at ギンレイホール

アルトマンが最後にまた素敵な映画を残してくれる。
フィッツジェラルド劇場で毎週土曜日に行われるラジオ番組の公開録音。
長年続いた番組だが、ラジオ局が企業に買収されたことで今回が最終回となってしまう。
しかし気さくな出演者の面々は、哀しみながらもまるでいつまでもこの番組が続いていくかのように普段どおりに振舞っていた。
番組の司会はギャリソン・キーラー(ギャリソン・キーラー本人)。
今も実在するラジオ番組「プレイリー・ホーム・コンパニオン」が基になっているらしく、司会もそのままギャリソン・キーラーが演じる。
そもそもこの脚本自体ギャリソン・キーラーが書いてアルトマンに監督を依頼したらしい。
番組の出演歌手にヨランダ(メリル・ストリープ)とロンダ(リリー・トムリン)のジョンソン・シスターズ。
本物の歌手並に歌が上手い。
ヨランダには娘のローラ(リンジー・ローハン)がいる。
ヨランダ役のメリル・ストリープがふっくらした優しい母性の塊みたいな笑顔でいいんだな。
ちょっと頼りなさげなヨランダを、姉で痩せしっかり型のロンダがサポートし。
リンジー・ローハンが眼鏡娘でかわいい。
この3人の女性だけで、もう最高だな。
そしてカウボーイシンガーのダスティ&レフティ。
ダスティがウディ・ハレルソンでレフティがジョン・C・ライリー。
これまた二人とも歌が上手い。
危険な香りがただよう荒くれ者の二人だがめちゃくちゃいい奴ら。
スタッフに下ネタを禁じられても本番ではお構いなしで大炸裂。
ベテランシンガーのチャック役にL・Q・ジョーンズ。
ペキンパー映画でおなじみのL・Q・ジョーンズ。
素敵に大往生します。
ガードマンで私立探偵を気取っているガイ・ノワール役にケヴィン・クライン。
劇場に出入りする謎の金髪美人にヴァージニア・マドセン。
ケヴィン・クラインとヴァージニア・マドセンがフィルムノワールの雰囲気を作り出すのだが、どこか決まらない!
しかも謎の女というのは・・・
ラジオ局を買収した大企業の男にトミー・リー・ジョーンズ。
決して嫌な奴ではなかったのに・・・
普段どおりでありながらかもし出される人間悲喜劇に、なんちゃってフィルムノワールをからめ、ちょっとした意味のない残酷な殺人をしれっと描く、粋で刺激的な映画。
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