2008年 監督:犬童一心
製作国:日本
BSプレミアム録画
大島弓子のエッセイ漫画が原作。
面白かったような特に面白くなかったような。
ジョゼ見たときから思っていたけど、犬童一心のメルヘン漫画脳はちょっと個人的に肌に合わない。
岩井俊二のように突き抜けていればいいんだけど。
あとギャグセンス。
マーティ・フリードマンの解説等で吉祥寺の紹介が随所に入るけど、なんかタイアップしてんのかな。
森三中とか楳図かずおとか珍しい人含めていろんな人たちが出演しているのが、豪華というより内輪的いやらしさ、いや、なんかストーリーの焦点のぼやけ具合とあいまってごちゃごちゃした印象しか受けないのが寂しい。
小泉今日子は声がいいなぁ。
髪型がマーティ・フリードマンに似ているのでたまに見間違えた。
何年か前にギンレイでやっていたのを見逃して後悔した記憶があるけど、小泉今日子が見たかったわけでもないしなんだろうと思ったら上野樹里を見たかったんだ。
上野樹里は面白いなぁ。
2012年9月30日日曜日
2012年9月23日日曜日
映画『おとなのけんか』
2011年 監督:ロマン・ポランスキー
製作国:フランス/ドイツ/ポーランド
at ギンレイホール
室内劇なら演劇や2時間テレビドラマででもやってくれと思いつつ、監督ポランスキーだしなぁと恐る恐る見てみたらくそ面白かった。
子供が喧嘩して一方に前歯を折る大怪我を負わせてしまう。
加害者側の両親が被害者側の両親の家に謝罪に出向いて、この二組の初対面の夫婦間で和解の話し合いが行われる。
被害者側の両親は特にわめきたてるでもなく、むしろ友好的な態度で加害者側を招きいれ、事は穏便に解決するかに見えたが。。
主な登場人物は二組の夫婦の4名のみ。
そしてこの4者は夫婦間ですらそりが合っていない様子。
友好的な話し合いに最初に波風を立たせるのは加害者側の夫アラン(クリストフ・ヴァルツ)で、この道徳性のかけらもない弁護士アランを皮切りに4者が次第に本音と狂気をむき出しにしていく。
サスペンスじゃなくて、良質のコント。
4者はいがみ合っているのに、時折10年来の友人かのように意気投合したりする。
いや、本当に10年来の友人なら人間関係の崩壊を恐れて本音を押し隠すはず。
だから夫婦同士も他人も関係なく感情を爆発させる様は、普通じゃありえないほどの濃密な人間関係を一瞬にして築いているように見える。
ただいがみ合うのではなくて、どこか滑稽で楽しげだから。
主演は
ジョディ・フォスター
ジョン・C・ライリー
ケイト・ウィンスレット
クリストフ・ヴァルツ
クリストフ・ヴァルツだけは初めて見たけど、他の3人にひけをとらないくらいのねちっこい存在感でよかった。
原作は大ヒット舞台劇らしい。
製作国:フランス/ドイツ/ポーランド
at ギンレイホール
室内劇なら演劇や2時間テレビドラマででもやってくれと思いつつ、監督ポランスキーだしなぁと恐る恐る見てみたらくそ面白かった。
子供が喧嘩して一方に前歯を折る大怪我を負わせてしまう。
加害者側の両親が被害者側の両親の家に謝罪に出向いて、この二組の初対面の夫婦間で和解の話し合いが行われる。
被害者側の両親は特にわめきたてるでもなく、むしろ友好的な態度で加害者側を招きいれ、事は穏便に解決するかに見えたが。。
主な登場人物は二組の夫婦の4名のみ。
そしてこの4者は夫婦間ですらそりが合っていない様子。
友好的な話し合いに最初に波風を立たせるのは加害者側の夫アラン(クリストフ・ヴァルツ)で、この道徳性のかけらもない弁護士アランを皮切りに4者が次第に本音と狂気をむき出しにしていく。
サスペンスじゃなくて、良質のコント。
4者はいがみ合っているのに、時折10年来の友人かのように意気投合したりする。
いや、本当に10年来の友人なら人間関係の崩壊を恐れて本音を押し隠すはず。
だから夫婦同士も他人も関係なく感情を爆発させる様は、普通じゃありえないほどの濃密な人間関係を一瞬にして築いているように見える。
ただいがみ合うのではなくて、どこか滑稽で楽しげだから。
主演は
ジョディ・フォスター
ジョン・C・ライリー
ケイト・ウィンスレット
クリストフ・ヴァルツ
クリストフ・ヴァルツだけは初めて見たけど、他の3人にひけをとらないくらいのねちっこい存在感でよかった。
原作は大ヒット舞台劇らしい。
映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』
2011年 監督:フィリダ・ロイド
製作国:イギリス
at ギンレイホール
劇場が暗くなった瞬間から猛烈に眠くなって、前半は結構うとうとしてしまった。
鉄の女サッチャーの自伝映画。
サッチャーの自伝というか、メリル・ストリープという女優の素晴らしさを見る映画。
映画役者はスクリーンに映える雰囲気こそ全てで演技力なんてどうでもいいと思っていたけど、メリル・ストリープの演技力は別格だなぁ。
製作国:イギリス
at ギンレイホール
劇場が暗くなった瞬間から猛烈に眠くなって、前半は結構うとうとしてしまった。
鉄の女サッチャーの自伝映画。
サッチャーの自伝というか、メリル・ストリープという女優の素晴らしさを見る映画。
映画役者はスクリーンに映える雰囲気こそ全てで演技力なんてどうでもいいと思っていたけど、メリル・ストリープの演技力は別格だなぁ。
2012年9月9日日曜日
映画『素晴らしい一日』
2008年 監督:イ・ユンギ
製作国:韓国
at ギンレイホール
仕事もなく貯金も底をついた30過ぎの女性ヒス(チョン・ドヨン)は1年前に分かれた元彼に350万ウォンを貸していたことを思い出し、元彼ビョンウン(ハ・ジョンウ)を探しに競馬場へやってくる。
ビョンウンを見つけたヒスだが、ビョンウンもまたプー太郎になっていた。
ビョンウンは返せる金なんか持っていないで、彼の幅広い交友関係を当たって金を借りてヒスに返そう考える。
ビョンウンとヒスの借金返済のための借金ロードムービー。
ビョンウンって奴は、どうしょうもない奴ではあるけど、なんか憎めない。
彼の交友関係はほとんど女性だけど、別に関係を持っているわけでもなさそうで、しかもいまだにヒスに一途だったりするところが誠実とさえ思えてしまう。
ヒスにちゃんと借りていた金を返そうとするところも誠実だ。
よくよく考えれば、そもそも人から借金したり、借金返すためにまた人から借金する行為のどこが誠実なんだって話だが、快く彼に金を貸す友人達や彼の愛嬌のある人柄を見ていると、そんな事実が裏に隠れてしまうから不思議だ。
男は度胸女は愛嬌、っていっても男も愛嬌があると世渡り上手になるもんだ。
ビョンウンを演じたハ・ジョンウは雰囲気が浅野に似ている。
チョン・ドヨンはそんなに若くなさそうだから30くらいかと思っていたけど、撮影当時35歳くらいだ。
製作国:韓国
at ギンレイホール
仕事もなく貯金も底をついた30過ぎの女性ヒス(チョン・ドヨン)は1年前に分かれた元彼に350万ウォンを貸していたことを思い出し、元彼ビョンウン(ハ・ジョンウ)を探しに競馬場へやってくる。
ビョンウンを見つけたヒスだが、ビョンウンもまたプー太郎になっていた。
ビョンウンは返せる金なんか持っていないで、彼の幅広い交友関係を当たって金を借りてヒスに返そう考える。
ビョンウンとヒスの借金返済のための借金ロードムービー。
ビョンウンって奴は、どうしょうもない奴ではあるけど、なんか憎めない。
彼の交友関係はほとんど女性だけど、別に関係を持っているわけでもなさそうで、しかもいまだにヒスに一途だったりするところが誠実とさえ思えてしまう。
ヒスにちゃんと借りていた金を返そうとするところも誠実だ。
よくよく考えれば、そもそも人から借金したり、借金返すためにまた人から借金する行為のどこが誠実なんだって話だが、快く彼に金を貸す友人達や彼の愛嬌のある人柄を見ていると、そんな事実が裏に隠れてしまうから不思議だ。
男は度胸女は愛嬌、っていっても男も愛嬌があると世渡り上手になるもんだ。
ビョンウンを演じたハ・ジョンウは雰囲気が浅野に似ている。
チョン・ドヨンはそんなに若くなさそうだから30くらいかと思っていたけど、撮影当時35歳くらいだ。
映画『ポエトリー アグネスの詩(うた)』
2010年 監督:イ・チャンドン
製作国:韓国
at ギンレイホール
本編見ている時はそうでもなかったのに、後から予告編見直すと涙出そうになる。
分かりにくい暗喩や寓意をちりばめて詩的だろう?と自己満足している映画は多々あれど、本当に詩的な映画っていうのはこういうのをいうんだと教えてくれる。
66歳のミジャ(ユン・ジョンヒ)は中3の孫ジョンウクと二人で暮らしている。
ジョンウクの母親は釜山で働いているらしいが仕送りはほとんど無い様子で、ミジャの介護ヘルパーの仕事で生計を立てている。
ある日ミジャはずっと気になっていた詩のカルチャースクールに通いだす。
しかし同時に病院ではアルツハイマーの初期状態だと診断され、さらには他人事だった少女の自殺に孫が行ったひどい仕打ちが深く関わっている事実を知る。
つらい現実が襲い掛かりながらもカルチャースクールの仕上げである一編の詩の作成を目標に、詩が自分から流れ出る瞬間を不安と期待を込めて待ち続けるミジャだった。
ストーリーだけ見ると強い母(祖母だけど)、力強く生きる女性を描いているみたいだが、全然違う。
ミジャはなんか変な人で、空気が読めない、嫌なもの醜いものは直視しようとしない、っていう我侭な少女のような性格で、傍から見ると馬鹿なんじゃないかと思えてしまう。
映画の主人公なのに魅力的な人物でなく、むしろいらっとするような人なのに、何故だかこの主人公が気になって仕方ない。
見たくないものは見ないで逃避しても現実に発生している問題からは逃げられない。
逃避してもすぐに絡めとられる現実の残酷な事実を他人事のように受け流せばただの頭の変なおばさんになるけど、ミジャはちゃんと現実を理解している。
だからまるで叱られた少女のように一人蹲って嗚咽をもらす。
美しいだけの世界に逃避してもすぐに現実が引き戻す。
そのサイクルがとてもつらい。
のどかな農村地帯の自然に目を奪われ、満面の笑顔で幸せそうに農民と談笑して別れた後、この農村に来た目的をふっと思い出す瞬間、アルツハイマーの進行という事実の認識と、抱えていた問題の再認識が同時に起こり、笑顔がみるみる驚きと苦渋の表情に変化するのを見たとき、苦しいくらいぞくっとした。
ミジャのファッションもポイントになっている。
劇中でも「おしゃれなおばあちゃん」と呼ばれるように、おしゃれなミジャは安物の服をいつもかわいく着こなしている。
しかしどんな場所でも変わらず派手な格好は次第に痛々しくなってくる。
もうなんか全てがこの主人公に興味を惹くようにできていて、かつその全てが苦しさやせつなさを際立たせる要素にもなっているから凄い。
カルチャースクールの講師に教えられた通り、普段見慣れたものを再度見つめなおし、そこから詩をあふれ出るように呼び起こそうとするミジャだったが、つらい現実から目をそむけてしまうミジャには何も見えていなかった。
醜いものもつらいものも真摯に見つめるようになったミジャから生まれた詩とは?
ミジャがした決断とは?
後になってからじわじわくるなかなかいい映画だった。
ミジャを演じたユン・ジョンヒは60年だ70年代に活躍した大女優らしい。
とにかくこの女優さんがやばい。
おそらく素に近いんだろうな。
この人以外のミジャなんて想像できないくらい自然にはまっている。
結婚後フランスで暮らし、映画出演は16年ぶりとのこと。
おっとりしているけど気品があって、雰囲気は田中絹代に似ている。
ああ、あとどうでもいいけど、黙々と食事している孫をミジャがじっと見つめながら「おいしい?」と聞くシーンで、思春期の頃母親から言われるこの「おいしい?」が大嫌いだったなと思い出した。
製作国:韓国
at ギンレイホール
本編見ている時はそうでもなかったのに、後から予告編見直すと涙出そうになる。
分かりにくい暗喩や寓意をちりばめて詩的だろう?と自己満足している映画は多々あれど、本当に詩的な映画っていうのはこういうのをいうんだと教えてくれる。
66歳のミジャ(ユン・ジョンヒ)は中3の孫ジョンウクと二人で暮らしている。
ジョンウクの母親は釜山で働いているらしいが仕送りはほとんど無い様子で、ミジャの介護ヘルパーの仕事で生計を立てている。
ある日ミジャはずっと気になっていた詩のカルチャースクールに通いだす。
しかし同時に病院ではアルツハイマーの初期状態だと診断され、さらには他人事だった少女の自殺に孫が行ったひどい仕打ちが深く関わっている事実を知る。
つらい現実が襲い掛かりながらもカルチャースクールの仕上げである一編の詩の作成を目標に、詩が自分から流れ出る瞬間を不安と期待を込めて待ち続けるミジャだった。
ストーリーだけ見ると強い母(祖母だけど)、力強く生きる女性を描いているみたいだが、全然違う。
ミジャはなんか変な人で、空気が読めない、嫌なもの醜いものは直視しようとしない、っていう我侭な少女のような性格で、傍から見ると馬鹿なんじゃないかと思えてしまう。
映画の主人公なのに魅力的な人物でなく、むしろいらっとするような人なのに、何故だかこの主人公が気になって仕方ない。
見たくないものは見ないで逃避しても現実に発生している問題からは逃げられない。
逃避してもすぐに絡めとられる現実の残酷な事実を他人事のように受け流せばただの頭の変なおばさんになるけど、ミジャはちゃんと現実を理解している。
だからまるで叱られた少女のように一人蹲って嗚咽をもらす。
美しいだけの世界に逃避してもすぐに現実が引き戻す。
そのサイクルがとてもつらい。
のどかな農村地帯の自然に目を奪われ、満面の笑顔で幸せそうに農民と談笑して別れた後、この農村に来た目的をふっと思い出す瞬間、アルツハイマーの進行という事実の認識と、抱えていた問題の再認識が同時に起こり、笑顔がみるみる驚きと苦渋の表情に変化するのを見たとき、苦しいくらいぞくっとした。
ミジャのファッションもポイントになっている。
劇中でも「おしゃれなおばあちゃん」と呼ばれるように、おしゃれなミジャは安物の服をいつもかわいく着こなしている。
しかしどんな場所でも変わらず派手な格好は次第に痛々しくなってくる。
もうなんか全てがこの主人公に興味を惹くようにできていて、かつその全てが苦しさやせつなさを際立たせる要素にもなっているから凄い。
カルチャースクールの講師に教えられた通り、普段見慣れたものを再度見つめなおし、そこから詩をあふれ出るように呼び起こそうとするミジャだったが、つらい現実から目をそむけてしまうミジャには何も見えていなかった。
醜いものもつらいものも真摯に見つめるようになったミジャから生まれた詩とは?
ミジャがした決断とは?
後になってからじわじわくるなかなかいい映画だった。
ミジャを演じたユン・ジョンヒは60年だ70年代に活躍した大女優らしい。
とにかくこの女優さんがやばい。
おそらく素に近いんだろうな。
この人以外のミジャなんて想像できないくらい自然にはまっている。
結婚後フランスで暮らし、映画出演は16年ぶりとのこと。
おっとりしているけど気品があって、雰囲気は田中絹代に似ている。
ああ、あとどうでもいいけど、黙々と食事している孫をミジャがじっと見つめながら「おいしい?」と聞くシーンで、思春期の頃母親から言われるこの「おいしい?」が大嫌いだったなと思い出した。
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