2015年3月22日日曜日

映画『ショート・ターム』

2013年 監督:デスティン・ダニエル・クレットン
製作国:アメリカ
at ギンレイホール




アメリカの実名レビューサイトロッテンマイヤー、じゃなくてロッテントマトで驚きの満足度99%を獲得したとかなんとかで、胡散臭いなぁと思ったけど普通に面白かった。
大感動したとか面白すぎて大絶賛するとかじゃなくて飽くまで普通に面白かっただけだけど。
ロッテントマトのこの満足度の基準ってなんなんだろう。
満足不満足の2択の場合、つまらなくなければ満足に入れるから癖の無い映画ならみな100%近くなる気がする。

心に傷を負ったティーンのための短期保護施設が舞台。
問題児の女の子が話の主題かと思いきや(確かにキーではあるが)、そっちかよ!的な展開に。
なんかこういう仕事するのは同じような境遇じゃなきゃ勤まらないと言われている気もする。
スタッフとして入ったばかりの意識高い系の学生の兄ちゃんは馬鹿っぽそうだったし。
この馬鹿な兄ちゃんがもう少しかき回してくれるかと思いきや存在感薄いままだったので寂しい。

最後はほっこりするし見て損することは無い。
特に女性には受けがよさそう。
なんといっても主人公グレイス(ブリー・ラーソン)の恋人のメイソン(ジョン・ギャラガー・Jr)が信じられないくらいのいい奴で女性にとっての理想の男性像に近そうだから。

映画『悪童日記』

2013年 監督:ヤーノシュ・サース
製作国:ドイツ/ハンガリー
at ギンレイホール




原作はアゴタ・クリストフの『悪童日記』1986年。
世界的ベストセラーで、この映画見た人の大半が原作も読んでいてかつ概ね好評の模様。
なるほど、映像もいいし確かに面白かったけど、見終わってなんかすっきりしないというか印象に残らないというかもやもや感が残るのは、俺が原作を未読だからに違いない。
幸せそうな一般家庭のお子ちゃま達が気付いたら危ない子供達になっていた時からついていけていなかったかもしれない。

主役の双子はハンガリー中の学校を長い期間探し続けてやっと見つけた素人の子供達らしい。
無垢そうでいて力強い目つきや大人びた表情等々、凄い子供達を見つけたもんだ。
この役にこまっしゃくれた子役なんか使ったら胡散臭さしか残らないからね。

2015年3月15日日曜日

映画『蜩ノ記(ひぐらしのき)』

2013年 監督:小泉堯史
製作国:日本
at ギンレイホール




原作は葉室麟。
小泉堯史ってなんとなく藤沢周平原作の映画をいっぱい撮っている気がしていたけど、フィルモグラフィー見てみると一本も撮っていなかった。

監督が配役にどこまで関わっているか知らないが、予測するにまあおちゃだ君は製作側の要望かなと思う(いまどきただの時代劇じゃ人が入らないから)。
そして堀北真希はグレーゾーン。
で、それ以外は監督の配役かなと思う。
役所広司、原田美枝子、いいじゃない。
井川比佐志、最高だね。
寺島しのぶ。。。ん?絶世の美女みたいな役。。年配の人には受けがいいのだろうか。寺島しのぶならまだ富司純子に若作りさせてやってもらった方がいいのだが。

小泉堯史ってそんなに見ていないけど、いつも平均以上の映画を撮ってくれるから安心して見る事ができる。
ただ、なんかきれい過ぎるせいか可も無く不可も無くという感じだけど。


見ているとき切腹つながりで小林正樹の傑作『切腹』を思い出した。
きれい過ぎる『蜩ノ記』の対極にある感じ。予告編が落ちていたからはっておく。

2015年3月8日日曜日

映画『舞妓はレディ』

2014年 監督:周防正行
製作国:日本
at ギンレイホール




マイフェアレディのもじりと思われるタイトルのとおり、ミュージカルになっている。
でも役者はミュージカル俳優とか使っていなくて、普通の役者さんが出演している。(ダンスとしては草刈民代がいたりもするけど)
ミュージカルってなんといっても歌やダンスのうまさが重要なんだなぁと改めて思った。
公式ページによると監督は、本格的なミュージカル映画を撮る気はさらさらなかった、歌は役者にしか出せない味があるからそれを出したかった、みたいなことを言っている。
なるほど、ただ、竹中直人あたりからなんか耳障りになってきてミュージカルシーンになるたびにちょっとため息が出てしまった。
主役の少女上白石萌音はよかったけど。
最後の方で上白石萌音が踊りだしたときはその違和感とともにミュージカルって感じで超楽しかった。
あと回想シーンの大原櫻子もよかった。
やっぱり味とかうんぬんの前に歌がうまくないと駄目だよなぁ。

出演者はちょい役含めて有名どころがやりすぎなくらいたくさん出ている。
長谷川博己って始めてみたけど、歌のお兄さんが役者に転向したのかとずっと思っていた。
富司純子はずっと漢字だけ芸名変わったと思っていたけど読み方も「ふじすみこ」に変えていたと今知った。
冒頭の草刈民代の劇はまんま緋牡丹博徒へのオマージュだったね。本人いるけど。
竹中直人が演じた富さんの役名は青木富夫だったらしい。突貫小僧だ。

ミュージカルシーン見ながら思ったんだけど、純和風ミュージカルって今まであったのかな。
歌は長唄、ダンスの代わりに舞、みたいな。
ついでに浪曲師、長唄、義太夫、津軽三味線、琵琶、琴、尺八、雅楽、日本舞踊に歌舞伎役者に能楽師狂言師、なんでもかんでも集めたミュージカルを誰か作ってくれないかな。
盛り上がるかどうかは知らないが。
まあ歌舞伎自体がミュージカルみたいなもんだけど。