at ギンレイホール

刑務所でピアノレッスンをする老教師クリューガーは、類まれなピアノの才能を持ったジェニーと出会う。
クリューガーはジェニーの才能を開花させることが残されたわずかな自分の人生の使命だと思う。
ジェニーにピアノレッスンをしたいクリューガーだが。
癇癪持ちで看守の一人を半殺しにするほど凶暴な一面を持つジェニー。
潔癖症で厳格でクラシック以外の音楽は全て下劣だと思っているクリューガー。
曲者同士、というか嫌われ者同士。
ピアノレッスンを通じて次第にお互い打ち解ける、わけでもなく、いがみ合いの中に次第に絆が生まれる、わけでもなく。
「次第に」よくなっていく、という過程なんかなくて、「次第に」と思わせてすぐ振り出しに戻ったりと行ったり来たり。
社交性のかけらも無い二人。
ただ音楽に込める熱量だけでなんとか関係性が保たれるが、その音楽も二人の嗜好が違うから危うい。
さらに二人がそれぞれ抱える過去の傷が二人を前に進ませない。
ラストシーンに笑顔を持ってくる映画が好きなんだけど、この映画のラストの笑顔は上位に入る素晴らしさ。結構ぐっとくる。
ジェニーを演じたハンナー・ヘルツシュプルングがいいな。
綺麗可愛い不細工繊細無感情凶暴などなど様々な演技を見せてくれる。
この映画に出るまでほとんど無名の女優だったらしい。
この映画の本編が始まる直前、会社らしき番号から電話が入る。
即効切って電源も落としたんだけど、映画の鑑賞中ちょくちょく気になってしょうがなかった。
休日に電話来るなんて緊急以外ないだろうし。
見終わってから電話してみるとやっぱり会社からだったんだけど大した用事じゃなかった。
くそぅ。電話かかってきた時に出てすっきりさせておいたほうがよかったな。