2009年3月15日日曜日

映画『ブーリン家の姉妹』

2008年 監督:ジャスティン・チャドウィック
at ギンレイホール


ブーリン家の姉妹 コレクターズ・エディション [DVD]

今日のギンレイはナタリー・ポートマン特集らしい。
今度は16世紀イングランド。
エリザベス1世を生んだアン・ブーリンとその妹(姉?)メアリー・ブーリンのヘンリー8世をめぐる愛憎劇。

理知的なアンと心優しいメアリーの姉妹。
新興貴族ブーリン家の男たちは慣例通りこの娘たちを野心のための政略結婚の道具とする。
まずメアリーを商家の息子と結婚させる。貴族じゃなくて商人と結婚。
メアリーはとりあえずどうでもよかった。
一族の期待はメアリーより、頭が切れるアンを重要視していたのだから。
そしていよいよアンにチャンスが訪れる。
貴族というか王様の愛人になるチャンス。
しかし王が目に留めたのはアンじゃなくて素朴なメアリーの方だった。
メアリー、ついでにアンは王妃の侍女として宮中に召し抱えられる。
アンとメアリーの仲睦まじい姉妹はこのときから嫉妬と憎悪の関係に包まれる。
憎悪に関しては一方的にアンからメアリーにだけだけど。

アンにナタリー・ポートマン。
メアリーにスカーレット・ヨハンソン。
なんか撮り方のせいか二人とも美人に見えなかったなぁ。
色っぽくもないし。
ただ、ナタリー・ポートマンはやっぱり凄いね。
ヘンリーに後ろから襲われたときなんかゆがんだ顔が恐ろしく不細工になっていたのだけど、あまりに悲しい顔するのでギャップにぐっと来る。
スカーレット・ヨハンソンが演じるメアリーは優しく純朴な女性なんだけど、口半開きのヨハンソン見ていると、純朴というか馬鹿なんじゃないかと思ってくる。

若い男は顔が全然区別付かずに誰が誰だか分からないのだけど、ナタリー・ポートマンさえ見れればまあいいかなと思える映画。

映画『宮廷画家ゴヤは見た』

2006年 監督:ミロス・フォアマン
at ギンレイホール


宮廷画家ゴヤは見た [DVD]

宮廷物ほどかったるいものはない、はずが意外にかなり面白い。
ゴヤはどちらかというと狂言回しの位置づけでゴヤの伝記映画ではない。
じゃあなんなのかというと、18世紀末から19世紀にかけてのスペインを「宮廷画家ゴヤ」が「見た」、という話。

ゴヤ(ステラン・スカルスガルド)は現在二人の人物の肖像画を描いていた。
一人は裕福な商家の娘で天使のように美しく無垢なイネス(ナタリー・ポートマン)。
もう一人はむっつり顔だが権威に満ちた佇まいの神父ロレンソ(ハビエル・バルデム)。
ロレンソは教会の威厳を保つために異端審問を復活させようとしていた。
酒場で豚肉を食べなかったイネスはこの復活した異端審問に引っかかってしまう。
優しい質問は拷問へと移行していき、さらにはむっつりロレンソによって・・・
でも、まあ跪いたイネスの体の線の美しいこと。
この究極の曲線を見ちゃったらそりゃそうなる。

純粋で若い女性の将来に待っているであろうまばゆい人生が突如閉じられる。
死ぬとかじゃなくて生きているわけだし、しかも無実。
この怒りの矛先をどこに(誰に)向ければいいのかというと、異端審問を復活させたロレンソなんだけど、ゴヤもイネスの家族もロレンソに原因があることを知らない。
だからロレンソというむっつり男に注目が集まる。
彼がどういう人生を辿るのか見届けるために。

ラストは子供の歌声とかちゃっちいくせに涙が溢れる。

ミロス・フォアマンはこの企画を50年も前から温めていたらしい。
強烈なロレンソを演じたハビエル・バルデムはどこかで見たことあると思ったら『海を飛ぶ夢』の人だ。
さらにはアルモドバルの『ライブ・フレッシュ』の人でもある。
今更かもしれないけどこの人の名前はしっかり覚えておこう。


プロレスリングノアの地上波放送打ち切り

古いニュースだけど日テレのノアの放送が3月いっぱいで終わる。
YAHOO!ニュース

毎週自動録画して見ていたのに、ああ、これでもうプロレスを見ることはなくなったな。

新日って今どうなんだろう。面白いのかな。
師匠藤波の劣化コピーのまま抜け出せず少しもどきどきしないつまらない試合しかしなかった棚橋が「太陽の天才児」と称され、関節技主体の中村が「神の子」ともてはやされたあたりで、なんだこれと思って、棚橋が初めてIWGP取った時からがっかりして見なくなった。

何ヶ月前かのノアの放送で、三沢が杉浦とタッグで新日の中村とあと誰かと対戦していたのだけど、中村が関節技で試合を決めたのを見て、どっちらけになった。
中村自体はそんなに嫌いでもなかったのだけど、やっぱり関節技で試合決めるならそれなりに盛り上がる決め方しないと面白く無いじゃん。しかも他団体との対抗戦なのにさ。
別に関節技で試合を決めるのが駄目というわけじゃなくて、ただ対抗戦ではやってほしくないなと思う。
関節技で勝つなんてある意味卑怯でしょ。だってプロレスラーは技を受けてなんぼなんだから関節決めにこられても基本的に本気で避けないのでいくらでもかけ放題なんだし。
だから本気で関節技かけちゃ駄目じゃん。
関節技は半分の力でかけて相手選手の精神と体力をけずってちょっとだけ体を痛めつける技であって、基本的に決め技じゃない。

関節技といえば飯塚がブレイクした頃は、いつ、どうやってスリーパーが飛び出すかどきどきし、かつ飯塚はいつも期待に応えてくれて楽しませてくれた。
対戦相手は決め技になりうるスリーパーを警戒して半ば本気で避けるから飯塚も工夫して思わぬところでかけたりとかして楽しかったな。そこで出すか!みたいな。
関節技を決め技にする選手で許せるのは飯塚くらしか思い浮かばない。

あと、棚橋なんだけど、どうも苦手なんだよな。
ビジュアルは胡散臭いしファイトスタイルもつまらないし。
ファイトスタイルが今どうなっているのか知らないけど、あの体中から発散する「ばたくささ」は変わらないんだろうな。

2009年3月10日火曜日

映画『伽倻子のために』

1984年 監督:小栗康平
BS2 録画


小栗康平監督作品集 DVD-BOX

声が聞き取れず、説明も少ないためにストーリーは全然分からなかったのだけど、いやー、南果歩だけで十二分に面白い。
かわいいかかわいくないかで言ったらかわいくはないのだけど、なんだろうこの魅力は。
女性が少女のある一時期にだけとてつもなく神々しく輝くときがある。
その瞬間をこれでもかとフィルムに収めた感じ。
あまり必要性もなく脱いでるし。

原作は芥川賞作家李恢成の「伽倻子のために」。
在日朝鮮人2世の大学生サンジュニ(呉昇一)と、朝鮮人と日本人の夫婦に養子に貰われた伽倻子(南果歩)の恋愛物。
朝鮮人にも日本人にもなれない不安定な二人。
朝鮮に行く夢を見てもサンジュニはハングルを喋れない。
現状の生活も、見る夢も、全てが儚い。

終始静かに展開する。
無口なサンジュニが驚くほどの好青年。
あまり喋らないので始めのうちは怪しい青年だったのだけど、背景や人物が分かってくると無表情の裏に隠れた深い苦悩が見えてきて切なくなってくる。
どっちかというとこういう静かな映画は長まわしで見たいけど、ほとんど長まわしは無い。

子供の発言に怒ったばあさんが振り返って部屋に入るとき、壁に一回肩をげしっとぶつけるのね。
少しも表情を変えずにすたすたフレームの外に消えるのだけど、そういう生活の現実感を強く感じさせる映画。
好青年サンジュニと神々しい少女伽倻子の恋愛はまぶしすぎるし、加藤武は真面目な中でなかなかくすりと笑わせてくれるし、で結構面白い。

2009年3月8日日曜日

いしのだなつよ

月光音楽団っていう一応音楽番組らしい番組がある。
ベッキー司会で山本梓とか安田美沙子や夏川純が出演している番組。
昔やっていたプロジェクトの人がアイドル好きだったので話を合わせるために毎週自動録画にして見ていて、今でも惰性で録画している。

2/10の月光音楽団をネットしながら見ているとショートカットの女の子が映ったのでなんとなくテレビに目を移すと、石野田奈津代の文字が。
シンガーソングライター石野田奈津代。
8,9年くらい前にこの子のオールナイトニッポンRをよく聞いていた。
身の回りの人にしろテレビの人でも、こんなに元気な子を見たことがない。
両国駅でのストリートライブなどで鍛えた歌声はまっすぐで安定していてなかなか好きだったのだけど。
気づいたら事務所を解雇(契約切れ?)されたらしく消えてしまった。
ラジオでネプチューンと共演したりして、どんどん売れていきそうな感じだったし、歌が駄目でもタレントとしてあの元気はかなり稀有な存在だったのでもったいないと思っていた。

ラジオが終わってファンサイトも閉鎖されて何も情報が入らないまま忘れていたのだけど、その後も地道に活動を続けていたみたいで、今年2月に再デビューしたらしい。
いやぁ、頑張ったねぇ。この道のりは演歌だねぇ。

検索してみたら公式サイトがあってそこのブログをつらつら見ていたら去年「唄つるべ〜トーク&ライブ」で笑福亭鶴瓶と共演したりしていたらしい。
というか2008年末の「朝まで生つるべ!」に出演していたらしい。
いや、もっと驚きなのはそのブログに番組終了後に鶴瓶や他の出演者と写っている写真がUPされているのだけど、なぜか長谷川都が写っている。
長谷川都も出ていたのか。
ああ、再放送されないかなぁ。

いしのだなつよが石野田奈津代になり、
長谷川都はハセガワ ミヤコになって、
そして二人とも鶴瓶チルドレンになっていよいよ売れていくのだろうか。

ちなみに俺は歌の歌詞をあまり聞かないからどうでもいいのだけど、石野田奈津代の歌詞は昔はそんなによくなかった。(苦労を重ねた今どうなっているのかはまだよく知らない)
1999年のデビューアルバム「ひまわり」を持っているのだけど、基本的に前向き元気印の曲の中で「質問」っていう曲だけがネガティブな曲になっている。

よかったのかなぁ?
あたしなんか生まれてきて
ねぇ神様、あたし生まれてきてよかったんですか?
お願いこたえて・・・ねぇ・・・

~いしのだなつよ アルバム『ひまわり』9曲目「質問」より~


という親泣かせの歌詞なんだけど、元気だけじゃなくて悩みもあるんだよというのをあざとく入れ込んだようでこの曲はあまり好きじゃない。
終始生まれてきてよかったんですか?ってつぶやいているだけなんだもん。

熊木杏里が「世の中こんな感じだろう」と言葉をこねくり回して作詞していたと後に語る1stアルバム『殺風景』の中の「二色の奏で」を数年後に聞いたとき、ふといしのだなつよのこの「質問」という曲を思い出して、ああ、いしのだなつよとの違いはこれだなと思った。
言葉に対するセンスの違い。

世に生まれたことに悩むのならば
生まれてこれたことに懸命に生きて
いつか”人生”と太筆で書いても
恥じることのない
道を 道を

~熊木杏里 アルバム『殺風景』10曲目「二色の奏で」より~


まあ過去の話は置いておいてこれから日本の音楽シーンを席巻する(かもしれない)石野田奈津代に注目です。
HEY! HEY! HEY!とかに出てトークすれば一発だと思うんだけどな。
とHEY! HEY! HEY!の話出したついでに書くと、なんでHEY! HEY! HEY!に演歌歌手が出ないのかが分からない。
演歌が廃れてしまったのは、若者のニーズから外れたからとかじゃなくて、演歌歌手が民放の番組で歌わなくなったからに他ならない。
(ニーズから外れたから出なくなったんじゃね?という疑問は置いておく)
演歌の需要があるからジェロが売れたんじゃん。
氷川きよしとかジェロはその話題性でばんばん曲が流れるから売れた。
「海雪」って別にふつーの演歌だよ。
「海雪」が売れるなら他の演歌の曲だって絶対売れる。
ましてや曲がどうでもよくてもトークが面白かったり顔がよかったりするだけで売れる歌手なんてくさるほどいるじゃん。
幸田なんとかとか元首相の孫とかジャニーズ系とか。
だから若者向けの音楽番組にさえ出れば演歌は確実に復興すること間違いないのに、全くもって歯がゆい限りです。

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年末年始

書こうと思いつつも面倒で書かなかったことがいっぱいある。
ちょっと気が向いたので思い出すまま書いてみる。

まず年末年始。
2008年11月頃に『デビルサマナー 葛葉ライドウ対アバドン王 Plus(真・女神転生III NOCTURNE マニアクス クロニクル エディション同梱)』なるPS2のゲームが発売されていることを知る。
調べてみるとクロニクル エディションとは『真・女神転生III NOCTURNE マニアクス』からカプコンの『デビルメイクライ』シリーズの主人公であるダンテを葛葉ライドウに差し替えたバージョンらしい。
『真・女神転生III NOCTURNE マニアクス』は限定生産の上、ダンテの版権がらみで再販できなかったため、プレミアが付いて中古が2万以上という手に入れがたいソフトになっていた。
2007年末に何かRPGをやりたいと思って真・女神転生IIIに目をつけたときに、どうせやるなら追加要素の入ったこの限定版を買いたいと思ったのだけど、あまりに高くてあきらめて通常版をプレイした。

その諦めたバージョンがプレイできる。
これは年末に是非買おうと思ったのだけど、このクロニクル エディションも限定販売らしいので、年末になっていざ買おうとしてもうなくなっていたら嫌だと思ってamazonで早々と購入。
11/18頃には届く。

そのまま玄関入ってすぐのところに置いていたのだけど、毎日仕事終わって家に帰ると目に入って気になってしょうがない。
なので週末からさっそく『デビルサマナー 葛葉ライドウ対アバドン王』ってやつからやり始める。
ぐおー、アクションRPG、おもしれー。

週末にこつこつやって、2008年内には一応クリア。
年末年始はゲームせずにゆっくり過ごせるかもと思いつつも2週目を気まぐれで開始してしまったがために、2008年末も結局ほとんどゲームで終わった。
2週目は今年の1月半ば過ぎくらいまでやってクリアした気がする。

ゲームに気をとられてしまったがために週の感覚がおかしくなって、ギンレイホールで楽しみにしていた『転々』や『グーグーだって猫である』を見逃す。

RPGをやると毎回思うのだけど、あまりに無駄に時間を費やしてしまうので暫くゲームは封印する。
当初の目的だった真・女神転生IIIの方はまだやっていない。

今調べてみたら『デビルサマナー 葛葉ライドウ対アバドン王 Plus(真・女神転生III NOCTURNE マニアクス クロニクル エディション同梱)』ってまだ普通に発売しているうえに僕が買ったときより半額以下になってる・・・

デビルサマナー 葛葉ライドウ対アバドン王 Plus(真・女神転生III NOCTURNE マニアクス クロニクル エディション同梱)

3月INFO

BS2 3月13日(金) 午後3:50~5:45
ガス燈 1944年・アメリカ
〔監督〕ジョージ・キューカー
〔出演〕シャルル・ボワイエ、イングリッド・バーグマン
BS2 3月16日(月) 午後9:00~午後10:42
インファナル・アフェア 2002年・中国(香港)
〔製作・監督・撮影〕アンドリュー・ラウ(劉偉強)
〔出演〕アンディ・ラウ(劉徳華)、トニー・レオン(梁朝偉)
BS2 3月17日(火) 午後9:00~午後11:01
インファナル・アフェア 無間序曲 2003年・中国(香港)
〔製作・監督・撮影〕アンドリュー・ラウ(劉偉強)
〔出演〕エディソン・チャン(陳冠希)
BS2 3月17日(火) 午前1:15~午前2:47(16日深夜)
水の中のナイフ 1962年・ポーランド
〔製作・監督〕ロマン・ポランスキー
BS2 3月18日(水) 午後9:00~午後10:59
ンファナル・アフェアIII 終極無間 2003年・中国(香港)
〔製作・監督・撮影〕アンドリュー・ラウ(劉偉強)
〔出演〕アンディ・ラウ(劉徳華)、トニー・レオン(梁朝偉)、レオン・ライ(黎明)
BS2 3月19日(木) 午前0:40~午前2:22(18日深夜)
反撥 1965年・イギリス
〔監督・脚本〕ロマン・ポランスキー
〔出演〕カトリーヌ・ドヌーヴ
BS2 3月22日(日) 午前0:30~午前3:41(21日深夜)
天井棧敷の人々 1945年・フランス
〔監督〕マルセル・カルネ

2009年3月1日日曜日

映画『ボーダータウン 報道されない殺人者』

2006年 監督:グレゴリー・ナヴァ
at ギンレイホール


ボーダータウン 報道されない殺人者 [DVD]

アメリカに隣接したメキシコの街フアレスでは10数年で500人以上もの少女が殺されるという未解決事件が起こっていた。
シカゴの新聞社に勤めるキャリア志向の強いローレン(ジェニファー・ロペス)は、海外特派員のポストを交換条件にこのフアレスに取材に向かう。
フアレスには元同僚で反政府系の新聞社を経営するディアス(アントニオ・バンデラス)がいた。
ディアスから、実際の被害者数は数千人に上るという事実を聞かされる。
なぜこのような大量殺人が隠蔽され続けているのか?
被害にあって土に埋められながらも奇跡的に生還したエバ(マヤ・サパタ)の証言を元にローレンは事件の深部へと近づいていく。

登場人物などはフィクションだけど、この女性連続殺人事件は実際に起きている事件らしい。
フアレスはこの事件だけじゃなくて、2008年には麻薬がらみの抗争で市民含めて5000人以上が殺されているとかいうし、相当治安の悪い街だな。

アントニオ・バンデラスは相変わらずむきむきなんだけど結構太った。
ジェニファー・ロペスは少しだけふっくらした気もするけど、スタイルは維持していて、何より目がエロい。
映画界きっての中年セクシー俳優と中年セクシー女優が社会派ドラマに挑む。
サスペンス+アクションで退屈せずに見れる。

映画『帰らない日々』

2007年 監督:テリー・ジョージ
at ギンレイホール


帰らない日々 [DVD]

4人家族のラーナー家。
10歳の長男がチェロで参加する野外コンサートを家族で鑑賞中。
普通の幸せそうな家族。
一方息子と一緒に大好きなレッドソックスの試合を観覧中のアルノー(マーク・ラファロ)。
アルノーは離婚したため息子とは週に一回しか会えない。
試合が長引いて帰りが遅いので元妻のルース(ミラ・ソルヴィノ)から何度も電話がかかってくる。

ラーナー家は帰宅途中でスタンドに立ち寄るのだが、そこで長男が撥ねられて死んでしまう。
撥ねたのは、息子を元妻の家に送り届けるために飛ばしていたアルノー。
撥ねた瞬間にアルノーは車を止めようとするが、考え直してそのまま走り去ってしまう。

なかなか犯人を捕まえられない警察に業を煮やして犯人探しに躍起になる家長のイーサン・ラーナー(ホアキン・フェニックス)と、息子が死んだことを自分の責任と感じている妻のグレース・ラーナー(ジェニファー・コネリー)との間に溝ができたり、決して悪人ではない犯人であるアルノーの自分や家族の未来と罪との葛藤など描かれていくのだけど、何より冒頭の長男が死んでしまうシーンで既に山を迎えてしまった感じ。

役者陣も魅力的だし、つまらなくはなかったのだけど。