2013年6月30日日曜日

映画『レ・ミゼラブル』

2010年 監督:トム・フーパー
製作国:イギリス
at ギンレイホール




いわずと知れたヴィクトル・ユゴー原作でミュージカルとしても世界中で愛されている作品。
文化圏に住んでいる人間なら、原作やミュージカルを見ていない人でもあらすじくらいは知っていることだろう。
ちなみに僕はどんな話かも一切知らなかった。

冒頭から嵐の中巨大なガレオン船を綱で引くたくさんの囚人達が大迫力。
(※ガレオン船って言ってみたかっただけでガレオン船がどんな船なのか詳細は知らない)
冒頭もそうだけどCGで上空から地上までうねりながらカメラが降りていったり、逆に地上から上空に上がっていったりと要所要所でおおっと思うようなCG使ったカメラワークが取り入れられていて、CG映画を見る機会が少ないので新鮮だった。

レ・ミゼラブルは知らなくてもコゼットのイラストだけは見たことがあったので、あの貧しく憂いを秘めた表情の美少女をどんな子が演じるのだろう、という期待を裏切らず、ブロンドのなかなかの美少女が演じていた。
なかなかの?そこそこのかもしれないけど、とりあえず美少女には見えた。
ちょっとホラー映画に出てきそうな子だった。
イザベル・アレンという子らしい。
この少女時代はすぐ終わって、すぐ成人時代に移行するけど、成人のコゼットを演じたのがアメリカのケロンパことアマンダ・セイフライド。
まじかよ。
全然イメージと違うじゃん。
この子清純な役柄ばっか演じるけど違和感しか感じないんだよなぁ。
出演作を全部見ているわけじゃないけど、一度でも悪女とかビッチを演じたことはあるのかな。
はまりすぎて今まで必死に植えつけてきた清純イメージが一気に崩壊する様を見てみたい。

映画『塀の中のジュリアス・シーザー』

2012年 監督:パオロ・タヴィアーニ,ヴィットリオ・タヴィアーニ
製作国:イタリア
at ギンレイホール




館内が暗くなった瞬間から日ごろの疲れでうとうとしてきて、そのまま最後まで船を漕いでは起きてまた船を漕ぐを繰り返してしまった。

大半がモノクロ映像で、1960年代くらいの意欲的なインディーズ映画を見ているようだった。
刑務所の囚人達がジュリアス・シーザーのお披露目に向けてレッスンを開始するんだけど、段々役柄と現実がごっちゃになってきて、刑務所全体が舞台になったりと、稽古、本番、舞台がその境界を曖昧にしながら、ジュリアス・シーザーの話をベースにストーリーが展開していく。

いつか十分睡眠とってからもう一回見てみよう。

2013年6月16日日曜日

映画『最強のふたり』

2011年 監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ
製作国:フランス
at ギンレイホール




首から下が麻痺した大富豪フィリップと、スラム出身の黒人青年ドリスの物語。
普通なら知り合うこともない二人が友情関係を育んでいく。

面白いのはドリスのフィリップに対する接し方で、相手が富豪だとか重度の障害を持つものだとか一切気にしていない。
障害者っていうと、無意識に言葉に気をつけたりして腫れ物を扱うようにしてしまうけど、ドリスの無法?ぶりを見よ。
「これは健常者用のチョコだからあげられないよ」とか、一方的にフィリップに雪をぶつけて遊んだり、髭を面白くカットして遊んだりとか。
人によっては一々傷つく人もいるかもしれないけど、フィリップにとっては普通に接してくれるのが何よりうれしい。
ドリスの言動も友達に対するただの無邪気な悪ふざけだから。

実話をもとにした話らしく、最後に本物の二人が映し出される。
ドリスの方は黒人じゃないっぽかった。

映画『恋のロンドン狂騒曲』

2010年 監督:ウディ・アレン
製作国:アメリカ/スペイン
at ギンレイホール




うーん。何も感想が無い。
予定調和なハッピーエンドじゃないところと、豪華キャストというところが楽しむポイントなのかな。
悲喜劇おりまざる人生の一こまをライトに楽しみたい人は楽しめるはず。

2013年6月2日日曜日

映画『横道世之介』

2012年 監督:沖田修一
製作国:日本
at ギンレイホール




にゃーにゃーにゃーで始まる160分。
ネタばれしてんじゃね?っていう予告編と、160分という長さから最初から心が折れていたのだけど、そこそこ面白かった。

主人公はもっと現実ばなれした変なやつなのかと思ったら、結構普通の奴で、ちょっと図々しく、そして人がいい。
懐かしい場所もいっぱい映っていて、ああ、何の責任も無い気楽な学生に戻りたいと少し思ってしまった。
浮世ばなれした祥子ちゃん(吉高由里子)が大人になったら落ち着いた雰囲気になっているのも、学生時代って若くて変で特殊だよなって思わせる。

160分だけど、全体的には駆け足な感じがする。
特に卒業後がすっ飛ばしすぎていて、学生時代あれだけ親密になったのに、卒業後に音信不通になるってどういうこと?
・・・いや、よくあるなぁ。
にしても祥子ちゃんと別れた理由とかそれなりにドラマがあったはずなのに。

一応世之介が主人公だけど、実は友人達の回想っていう視点の方がメインだったりするのかもしれない。
友人達が見た世之介なので、それは断片的な記憶になる。
そして人によって世之介像が違うかもしれないし、そもそも世之介の本当の姿を誰も知らなかったかもしれない。
回想視点と考えると、断片的な展開も納得がいく。
でも描き方として、「学生時代→その登場人物達による回想」っていう順番が基本だから、回想視点がメインじゃなくて、やっぱり世之介視点のお話に見えて駆け足感を感じてしまうのだけど。

原作は吉田修一の小説で結構有名な作品らしい。

阿久津唯役の子がなんか見たことある気がすると思っていたら、連ドラに出ていたチュルチュルさんだったんだな。朝倉あき。

映画『夢売るふたり』

2012年 監督:西川美和
製作国:日本
at ギンレイホール




女性映画監督が作る映画ってどうも苦手なことが多いのだけど、西川美和だけは面白いなぁ。
女性ならではの繊細さみたいなものが、映像のスタイリッシュさとか芸術性とか一部の天才しか向いても意味が無い無駄な方向には向かず、ちゃんと人間に向いているから。
だから登場人物の表情を捉えるのが上手い。
心の奥底や秘密が露見する時の緊張感とか静けさとか役者さんの表情とか、堪らなくいい。
例えば松たか子が振り向いたまま固まった時のクローズアップで、首からあごにかけて幾重にも現れたたるみ皺はキュートでした。