじゃないのかな・・・」

書きづらい。もういいや。ネタばれで。
三姉妹の傷跡っていうのは、父の事。
全ては映画冒頭の少女が見た光景から始まる。
少女セリーヌは学校の先生である父のところに行くと、父は裸の少年と向き合っていた。
母により目を覆われるセリーヌ。
父は母により訴えられ、出所した父は家族に会いに来るが、母により追い出される。
ドアを蹴破り進入した父は母と取っ組み合い、母は鏡に頭を打ちつけて大怪我を負う。
娘達にも会えないまま絶望して父は窓から飛び降りた。
母はそのまま不自由な体となり、娘達はそれぞれトラウマとして傷を負う。
長女ソフィは父に裏切られた傷が今、夫の裏切りと重なって過剰反応を起す。
次女セリーヌは自分が見つけたせいで、と罪悪感にかられて恋人も作らず一心に母の世話をする。
三女アンヌは父ほども年齢の離れた男に愛情を注ぎ、幼少の頃に得ることの出来なかった父の愛情に飢える。

そしてセリーヌに言い寄ったセバスチャンという男は実は真実を告白するためにセリーヌを探していたのであり、セバスチャンは父と一緒にいたあの裸の少年だった。
彼の話では自分が三姉妹の父である先生を好きすぎて裸になったが先生は拒否したとのこと。
先生は妻に訴えられても生徒であるセバスチャンを護るために真実を隠し通した。
先生が救ったカッコーの雛鳥セバスチャンは結果的に家族を地獄に追いやった。
三姉妹は母に真実を告げるために集った。
母が父を訴えたことは全て誤解で間違いだったことを。
すごい残酷です。
母は長年会っていなかった長女と三女を交えて三人が揃ってやってきたことに喜ぶ。
筆談しかできない母が書く。
「会いに来てくれるなんて、愛されている証拠だね」
戸惑いながらもセリーヌが真実を母に話す。
間を置いて母が書く。
「それでも私は何も後悔していない」
意味が全然分からん。
それでもこの言葉から感じる超越した壮絶さと万華鏡に変わっていく映像と音楽で泣ける。
後悔していない。
例え間違いであろうと精一杯生きてきたし、これからもそうだ。それに後悔するには時は流れすぎ、残された時間も少ない。何より今こうして三人の娘に囲まれていることの方が重要だ。ってこと?
それとも元々夫と不仲だったのかな。

今までほとんど重ならなかった三人の姉妹がラストで集ってワンショットに収まったときが一番感動的。
いつもセリーヌが一人で乗る列車の座席に三人が揃う。
三人はそれぞれの恋に一先ずのけりを付け、呪縛から解き放たれた表情は晴れがましい。
セリーヌがいつものように一人だと思ってやってきたセリーヌに片思いする車掌も面白い。

ところどころ入るユーモアが面白かったり悲しかったり。
セリーヌが母に読んで聞かせる話はギネスブック。首を切断した鶏の最長生存記録は18ヶ月だかとか。本当かね。
本当らしい。
セリーヌがセバスチャンを自分に好意を寄せている男と勘違いするシーケンスも切ない。
ソフィの夫の仕事現場はモデルがうける。
アンヌが親友に相談しているとこで当のフレデリックが帰宅してくるところも会場から思わず笑いが漏れたしなぁ。
いつも切符でなくセリーヌの寝顔を拝見していた車掌が意を決して、列車などの音を集めたテープと共に電話番号をプレゼントしようとしたのにタイミング悪く三姉妹が揃っていたり。
この監督の前作『ノー・マンズ・ランド』でもそうだたけど、のっぴきならない状況にユーモアを交えるっていうのが非情に上手いよな。
今回はより複雑に様々なシチュエーションや転換点にユーモアが挿入されるのだけど、中にはセリーヌとセバスチャンの関係、フレデリックの家でのアンヌとのやりとりなど、ストーリーの本核に切ない形で食い込んでいるものもある。
このセンスがなかなか好きです。

2006年9月28日木曜日

家賃更新と熊木杏里

いつもと同じ時間の7時半に起きたが不動産屋が9時半からなのでぼーっとする。
9時、上司からメールで「なぜ午前半休?更新終わったら来いよ」とつっこみが。
「そういたします」と返信。

区役所で住民票の写しと印鑑登録証明書をもらう。
普通に受け取ろうとしたら600円と言われて一瞬動きが止まる。ああ、忘れてた。そういえばなぜか金取られるんだったな。
書類もって不動産屋へ。
あっというまに手続き終わり。

先月かに熊木杏里のHPを見たらニューアルバム発売と書いてあって、発売日を見るとまだひと月も先なのかよ、知らなきゃよかったと思っていたのだけど、それ以降仕事に追われて見事に忘れていて、昨日ふと思い出す。
もう一回発売日を確認すると9/21だった。
ということでうきうきしてCDショップに行って、1枚しか置いていなかったニューアルバム『風の中の行進』を購入。

11時頃に仕事先に着いて作業開始。
今日は眠気がひどく、早く帰ってアルバム聞きたいというのもあって仕事が手に付かず。

結局23時頃に帰宅し、飯を食って落ち着いてからアルバムをかける。
3曲目くらいから寝っ転がると今日一日の疲れから一瞬にして眠りの中に。
7曲目くらいでうぉっと起きて一服。
全曲通しで聞いた(途中寝たが)印象としては9曲目の「ノラ猫みたいに」が強烈な印象を残す。
アップテンポの曲でこれだけ爽やかな風を吹かすとは凄い。
それ以外はあまり印象に残らず。
前作の『無から出た錆』では1曲目の「長い話」があまりに衝撃だった上に他の曲も印象強く今でも何度も聞いて飽きない。
今回はちょっと微妙かな、と思いつつもう一回かけると、なんだかどれも凄いいいじゃない。
じわじわ染みてきていつでも何度でも聞きたくなる。
この人は本当面白いな。

2006年9月27日水曜日

代休

休日出勤3日分の代休を1日に集約。
家賃の更新手続きをしようと思う。
ほったらかしていた書類を見ると期限は今月いっぱいだと思っていたら29日(金)までじゃないですか。
連帯保証人の親に書類を書いてもらってはんこ押してもらわなきゃいけないし、住民票とりにいかなきゃいけないし、更新料振り込んで書類を不動産屋に持っていかなきゃいけないし。
頭の中で手順を練りながら区役所や不動産屋のHPを見ていると、どうも不動産屋は水曜は定休で休みらしい。
なんだ、じゃあしょうがいない。明日午前半休にしよう、と思って上司にメール。ソウシンッ!!ε=ε=ε=ε=(*'-')_[メール]

とりあえず三井住友で金下ろして東京三菱の指定口座に更新料振込み。
ついでに残金のほとんど無い東京三菱の口座に現金を入れようとしたけどカードを忘れて振り込めず。
区役所の方は実家で印鑑登録証を借りないと書類が揃わないことに気づいて後回し。
となると後やることはマガジン買って実家に帰るだけ。

マガジンは実家への帰り道にあるコンビニで買うことにして自転車をこぎ出す。
目当てのコンビニは立ち読み禁止になっていてサンデーをちょろっと読めないためマガジンも買わずに出る。
実家から少し離れたところにある昔行きつけの床屋のすぐ近くにあったコンビニに向かう。
床屋の前を通って少し覘くとまだ店は健在のようだが客はいず。
コンビニはというと明らかにつぶれて何年も立っている様子で無くなっている。
ここのコンビニが無いとなるともう近くにコンビニはなかったはずだぞ。
しょうがないので実家をはざんで反対側にずっといったところにある僕が浪人中に毎日昼飯買ってそして最も立ち読みをした懐かしのデイリーヤマザキに向かう。
デイリーヤマザキ健在。
でもサンデーもマガジンも置いてない。なんで?
他の商品をチラッと見ると棚の一角ががらっと空いていたりする。潰れかけ?
なんかもういいや。気づいたら18時くらいになっているし。
あきらめて実家へ。

実家の団地の1階に並ぶ商店街の前を通ると結構閉まっている。ここって水曜が定休だったんだっけなぁ?
エレベータに自転車引いたおばさんと一緒に乗る。
同じ階だった。
先に下りて歩いて部屋の前に行く。
後ろの方でおばさんがどこの人だろうと興味ありげに僕を見ている気配がする。
ドアを開けようとすると鍵が閉まっている。誰もいないらしい。
後ろからおばさんが自転車を引きながら通り過ぎ、止まって僕の顔をのぞきこむ。
ああ、○○ちゃん。
近所づきあいのあるおばさんだった。
おばちゃん帽子かぶってるから全然わからん。
付き合いがあるといってもそんなに僕は話したことがあるわけでもないので、軽く挨拶して部屋に入る。
冷蔵庫をあさってアイスを食う。
ぼーっとする。
何もやることがない。
時間がもったいないのでやっぱりマガジンを買おうと思う。
頭の中でルートをシミュレートする。
とその前にそういえば近くのサミットの傍にコンビニがあったじゃんと気づいて家を出る。
歩いてすぐだが念のため自転車に乗る。
着いてみればここもまた潰れて何年も経っている様子。
自転車で水門通り商店街をまっすぐ進む。
新しい店ができていたりなくなったりしている。
昔からあったコンビニは健在だったため、ここでマガジン購入。

家でねそべってマガジンを読んでいると、間もなく母帰宅。
夕飯を食っている時父帰宅。
書類書いてもらってはんこ押してもらって印鑑登録証借りて風呂入って帰る。

2006年9月11日月曜日

焼肉

昼に会社の人と焼肉を食う。
ハラミセットを頼んでいそいそ焼いてご飯と一緒に食っていく。
したたり落ちたタレがしみ込むご飯を口に運ぶ。
ご飯のくぼみを周りのご飯を寄せて埋めていく。
肉を食う。
したたり落ちたタレがしみ込むご飯を口に運ぶ。
ご飯のくぼみを周りのご飯を寄せて埋めていく。
を無機的に繰り返し、何回目かのご飯寄せの時、ひっくり返ったご飯と一緒に茶色の物体もひっくり返って姿を現す。
底にへばりついていたらしいひからびたゴキブリが無邪気に腹を見せている。
店員を呼ぶと申し訳ありませんと行ってごはん茶碗を持って引っ込んでいく。
ほどなく店長らしいおっさんが謝りにくる。
食欲も失せて一服。
代金ってどうなるんでしょう。
これで払わされたら文句言おう、と思ったら一緒に食った5人全員ただにしてくれた。
店員と店長が並んで頭を下げながら僕らを見送った。

2006年9月3日日曜日

映画『ぼくを葬る(おくる)』

2005年 監督:フランソワ・オゾン
at ギンレイホール


ぼくを葬る

『ブロークバック・マウンテン』で頑張って起き過ぎた為、途中で寝てしまう。
凄い後悔。
『ブローク~』の数倍面白かったのに。

主演はロマン・デュリスと並んでフランス映画界の最重要若手メルヴィル・プポーです。
売り出し中のファッションフォトグラファーのロマン(メルヴィル・プポー)は癌で余命3ヶ月と宣言されます。
幼年時代の姉との思い出をフラッシュバックさせ、不仲の家族、理解者の祖母(ジャンヌ・モロー)、恋人との関係、種の保存等、かけがえのない生の温もりを愛しくなぞりながら、死に向けての準備をしていきます。

静かな映画ですが、この監督独特の色合いの非現実的な生々しさが、熱く愛しくさせてくれます。

映画『ブロークバック・マウンテン』

2005年 監督:アン・リー
at ギンレイホール


ブロークバック・マウンテン プレミアム・エディション

長いです。
こぎれいに、小ぢんまり収まっていきます。

2006年9月2日土曜日

映画『怪談新耳袋 劇場版』

2004年 監督:吉田秋生、他
BS2 録画


「劇場版」とタイトルに付加された映画が面白いわけないのだけど、出演者の中に堀北真希という名前があったこと、久しぶりに嫌いなホラー映画でも見てみようかと思ったことで録画して鑑賞。
オムニバス形式の1本目「夜警の報告書」は気のせいですよのギャグを交えながらなかなか面白い。
けどエピソードをいくつか見てすぐ飽きる。
待ちに待った堀北真希は普通でした。
堀北のエピソードが終わったら後はどうでもよかったのだけど、とりあえず最後まで見てHDDレコーダーから削除。