2008年10月12日日曜日

映画『西の魔女が死んだ』

2008年 監督:長崎俊一
at ギンレイホール




西の魔女、とは田舎の山奥で四季折々の自然に囲まれて一人で暮らす祖母のこと。
西の魔女が死んだ、とはつまり祖母が死んだ、ってこと。
死ぬと分かっているのにラストは泣ける。
・・・なんとか堪えたから泣かなかったけど。
どんなラストかというと、それはつまり『雨上がりの駅で』みたいなラスト。(他にぱっと思い浮かばない)
映画でたまにみかけるやつ。

梨木香歩の同名小説の映画化。
主人公の中学生まい(高橋真悠)は「女子の付き合いって独特なんだよね」ってことで入学早々登校拒否になる。
母親(りょう)に言わせると、まいは「感受性の強い子」で「ちょっと扱いにくい子」らしい。
とりあえず田舎に暮らすイギリス人のまいの祖母(サチ・パーカー)に預けられる。
自然に囲まれて祖母と二人暮らし。
たったひと月程度だけど、おばあちゃんのさりげなく紡がれる信念に基づいた言葉の数々と自然の生活が、まいを健やかに成長させていく。

ちょっと眠くなってきて途中寝ちゃったので中盤はどうなっていたか知らない。
まいが早朝(たぶん早朝)霧雨の林の中を雨具かぶって徘徊するシーンは一瞬いいな。
なめくじやみみずに腰抜かしていた都会っ子の少女が霧雨に静かに煙る自然の中を一人徘徊する。
何も動くものがいない早朝の林の中でフードをかぶって顔が見えない少女が一人だけ動いている。
これが徹底的に顔をフードで隠して映さないか、映したとしても色白の美少女の片目だけが覗くだけならもっとよかったのだけど。
無造作に顔を映しちゃうとそこで目に見える個が現れるから結局普通のシーンになっている感じ。

「おばあちゃん」は「まい」にも常に敬語で話すのだけど、敬語という違和感と喋る日本語の微妙な抑揚の違和感が初め気になる。
まあ、すぐ慣れるんだけど。
あっ、おばあちゃん役のサチ・パーカーってシャーリー・マクレーンの娘らしい。
おばあちゃん、なのに顔とか腕とか若々しくておばあちゃんっぽくないな、と思っていたんだけどやっぱり若いんだ。
1956年生まれ。50過ぎたばかり。
日本語上手いなと思ったら6歳から12歳まで日本で暮らしていたらしい。

0 件のコメント:

コメントを投稿